SBTi参加企業数アップデート
毎月定例のSBTi参加企業数、2024年1月度。
毎週木曜日にアップデートされますので、2024年1月25日現在です。
前回はこちら。
最初に、お詫びと修正です。
下記のような誤りがありました。
ですので、Net-Zeroの参加企業数は「審査中」の企業数分だけ増えますし、SBTi短期の認定率は、分母が「コミットのみ」の企業数だけ減るので、高くなります。
今回から、SBTi短期には「審査中」「コミットのみ」を追加します。
また、認定率は正しく計算したものを掲載します。(残念ながら、過去に遡って再計算はできませんので、継続性が担保されませんがすみません)
Net-Zeroについては、「審査中」が公開データから読み取れませんので、「全体(審査中除く)」という表記で、これまで通りとさせて下さい。
ご案内のように、「Commitment removed」というステータスが加わりましたので、こちらでも、新しくその企業数もご案内したいと思います。
ちなみに、現在「Commitment removed」と開示されている日本企業は、次の6社です。まぁまぁの大企業が「removed」されてますね(笑)
ということで、いつものアップデートに戻ります。
まずは、世界の全体数(2年以内に目標を提出すると約束する「Commitment Letter」をSBTiに提出した数と認定された数の合計)及び認定数です。
ご説明したように、「審査中」「コミットのみ」「Commitment removed」を追加し、Net-Zeroについて「全体(審査中除く)」としています。
個人的には、「Commitment removed」の数もですが、どんな企業が「removed」されているのかが関心事。ある意味「開示ウォッシュ」である訳で、ステークホルダー間でどのような評価をされていくのか、注目です。
また、「審査中」は今回からのデータなので何も言えませんが、今後、どのように変化していくかをウォッチしたいです。審査待ちの状況が「見える化」されますから。
続いて、SBTi短期の全体数及び認定企業数の変化を見ていきましょう。
増減を見たのがこちら。
(Net-Zeroについては「全体(審査中除く)」に変更しました)
先月、世界全体については、短期及びNet-Zeroいずれも申請数は前月から大幅に増加しましたが、今月は傾向変わらず。日本は、短期の定常飛行はよいとして、Net-Zeroの、審査中を除いた全体数がマイナスになっているのが、エポックメイキング。
Net-Zeroには「Commitment removed」はありませんが、今後導入されることを見越して、「とても無理だ」という企業が撤退したのでしょうか。もしくは、「48時間以内に回答」などという、事務局の審査対応ができず、申請した手を下げたのかも。
最後に、認定率。
審査中のみの企業数が入手できなかったことから、SBTi短期のみに変更しました。上述のように正しい「分母」を使ったところ、世界の認定率が、ほぼ日本と同じになりました。それだけ「コミットのみ」が多かったということでしょう。
先日、TNFDが、早期にTNFD提言に沿った開示をする意向を示した企業を「アーリーアダプター」として募集し、2024年の世界経済フォーラム年次総会の中で発表しました。
世界46カ国から320社がTNFDアーリーアダプターとして公表され、内日本企業は全体の4分の1にあたる80社に上ったとのこと。
SBTiでいうところの「Commitment」ですが、TCFDでも賛同企業数でリードしている日本が、それだけ実際の日本企業の気候変動に向けての取り組みが賛同企業者数と比例して進んでいるとは言い難いという現状を鑑みると、結局「removed」になってしまうのでは?
有言実行、期待しています。