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サス情報の第三者保証、どう変わる?〜ISSA 5000とIESSAに備えよう(1)

サス情報開示が世界的に加速する中、信頼性を担保するための第三者保証の重要性が高まっていることは、実感されていると思います。

国内では、2023年3月期から、有報にサス情報開示欄が新設。保証業務に当たっては、金融庁の「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するWG」で議論され、2027年3月期から開示義務化、2028年3月期から保証適用義務化で固まってきています。

このように、会計の世界におけるサス情報開示が進む中、IAASB(国際監査・保証基準審議会)の「ISSA 5000」と、IESBA(国際会計士倫理基準審議会)の「IESSA」という、サステナビリティ情報の第三者保証の、国際的なルールが昨年公表されました。

サス担の方にはあまり馴染みがないかと思いますが、会計監査における保証業務び監査人の倫理に関わる基準を策定している団体です。

以前のnoteで紹介していますので、こちらを参照下さい。

今回は、ISSA5000とIESSAの内容及び企業のサス担として留意すべきポイント、そして今後の開示基準の動向について説明したいと思います。

ISSA 5000とIESSAとは?

1.ISSA5000(International Standard on Sustainability Assurance 5000)

ISSA5000は、サステナビリティ関連情報の保証業務を行う際に適用される国際基準です。これまで財務情報に適用されていた監査基準(ISAE 3000など)ではサステナビリティ情報を適切に評価できないとの認識のもと、新たに策定されました。

この基準は、以下のようなサステナビリティ関連情報に適用されます。

• 企業のESGパフォーマンスに関する開示
• 気候関連財務情報(TCFD)レポート
• サプライチェーンの環境・社会影響に関する報告

ISSA5000の導入により、サステナビリティ情報の保証に一定のルールが適用され、企業間の比較がしやすくなると期待されています。

なお、ISSA5000については、1月23日、JICPA主催の「サステナビリティ保証シンポジウム2025「我が国におけるサステナビリティ保証業務の今後の展望~ISSA 5000の策定を受けて」というセミナーが開催され、noteでご案内していますので、よろしければ参照下さい。

IESSA(International Ethics Standards for Sustainability Assurance)

IESSAは、サステナビリティ情報の保証を行う監査人やアシュアランス・プロバイダー(第三者保証を実施する専門家)が守るべき倫理基準や独立性を定めたものです。

例えば、次のような、保証の公正性を確保するためのルールが明文化されています。

• 保証業務を行う者は、企業と適切な距離を保ち、独立性を維持しなければならない
• 客観的な立場で検証を行い、誤った情報を提供しないようにする

これらを踏まえ、サス担とし留意すべきは次の3点かと思います。

1.証拠となるデータの整備は万全に
2.「限定的保証」を確実に
3.スタンダードセッターの動向をウォッチングしよう

次回は、これらのポイントについて、考えていきたいと思います。
なお、基準の内容に突っ込むことはしませんので、ご安心を。

この2つの基準は、受審企業に影響があるとは言え、あくまでも、保証業務を行う側のもの。相手の出方を分かっていると、無駄のない効率的な準備ができる、という視点でご案内したいと思っていますので。

開示のための開示にならないお手伝いをするのが、私の目指すところ。
皆さんのお役に立てるよう、頑張ります。

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園田隆克@GHG削減サポーター
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