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ISSBアップデート

9月は、気候変動界隈では、月末にニューヨークで開催された「Climate Week」の注目度が高かったと思います。

とはいえ、参加するのはもちろん、ライブ視聴も時差の関係から苦しいところ。期間中、イベントも多数行われましたので、COP前までにかけて、ゆっくりとブログを読んだり、オンデマンド視聴をしようと思っています。

その裏番組として(?!)、IFRSがロンドンで「World Standard-setters Conference」を開催されていました。個人的には、ISSBの動向が気になることから、Sue Lloyde議長と David Bolderstonテクニカルディレクターの対談動画を視聴しました。

内容は、およそ、次の5点でした。
以前からアナウンスされていたことで、目新しいところは無かったです。
まぁ、同じことを繰り返し案内しているということで、それだけ、ISSBも気合いを入れていることは伝わりました(^^ゞ

1.Two-year work plan
2.開示企業のS1・S2導入支援
3.各国版のS1・S2策定支援
4.ISSBのInteroperability
5.SASBのInternational Applicability

スケジュールについては、23年6月のS1・S2リリース後、予定していたものは、on the trackで進行中とのこと。こう見ると、この1年でIFRSは着実にタスクをこなしていたのですね。さらに、今後のアジェンダのために、キャパを確保して行くとのこと。サスガです。

さて、説明の順番からすると、2.になるのですが、ワークプランを説明すると分かりやすいので、最初にご案内。

このように、S1・S2の導入支援が最優先事項となっており、開示企業に対するもの(2)と法域に対するもの(3)の2種類があります。

その下位には、昨年実施していたコンサルテーションを反映して、S2(気候変動関連)に続くテーマ別開示項目である、生物多様性と人的資本(S3・S4?)が位置しており、SASB基準の強化も同列に扱われています。

なので、「2.開示企業のS1・S2導入支援」と「3.各国版のS1・S2策定支援」が時間を割いて説明されていたのも、当然でしょう。

2.については、繰り返しになりますが、様々なガイダンスを用意。キャパビルも支援しますし、効率的な開示ができるようにタクソノミーも統一させていますとPR。

具体的なものについてはこちら。

「Materiality」については、ESRSでは既にガイダンスが出ているので、リリースが待たれるところ。日本企業が苦手な「Scenario analysis」にも期待したいです。

これらのマテリアルは、全て「knowledge hub」にまとまっています。
ご利用下さい。

3.については、各法域において導入が進んでいることが紹介されました。
GDPや排出量という点では、ほぼ半数をカバーしているようです。

日本はドラフト段階で、今年度末までにようやく確定基準となりますが、シンガポールのように、来年度から報告義務が発生するなど、各国温度差はあります。

特に、アジア・オセアニアでの策定が進んでいることが分かりますね。

策定においては4種類の緩和措置を認め、まずは、各国において開示が進む環境を構築することに注力しています。この点については、ISSBの小森理事が繰り返し述べられていたように、「無理なお願いはしない」ということでしょう。

アプローチの仕方についての説明もありました。
このように、個別具体的な事情を勘案して「各国版」のS1・S2を策定すればよいのですね。

また、開示企業への手厚い導入支援と同じく、各法域への策定支援においても、同様の支援を用意。ガイダンスも公開しています。

さすが、「Two-year work plan」の最優先事項。盛り沢山の支援内容です。

4.と5.も、昨年S1・S2リリース以来の懸案事項ですので、目新しくはありませんが、進捗はしていますとPR。

今年2月には、IFRSとEFRAGが共同でガイダンスをリリースしています。

ISSBはS1・S2に続きS3、S4、S5とテーマを増やしていくことは確実ですので、ESG全てに亘って開示を要求しているESRSに対応していくことが肝要だと考えています。

また、SASBについても同様。
プロジェクトが完成した暁には、「may」から「should」になるのでしょう。

ということで、想定範囲内のアップデートでした。
個人的には、ぶれずに推進していって欲しいので、満足です。

年末のCOPに向けて、各イニシアチブからの発表も続くでしょう。
タイムリーにご案内していきたいと思いますので、ご期待下さい。





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