Jブルークレジットのスゝメ(3)
Jブルークレジットの申請説明シリーズ3回目。
2回目は、Jブルークレジットの特徴的な点をご案内しました。
ご覧になっていない場合は、1回目と併せて、ご参照ください。
ひと言で言うと、こういうことでした。
大切に育てたいという「親心」からのプロセス。
ウォッシュの誹りを受けないように、取り組んで行きましょう。
さて、今回は「どんな活動主体がクレジット申請できるのか」から。
まずは、国の機関は出先機関まで含めてNG。
で、条件2は「貢献していない人はダメ」ということ。
企業としてブルーへの関与の仕方としては、プロジェクトを一緒に行う方法、公募に応募して購入する方法、プロジェクト実施者から直接購入する方法があります。
個人的には、是非とも、ヒト・モノ・カネ・技術を提供して、ガッツリ取り組むことをお奨めします。クレジットを購入するだけでも、環境に対する企業の貢献として訴求できますが、事業者と一緒に活動するメリットは計り知れません。
企業として実施するには、単なるCSR活動ではなく、収益につながることが重要。であればこそ、ステークホルダーにも説明もでき、サスティナブルな活動につながりますから。
続いては「どんなプロジェクトが対象になるのか?」
次の2点がポイントです。
1.は「追加性」と「ベースライン」という要件です。
「追加性(Additionality)」とはクレジットの世界では頻出単語。
ひと言で言うと「クレジットの収益が無かりせば、そのプロジェクトが成立しなかったであろう」ということ。
分かりにくいですよね。
J-クレジットの例で言うと、「コストのかかる設備、システムなので、クレジットの収益が期待できないのであれば、実施しようという事業者は現れなかったでしょう」というプロジェクトのこと。
クレジットを生み出すためには、高効率な機器を導入したり、複雑なシステムを採用したり、あるいは、人手のかかる非効率な手法を実施したりする必要がある場合がほとんどです。
そういう場合は、既存の成熟した技術を使用する場合と比較してコストがかかるので、合理的に考えると、実施されることはありません。でも、クレジットの売却益が得られることによって収益がプラスになるのであれば、実施する事業者が出てきてもおかしくありません。
2009年11月から始まった住宅用太陽光発電の余剰電力買取制度や、2012年7月から始まった再エネの全量買取制度のように、固定価格で一定期間無条件に買い取ってくれると、安心して設備の導入に踏み切れますよね。
具体的には、「導入する設備の投資回収年数が3年以上であること又はプロジェクトの実施前後でランニングコストが増加すること。」が原則となっています。
Jブルークレジットでは、「クレジット取得が、活動の維持や発展につながること」とされています。が、これでは概念過ぎますので、以下の3点に基づき、自主的な活動か否か(法的要求に因るものか否かなど)という観点から、他の要件と併せて認証委員会において判断されます。
現在、各地で発生している藻場の消失に対して実施されている再生事業は、自主的に行われていますし、藻場が再生すればブルーカーボンの減少が抑制されます。しかしながら、現在はほとんどボランティアで行われていることが多く、継続的に実施するためには資金が必要です。
ただ、それでも不安ですよね。
なので、「申請の前に相談してね」という流れになっているのです。
ということで、1.の「追加性」を説明してきました。
分かりにくいかとは思いますが、Jブルークレジットに関わらず、「クレジットのあるところ追加性あり」、覚えておいてもらえればと思います。
次回は、「ベースライン」からご案内していきます。
少しずつ、分かりやすくをモットーに進めていきますね。