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EUの法律ってどのようにして決まるの?

先日のnoteで、欧州議会とEU理事会がCBAM導入について暫定且つ条件付きながら、合意に至ったという話を致しました。

ここで、「法律って、立法府である国会で決まるのじゃないの?」と思いませんでした? 私は、前々から不思議に感じていました。「EUの国会である欧州議会が決めるものでしょ」と。

ということで調べてみると、駐日欧州連合代表部のサイト「EU MAG」に説明がありました。それによると、EUには以下の7つの機関があるそうです。

欧州議会 (The European Parliament)
5年ごとの直接選挙で選ばれる議員で構成。欧州市民の利益を代表する機関で、EUの活動を監督するほか、法令を制定する権限をEU理事会と共有しています。

欧州理事会 (The European Council)
全EU加盟国の首脳(大統領か首相)および欧州委員会委員長、常任議長をメンバーとする最高政治機関であり、EU首脳会議とも呼ばれています。

EU理事会 (The Council of the European Union )
加盟国政府の閣僚で構成され、かつては閣僚理事会とも呼ばれていました。主たる役割はEUの法律を成立させることで、通常は欧州議会とこの立法権限を共有します。議題によって出席する担当閣僚が異なります。

欧州委員会 (The European Commission)
欧州委員会はEUの行政執行機関として、法令の立案、政策の施行、法の執行、国際条約の交渉などを行います。「EUの政府、内閣」、「EU基本条約の守護者」であり、欧州全体の利益を代表し、追求することが使命となっています。

EU司法裁判所 (The Court of Justice of the European Union)
EU法の順守と基本条約の適切な解釈・適用を保障する役割を担っています。

欧州中央銀行 (The European Central Bank)
単一通貨ユーロの管理と EU の金融政策を担当します。ユーロ圏内の物価安定を維持することを主たる任務としています。

EU MAGより

この中で、立法に関わるのは以下の3つの機関。

欧州議会:The European Parliament
EU理事会:The Council of the European Union
欧州委員会:The European Commission

EU MAGより

法案提出権は、特別の場合を除いて、欧州委員会が独占しているそうです。欧州議会もEU理事会も、欧州委員会に法案提出を要請することはできますが、提出するか否かは欧州委員会の裁量だとか。

その提出された法案は、基本的に、EU理事会と欧州議会が共同で採択。つまり、EUの立法府はEU理事会と欧州議会なのですね。

なので、「EU理事会と欧州議会が合意に至った」ということが、ほぼ間違い無く採択されるだろう、CBAM導入は事実上決定ということになる訳です。

個人的には、EU理事会と欧州理事会が別機関であるというのが驚きでした。
詳しくはこちらをどうぞ。

法案の作成から提出、採択の過程は複雑でとても理解できませんが、このあたりの最低限の知識があれば、欧州で検討されている施策が、今どのような状態にあるかが、およそ分かるのでは無いかと思いました。

まず、「EUの法律は欧州議会とEU理事会で決まる」と覚えておきます。

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園田隆克@GHG削減サポーター
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