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FLAGガイダンスがアップデートされました

22年9月28日にリリースされた、FLAGのセクター別ガイダンス。
その際は、5回に亘って紹介しました。

リリースから半年の周知期間を経て、23年4月1日から適用が始まりましたが、SBTiは算定方法である、GHGプロトコルのFLAGセクターのガイダンス「Land Sector and Removals Guidance」は23年半ばまでにリリースと考えたタイムラインが引かれていました。

ですが、実際は1年後ろ倒しとなることが確定、スケジュール変更となりました。

これを受けて、FLAG目標提出期限が、変更となったことはご存知でしたか?
当初設定されていた、認定を受けた期日による区分がなくなっています。

FLAG Guidance V1.1より

23年半ばだと考えていたので、23年12月31日までに提出を義務づけていても、対応可能と思っていたところ、リリースされなかったのですから。

FLAG Getting started guideより

なので、「義務」とはせず、自社の更新サイクルに併せて提出する際には、FLAG目標を含めなさい、という軟らかい表現になりました。代わりに、GHGPのガイダンスがリリースされたら、6ヶ月以内の更新が義務付けされました。

スタートアップガイダンスも、Ver.1.1へ更新されていますので、ご確認下さい。

このように、目標設定のデファクトであるSBTi、算定方法のデファクトであるGHGPと密接に連関していますので、一方に修正が入れば、他方に修正が入ることが普通にあります。

23年12月15日、SBTiがFLAG目標設定プロセスへのアクセス向上及び理解促進を目的に、若干のアップデートを行いましたが、恐らく、GHGPがガイダンスの検討を進める中で、何がしらの変更があったからではないかと思っています。

加えて、FLAGリリースから1年経過し、すでに10社以上の企業が提出、検証を受けたようですので、こちらからのフィードバックを盛り込んだこともあるでしょう。

もし既にダウンロードされているのでしたら、23年12月にVer.1.1がサイトにアップされていますので、最新版をダウンロード下さい。即、適用開始ですから。

内容を簡単に説明すると、以下の3点。

1.コモディティ別の目標は、個別に達成しなければならない
2.FLAG目標に用いるデータの品質向上
3.FLAGセクターからの排出量算定の義務化

1.についてが、一番重要でしょう。
目標設定ツールで、一つの目標に集計することができますが、小麦やトウモロコシなどコモディティ別の目標(sub-targets)の達成も義務となります。

FLAG Guidance V1.1より

2.は、申請にあたりアネックスフォーム(Annex-FLAG_Target-Submission-Form V1.0)にて、コモディティごと、地域ごとのFLAG排出量の情報、FLAG排出量の細分化されたデータ(土地利用の変化と土地管理の排出量の分離)、商品ごとの除去量などを明確にしなさいということ。

3.は「FLAG目標設定有無に関係なく、土地からの排出量を算定し、ベースラインに含める必要がある」ことが明確化されたものとのこと。

クロスセクターの申請書「SBTi-Target-Submission-Form V1.0」には記入欄がありますので、確認しておきましょう。

SBTi-Target-Submission-Form V1.0より

ということで、FLAGセクターに該当するか否かにかかわらず、土地からの排出量については、把握しておく必要があるということ。なので、今年リリース予定のGHGPのガイダンス、ますます目が離せなくなりますね。

以上、FLAGセクター別ガイダンスのアップデート情報、お届けしました。
これからも、随時ご案内していきますので、是非フォローお願いしますね。


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園田隆克@GHG削減サポーター
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