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SBTi参加企業数アップデート

毎月定例のSBTi参加企業数、5月度。
毎週木曜日にアップデートされますので、2023年5月25日現在です。
前回はこちら。

まずは、世界の全体数(2年以内に目標を提出すると約束する「Commitment Letter」をSBTiに提出した数と認証された数の合計)及び認証数です。
全体数の伸びに対し認証数も追随してきており、認証作業もうまく廻っている様子。

22年4月に、認証に遅れが生じていると「緊急事態宣言」を発出、お詫びをすると共にキャパの増大を「プレッジ」していましたが、このようにグラフ化してみるとその効果がよく分かります。

増減を見たのがこちら。

○短期SBT
コミット数:世界 +169社 日本 +42社
認証数:世界 +179社 日本 +41社
○Net-Zero
コミット数:世界 +26社 日本 +1社
認証数:世界 +24社 日本 0社

やはり、中々Net-Zero認証数は増えませんね。
ただ、通すのが目的ではありませんから、慎重に。

今年、削減貢献量の規格がWBCSDからリリースされましたが、それに基づくとNet-Zero相当の目標設定がなされていなければ「削減貢献量」は謳えないとしていましたので、今後、どのような影響があるか、注目していたいと思っています。

さて、実は、日本時間の5/27夕刻に、SBTiのサイトにアクセスし、ダッシュボードのフィルターを使ってデータを抽出、記事を執筆していたのですが、その時は「?」となっていました。

というのも、あまりに「増えすぎていた」からです。

その時のデータを元にした増減が、こちら

○短期SBT
コミット数:世界 +830社 日本 +121社
認証数:世界 +517社 日本 +109社
○Net-Zero
コミット数:世界 +278社 日本 +10社
認証数:世界 +55社 日本 2社

世界と日本、短期及びNet-Zeroを分けて見てみると、短期SBTのコミット数と認証数及びNet-Zeroの世界のコミット数と認証数の伸びが異常なくらいに増加しているのが一目瞭然。

なので、アップする前に再確認しようと思っていたところ、大正解。
上で説明した通り、ちゃんと「正常値」になっていました。

データとしてお見せしてはいませんが、Net-Zeroの認証数の内数(目標年、目標年度毎の認証数)を見てみると、認証数が減っていたり、新たな目標年度が増えていたりしています。

この事実や、一時的なデータの不整合を鑑みると、内部で相当な混乱が生じていたのではと類推します。

で、思い当たるのが、以前にご案内した、フォームのアップデート。

2月から3月にかけてアップデートが行われており、5月1日から新しいフォームでの提出が義務づけられたのです。

古いフォームのままの申請と、新しいフォームで準備しておいて、切り替わりのタイミングで提出したものとが混在していた可能性もありますね。

加えて、今年23年3月2日現在で、コミットしていながら2年以内に申請していない企業は、ダッシュボード上で「Commitment removed」と標記される旨、ルールが明確化されたことも影響しているかもしれません。

駆け込み申請も重なってしまえば、豈図らんや。
大目に見てやりましょう。


さて、昨年22年9月末にリリースされたFLAGのセクター別アプローチですが、半年の周知期間を経て、今年23年4月から運用が開始されています。

現在認証を受けている企業におかれては、認証を受けた期日によって、FLAG目標を提出しなければならない締切日が異なっています。

2020年1月1日より前に認証:2023年12月31日まで
2020年1月1日以降に認証された場合:2024年12月31日まで

これについては、3回シリーズでお届けしていますので、参照ください。

ただ、SBTは目標設定の方法の共通ルール。
算定方法の共通ルールは、GHGプロトコル。

こちらは、今年の半ばのリリースへ向けて最終段階に入っています。

ドラフトは公開されていますので、今年の年末が提出のデッドラインの企業は、こちらを参照して算定、目標設定を進めるのが良いでしょう。

なお、SBTiは「GHGプロトコルにドラフトからの変更があれば、それに対応する」と明言していますので、動向には注意しておく必要があります。

noteでもリリースされ次第ご案内しますので、フォローして頂ければと思います。

よろしくお願いしますね。

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園田隆克@GHG削減サポーター
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