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何処かにある場所|詩

電車はなめらかに
進む
退勤後の車内
何故かいつもより空いていた
まだ明るい外
オレンジ色に傾く前の日差しに

目を閉じて
プールの底にいるみたい
映る水面が
冷静を知らせる

ルールはない
私は逃げる
誰もいないところに
花だけが、歌う場所で
飛び交う蟲をみた

九月の坂を上って
浜辺に降りてったならば
ぽつんと座る君がいて
私は隣にすっと腰を下ろして
何も言わず
水平線を眺め続けたのだった

目を閉じて
どこにいるのかな
いま ここ そこ
何処かにある場所で

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