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詩 散文集

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2023年9月の記事一覧

Questions|詩

かけ離れた名前を しっかり殺して詰め込んで 夜が 君を 全てを盗む頃に 長く続く緩やかな坂…

11

やがて飛行機に乗る|詩

会わなくなり 意味は去り 何れ遠くの風のように 退屈 嘘 かき集めてただけなのに 曲がる3…

15

私|自由律短歌

差し出しも 明け渡すものもない 刻まれた この赤いシンのみ 在り処を萌やす

15

サイダー序文|散文

 学校での僕は仮の僕だ。本当の僕は学校から帰ってきて、鉄でできた重く古いドアを開け、自室…

21

明けの宵|詩

明けの夜の鳥が 青をすくよ 声は やがて消えるよ 君の片腕がするりと はるか遠くの氷山 横た…

13

15|詩

私の過去と あなたの 15歳が 重なる 千年 波は寄せる ねえ ねえ ねえ 黙ってよう 月の窓辺…

11

見つけた|詩

ワンルームのアパートと 少し大きな家に挟まれた 広い道 車はほとんど通らない 気がつくと私は その中にいた 私の家から 直線距離で1kmくらい 袋小路ではなく 普通に繋がっている 何も特別とは 思わないだろう 夕暮れ時 少し肌寒いから 季節は秋だ 西の空は まだオレンジ色に 群れる羊雲を 焼き付けるみたいに照らしている 誰もいない 誰も 私はそこで 何かを忘れた それに 気づいたけど 何を忘れたのか ほとんど 見ないふりをしている 君がしてくれたんだね 目隠しを 音

リピート|散文

「そこで何をしてるの?」    その言葉が福音のようなものだったと気づくのはずっと後のこと…

12

恋に落ちた|詩

始まりから 終わりが見えた だから 静かに 笑顔よりも 泣き顔がみたい 抱きしめた 何も不…

20

街|詩

猫も眠り込む 昼過ぎ ボタンダウンと デッキシューズ 街を歩く 微かな潮の匂いと 記憶と  ア…

19

家路|散文

ここは瀬戸内海を見渡す古い石畳が残る坂の多い街 どこぞの国の艦船がこちらに砲台を向けのん…

16

1999|詩

1999年君に出会って 街外れのスーパーマーケットの 横で倒れていた 夏の風が吹いた 僕らの 僕…

14

残り香|自由律

シャンプーの 残り香 浴衣 流鏑馬の 篝火  流れる 夏の水灯

13

チョコミント・アイスクリーム|詩

わたしがチョコミントのアイスを頼むと あなたは嬉しそうに笑った わたしをバイクの後ろに乗っけている時 あなたは何を考えていたのだろう わたしはあなたのことを ほんの少ししか知らない だけど この鎖は分かち難く とめどなく寄せては返す波のように わたしはどこかいつも 自分をあなたにかさねていた わたしとあなたは 一見似てないけど 本質はよく似ている ぽっかりと空いた 穴は すぐに何かが埋めていく それは血であり日常であり あなたの笑顔の思い出 おかしなところに 気持ちは引