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アルファベットスープはどんな味?
COP27開催中の11月11日、ISOが「Net Zero Guidelines」を発表しました。
公式サイトでは、このガイドラインの目的を、次のように説明しています。
・ネット・ゼロの定義と関連用語(温室効果ガス除去、オフセット、バリューチェーンなど)、スコープ1・2・3の範囲の違いを明確にすること。
・カーボンニュートラリティを達成しようとするすべての関係者のためにハイレベルな原則を示すこと
・できるだけ早く、遅くとも2050年までに達成するための実行可能なガイダンスとなること
・透明性のあるコミュニケーション、信頼できる主張、そして一貫した報告方法を提示すること
これによって、「ネット・ゼロ」の主張が標準化されるため、比較が容易になり、各国における「より良い規制」につながり、ひいては、「野心のループ」を生み出すことができるとしています。
なので、昨日ご案内した、「HLEGレポート」と「WBCSDレポート」と同じように、「アルファベットスープ」を解消することを目的とした「ガイドライン」という印象を受けました。
ということで、読み進んでいったのですが….
途中で、ハタと気づきました。いえ、何も悪いことは無いのです。
ですが、内容が一緒なのです。
数多存在する、基準、規格、フレームワーク、ガイドライン等々と。
国際規格を定める機関であるISOが、改めてこのようなガイドラインを発表する意味って何なのでしょうか?
ISOの国際ワークショップ協定(IWA)プロセスは、広範かつ直接的な参加を促進するための完璧なプラットフォームを提供しました。
「とりまとめました」というところなのでしょうか。
ネットゼロについては、国連が「Race to Zero」キャンペーンを実施しており、それを受けて、各環境イニシアチブが、独自の「ネットゼロ」キャンペーンを展開しています。なので、基本的なルールは殆ど同じです。
他方、製品単位の排出量の算定では、細かな点において異なっています。
例えば、配分をどうするのか、リサイクルの扱いをどうするのか、Cradle-to-GateなのかGate-to-Gateなのか、などなど。
とはいえ、スープのベース味は同じです。中の具材が異なる程度です。
情報開示のような、「アルファベットスープ」とは違うと思います。
なので、ここで改めて規格の「大本営」が、真打ち登場とばかりに、「唯一無二」のガイドラインを発表して、その他のイニシアチブが右に倣えしてくれるのであれば、相応の価値、意味があると思います。
言うなれば、OEMメーカーが、納品先毎に、細かな仕様変更をしなくて済むようなものでしょうか。
決して、悪いと言っているのではありませんが、ISOがわざわざ発表するのであれば、もっとベネフィットがあってもよいのでは、と言いたいのです。
ローンチウェビナーを視聴していましたが、いみじくも、SBTiの担当者が、目的と活用方法について質問を投げかけていました。激しく同意しました。
まぁ、算定や目標設定、削減活動はこれから当たり前になっていくところ、事業者の方もどんどんレベルが上がっていきますから、余計なお世話になるかもしれませんね。
このnoteでは、皆さんの削減活動に資するよう、現状をお伝えしていくことに徹したいと思います。是非とも、フォローお願いします。
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![園田隆克@GHG削減サポーター](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68962323/profile_1d66a4f6c06e6873abd9309a5d3f4220.png?width=600&crop=1:1,smart)