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Jブルークレジットのスゝメ(2)
前回は、「Jブルークレジット®」制度の現状と、取り組む意義についてご案内したところで終わってしまっていました。
今回は、具体的なモニタリング方法について見ていきたいと思います。
基本的には、スキームオーナーが発行している「Jブルークレジット®認証申請の手引き- ブルーカーボンを活用した気候変動対策 -Ver.2.2.1」にしたがって説明していきます。
まず、そもそもブルーカーボンは何を算定しているのか、つまり、どこに蓄えられた炭素量を認証するのかを理解してください。
というのも、「モズクやワカメって、結局収穫されて消費されるので、クレジットなんてできないでしょ?」と訊ねられることが、実に多いからです。
森林吸収系のクレジットでは、成長時に光合成によって生成された炭素が生体に取り込まれた量を算定するので、その対比で考えれば当然ですよね。
ですが、ブルーカーボンは、「海洋生物によって大気中のCO2が取り込まれ、海藻やマングローブ、塩性湿地等の海洋生態系内に吸収・貯留された炭素」のことで、貯留場所が「海底の堆積物中」であり、貯留の持続性が高いことが特徴です。
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海底の土壌中、あるいは難分解性の溶存有機物として海水中に蓄積されているので、収穫されたとしても問題ないのです。加えて、グリーンが数十年しか貯留できないのに対し、ブルーは数百年から数千年という尺度で貯留されます。
つまり、2050年ネットゼロどころか、将来に亘ってCO2削減に寄与することができるのが、ブルーの強みです。
養殖事業であれば、収穫時に重量を測定することができるので、比較的実施ハードルが低いこともメリットでしょう。藻場の再生では、現段階では、効率的に測定する手段が限られていることもあり難易度は上がりますが、Jブルークレジット®が普及すれば、程なく解決する課題だと考えています。
ということで、「ブルーカーボンは海底の土壌や水中に貯留される」ことを理解頂いた上で、手続きの方を説明していきましょう。
まずは、事務局へ事前相談を行ってください。
申請予定のプロジェクトから、クレジットが創出できるか確認します。
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J-クレジットでは、登録申請と認証申請という2ステップを踏みます。
他方、Jブルークレジット®は、認証申請のみの1ステップです。
認証委員会に諮られ、審査を受けた後認証となるので、ダメ出しを喰らえば、それまでの苦労が水の泡となってしまうのです。
また、大事に育てたいという思いから、事前相談を必須にしています。(J-クレジットでは、事前相談も可能、というスタンス)
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令和4年度までは、実施サイトを全て訪問し、インタビューをされています。
まぁ、試行事業ということもあり、申請数が限られていたことから可能だったのでしょうが、こと、海域に関しては、利権関係が絡んでいたりする場合もあり、いざこざが起きてほしくないという理由もあったり…..
あと、最近のクレジット界隈を賑わしている「ウォッシュ」を避ける意味からも、できる限りは続けてもらいたいと思います。
今回は、Jブルークレジット®の特徴的なところをご案内しました。
最初が肝心、しっかり理解した上で、実施・申請しましょうね。
次回は、「どんなプロジェクトが対象となるのか」から説明していきたいと思います。
引き続き、よろしくです。
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