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詩 散文集

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2020年5月の記事一覧

1996|散文

 辺りはすっかりオレンジ色にかわっていた。風は柔らかくまだ生ぬるかったが、水の中に長く居…

「世界のどこか」|詩

「世界のどこか」 抜け出せないベッドのなかで 迷い続けいている 外は平和なんだ 僕は冷たい…

「坂道」|詩

「坂道」 急な坂道 松風通って5月 僕はまた宙返り 思い出のプールサイド 裸足の冷たさ ぬく…

「15」|詩

私の過去と あなたの 15歳が 重なる 千年 波は寄せる このまま ねえ ねえ 黙ってい…

レコード屋のアルバイト|散文

「今日も暇だね」と山田さんは言った。 「そうですね」と僕は言った。  その日の遅番は僕と山…

「キス」|詩

「キス」 僕は目を閉じて 目を閉じると 世界は暗転して あらゆるところで火の手が 上がってい…

sleep|詩

「sleep」 土の中の 君の声は やがて海に 吸い込まれた 答えて 答えて 本当さ 雪の中の 小鳥たちが 時の彼方 君の声を ゆらして ゆらして 本当に 12時過ぎのラジオ音声 聴きすぎた 好き嫌い考えすぎた 中学時代 秋の夜長 閉じ込められた もう二度とないラジオ音声 聴きすぎた それは遠くの部屋で聞こえる何か 貝殻あてた夏のはざま 閉じ込められた 土の中の 君の声は

戻った

「戻った」 久しぶりに電話をかけてみる 昼さがりに 君の部屋のカーテンは揺れている ずっと…

やがて飛行機に乗る|詩

「やがて飛行機に乗る」 会わなくなり意味は去り やがて遠くの風のように 退屈 嘘 かき集めて…

自由|詩

「自由」 頭は饒舌を離れ どこか異国の地を彷徨うように 羊の群れを追い越し 岬の先の夕暮れ…

「海のない街」|詩

「海のない街」 休日は街をぶらつく 週に一度の休日 これといって楽しみのない街 でも一体楽…

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