VCMのプラットフォーム〜ACX
VCMの動向をチェックするのにお世話になっているのが「ACX」
カーボン・クレジットの取引が全てウェブ上で完結するマーケットを提供する企業です。安全で信頼性が高く、堅牢なプラットフォームを提供、透明な価格設定、効率的な取引、決済リスクの軽減、低い手数料を謳っています。
皆さんご存じのように、ボランタリークレジットは、まだまだ相対取引がほとんどを占めているため、いくらで取引されたのかは分かりません。そこに、ACXのような、クレジット価格がウェブ上で確認できる市場の存在価値は非常に大きいと言えます。
実務としては、CARBON CREDITS.COMと併せて活用しています。
加えてACXは、毎週メルマガで市況を伝えてくれます。
ほぼリアルタイムのプライスであること、ウェブ上で取引されていることから、最低価格を概観できること、加えて、市場動向に対する分析が極めて貴重であると考えています。
また、BeZeroとアライアンスを組んで、クレジットの格付情報も提供しています。信頼できる格付機関による格付が重要であると思っていますが、個人的にはBeZeroを「信頼」しているので、私的には大きな利点です。
結局、買う側からすると、方法論やPDDを確認した上で購入することは無く、どのクレジットスキームのどの方法論に基づいて創生し、認証、登録されたクレジットなのかだけで購買判断しているかと思います。
そのスキームオーナーが、ウォッシュ対策に追われている現状を鑑みると、Verraだから、GSだから、というだけでは「高品質」と判断するには不十分だと考えます。
もちろん、格付サービスを行っている企業は多数あるので、こちらも万全とは言えませんが、両者を組み合わせてクレジットが「High Integrity」なのか判断することがベターであるとすれば、ACXのサービスは現状セカンドベストかなと思い、ウォッチングしているところです。
前置きが長くなりましたが、そんなACXが、各国で同様のプラットフォームを提供する企業と相次いで提携し、ネットワークを拡げています。ACXはシンガポール拠点の企業ですが、ドバイを皮切りに、インド、ブラジル、ベトナムと、目を見張る勢いです。
ACXカーボン・マーケット・ボード(CMB)へのACR上場も果たしました。
これをきっかけに、その他のボラクレも上場することになれば、取引がより一般的になり、マーケットが拡大することは確実。
プロジェクトの評価を独立かつ正確に自動化するソフトウェアを構築しているSylveraとパートナーシップを組むことも発表。最高ランクのプロジェクト(A以上(AA & AAA)、コベネフィットスコア3以上)を取引できるようになるそうです。
購入者は、環境保全性の高いクレジットに投資しているという確信を得ることができる訳です。クレジット購入意向がある企業は、価格よりも品質、コベネフィットの有無、環境へのインパクトを重要視する傾向が高いことを考慮すると、まさに時機を得た動きだなと、感心します。
ということで、今後、国内外でボラクレを創生、活用していこうとしていることから、ACXの「動向」は注目せざるを得ず、そんなACXが、まさに「やって欲しい」というサービスを矢継ぎ早に打ち出していたので、お金をもらっている訳ではありませんが、紹介致しました。
ACXは世界的に質の高いカーボン・クレジットへのアクセスを促進する重要なプレーヤーとして、今後存在感を示すことになるかもしれません。