取引先に提供する排出量は?(その1)
CDPの回答書作成、お疲れ様です。
締切日にはアクセスが集中するでしょうから、余裕を持って入力作業行いたいですね。「提出」をクリックするまでは何度でも修正できますので、とりあえずは入力しておきたいところ。
なお、提出後でも11月30日までであれば修正が可能です。
CDPグローバルチームへ依頼しましょう。
7月27日後に提出された回答は評価対象外ですから、とにかく、締切日までにどんな形でも一旦提出しておくことが肝要です。
初めての回答であれば、自社の排出量を算定するので精一杯で、スコープ3、例えばカテゴリー1、原材料などの購入品については、IDEA等を用いて金額ベースで算定しているのではないでしょうか。
ただ、CDPは、毎年算定業務を行うことでスキルアップし、徐々に精度を上げていくことを求めています。ですので、来年はサプライヤーさんから「ざっくり」とで構わないので、活動量を提出してもらえるよう、今から協力してもらえるようお願いしておくことをお勧めします。
さて、提供してもらうデータについては、レベルがあります。
排出量の算定に当たっては、GHGプロコトルの「コーポレート基準」及び「スコープ3基準」に基づいて実施していると思います。その「スコープ3基準」に、次のような記載があります。
一番望ましいのは、「製品レベルのデータ」です。
しかしながら、このデータを提出してもらうためには、GHGプロコトルのプロダクト基準にしたがって活動量を記録しておいてもらう必要があります。
最初から高望みせず、まずは「事業者レベル」、会社全体の排出量を算定してもらうことを目標にしましょう。
今年自社でやったことを、お願いする形になります。
今回算定してみて、色々と苦労されたと思いますが、そのような経験を共有しながら、二人三脚で取り組まれるのがよいかと思います。
もちろん、全てのサプライヤーさんに対しては無理ですから、そこは、取引の規模等でプライオリティをつけて、実施すればよいです。Tier 1のサプライヤーが習熟してもらえれば、Tier2に対してはお任せできるでしょうし、水平展開してもらうことも可能でしょう。
なお、会社全体の排出量がそのまま、自社のカテゴリー1になる訳ではありません。物理的あるいは経済的に配分(按分)することになります。
スコープ3基準には、以下のような例が示されています。
これを見ると、カテゴリー毎に配分しなければならないのか?と途方に暮れそうですが、売上や出荷量など、妥当と思われる配分方法で全体を按分することが一般的です。
このような形で、全くやったことが無い状態から、何とか算定できるレベルにきたら、次は「製品レベルのデータ」にステップアップしましょう。
自社にとってもサプライヤーにとっても、相当にタフな仕事になります。
ですが、稔りは非常に大きい。実は、グローバル企業でも、着手できているところは、非常に少ないからです。
プライム市場に移行した企業が、ようやく自社の排出量の算定に着手したところ。アドバルーン効果も見込めます。
情報開示は、その幅と深さにおいて、とどまるところを知りません。
さっさと始めて、知見を蓄積していきましょう。
次回は、「製品レベルのデータ」についてご案内していきますね。
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