COP27前のクレジット動向を確認(2)
COP27が始まって、メディアでもひととおりの報道が始まりました。
今回は、適応(Adaptation 7条)及び損失と損害(Lost & Damage 8条:通称ロスダメ)が主な論点であり、だからこそ、その議論の進め方に当たって、資金の出し手と受け手の間で意見の食い違いがあり、会議のスタートが遅れるといった、毎度おなじみの光景も見られました。
ですが、私の論点は「カーボン・クレジット」ですので、6条が本丸です。
何を決定すべきかについては、UNFCCCが10月25日に発表した、非公式文書(決定用素案)に記載があります。
とはいえ、英語でかつ長文なので、とても読んでられません。
なので、リストアップしてみました。
なお、優先順位により、来年に移行へ持ち越しとなるものもありそうです。
COP26において、具体的な内容はCOP27にて議論することは決定しているので、少なくとも、クレジットの報告方法と審査方法は決まるはずです。
ボランタリークレジットを扱う側からすると、「相当調整」及び「排出回避」について、決定には至らずとも、ガイダンス・考え方は示して欲しいところ。この定義が明確にならないと、創る側と使う側が疑心暗鬼となり、活用が進まないと考えるからです。
なお、言葉の説明は、回を改めて行いたいと思います。
重要な概念なので、さらっと説明するのは、苦しいです(汗)
「6条2項と6条4項は何を規定しているか」については説明しておかないと進まないので、何とか「さらっと」説明しておきます。
それぞれの交渉におけるポイントは、上記の非公式文書を元に整理すると、このような感じでしょうか。
また、6条全体に亘っては、「参加国の実施体制の強化」及び「体制強化のための能力開発支援(キャパビル)」が重要なポイントになるかと思います。
キャパビルについては、日本ではIGESが継続的に実施していますし、先進国及び国際機関も準備しているようです。恐らく、COP開催期間中に続々と発表されるのではないでしょうか。
このご時世、サイドイベントはリアルとバーチャルのハイブリッドだろうと踏んでいましたが、意外とリアル(in person)が多く、ちょっと残念。
なので、プレナリーをライブで視聴しつつ、極力少ないながらもバーチャルイベントに参加し、後は、SNS、環境NGOや各国政府及び大本営の発表をチェックして、自分なりの理解をしていきたいと思います。
「こんなことを知りたいんだけど」というご意見がありましたら、どしどしお寄せ下さい。自分が知りたいことだけを追っかけてしまいがちですので。