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地域総力戦で臨む、次の世代が楽しく暮らせる土壌づくり-(有)石元石油店 代表 石元宏二さん-
conneは南九州市の空き家と移住の総合案内所です。こちらのnote『conne channel』では南九州市内で事業を営む地域の人や移住者として新しい取組に挑戦する人などを紹介し、まち・ひと・想いの見える化を進めていこうと思います。
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南九州市の南に位置する頴娃(えい)町。ここ10年以上、異業種が集ったまちづくり団体『NPO法人頴娃おこそ会』の取組が全国的に有名となり、県内外問わず、多くの人が足を訪れるまちへと変化してきています。しかし、そこに至るまでには、危機感を持ち積極的に地域に根付いて活動してきた先人たちの存在があったのです『NPO法人頴娃おこそ会』の立ち上げや様々なプロジェクトに長年取り組み、現在は顧問としてメンバーを支える『(有)石元石油店』・代表の石元宏二さんに今までの変遷を聞きました。
インタビュー・執筆・撮影:上 泰寿(ケアの編集者)
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危機感を持ち、越境し、地域を守る
宏二さんは頴娃町生まれ。実家はガソリンスタンドやコインランドリーを運営する『(有)石元石油店』を経営し、両親と姉2人の5人家族の環境で育ってきました。高校卒業後は東京の大学へ進学。しかし、お父さんの体調が良くなかったこともあり、大学卒業と同時に家業を継業するため、23歳で頴娃町へUターンすることになります。
家族とともに家業を守る一方、消防団や商工会青年部にも所属し、地域活動にも精を出したそうです。
「地域のいろんな世代や職種の人たちと交流できましたし、何より、先輩たちがしっかりと礼節を指導してくださったのがとても大きかったです。そんな中でも強く印象が残っているのは、一度、ある銀行の支店長を招いて研修会を開催した際に、多くのメンバーが遅刻してしまったんです。その時、その支店長から時間をしっかり守るように厳しく怒られたのでその後みんなが時間を守るようになりました。」
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その後、商工会青年部でイベントなどを企画していく中で、地域の様々な人たちとの連携が不可欠だと感じ、1998年に『寄せ鍋クラブ』を立ち上げることになります。
“頴娃からどんどん人が離れていっている。このままでは良くない。どげんせんといかん!(鹿児島弁で「何とかしないといけない」の意味)”
寄せ鍋クラブはそんな危機感から生まれた団体。大分県竹田市の『竹田研究所』を視察で訪れたことも立ち上げのきっかけだそうです。
まずはロードミラーを磨くといったボランティアからのスタート。そこから少しずつイベントを開催していったといいます。
「顔がわかり、信頼関係があるからこそ、何か一言あればコトがスムーズに進むことも多いです。そんな仲間たちをつくることができたのはかなり大きかったと思いますし、今にもそれが繋がっています。」
次の世代が挑戦しやすい土壌をつくることで
活動を続けている中で楽しみの一つが反省会という名の飲み会。その中で「あれ、面白かったね」「今度は〜〜なことをやってみたらどう?」という声が次々とアイデアが出る瞬間が宏二さんにとって幸せだと思える瞬間だったそうです。
「どの活動にしても私たちのアイデアに地域の先輩たちが理解を示しサポートしてくださったので、とても活動しやすかったです。だからこそ、次の世代の人たちに対して、私たちも挑戦を後押しするスタンスでいます。もらったモノを次の世代へ返す、といえばいいでしょうか。」
そして、2004年『寄せ鍋クラブ』を一度解散し、新しい組織を立ち上げる準備に入ります。それはネガティブな意味合いではなく、次のステップへ向けた発展的解消だったといいます。2005年に任意団体『頴娃おこそ会』(以下:おこそ会)を立ち上げ、2007年にはNPO法人化としました。
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形態をNPO法人としたのは社会的信用を得るため。NPO法人だからこそ、行政や民間の関係機関との連携、若手移住者などの活動の活発化にも繋がるのではと考えたといいます。
2010年以降には頴娃へのU・Iターン者や地域おこし協力隊の受入、おこそ会への加入もあり、さらに活動の幅を広めていきました。
「ある移住者の家の草がかなり生い茂っていたので、おこそ会のメンバー総出で草刈りの手伝いに行ったこともあります(笑)。私たち世代にできることは移住者が田舎暮らしに慣れてもらうためのサポートが一番です。草刈りもですが、地域との仲介や調整などの役割を積極的に担い、壁となって守るのも一つの役割だと思っています。」
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焼酎「頴娃」 新酒祭りの様子
地域総力戦で今できることを
地域活動を行い始めて25年以上経ち、今の時代だからこそ感じる課題があるといいます。それは地域の人たちが定期的に集まる機会が急激に減ってきていること。ガソリンスタンドで仕事をしていると「久々に誰かと話をした」といった声もあり、小さなことでも気軽にどの世代も集まれる機会をつくる必要性を感じているそうです。
「孤立していく人が増えていかないように何かできることはないかと模索する日々です。せっかく今まで培ってきた信頼関係もあるので、それを活かしていきたい。飲み会でも茶会でもスポーツでも。ただ、楽しいと思うことじゃないと続きません。それは企画する私たちもそうです。以前、飲み会での冗談から企画した“全頴娃(英)オープンゴルフ大会”も20年以上続けました。」
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少子高齢化、人口減少、空き家増…etc。時代の変化につれ、宏二さんらが『寄せ鍋会』を立ち上げた当時の危機感が今まさに現実となってきています。宏二さん自身も年齢を重ね、以前のような精力的な活動はできなくなってきました。それでも、寄せ鍋クラブの立ち上げ当時の気持ちは今でも持ち続けています。その中で抱く希望について聞きました。
「頴娃町は地域総力戦で目の前の課題に臨んでいます。“何かやろう!”と口にしたら必ずやる。いろんな面で支えてくれる・動いてくれる人たちがいる。それがこのまちの最大の武器です。だからこそ新しい動きも生まれやすい。」
「手段は変われど、人が集まる場をつくることを一貫して続けてきたと思います。それを活かし、今できる役割を常に見出し、次の世代へバトンタッチできるように引き続き地域に根付いた活動を続けていきたいです。」
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(株式会社オコソコ 代表取締役)と2ショット
「今の自分たちにできることは何か?」
まちの未来を想い、時代の変化とともに自身の役割も少しずつ変えながら、仲間とともに動き続ける宏二さん。そのマインドを引き継ぐ次世代の私たちにできることは何なのか。どんな未来を描こうか。そう問いかけ、動いている若者たちもいます。
今後の頴娃を担う人たちがさらにどんな動きをしていくのか。楽しみでたまりません。
<基本情報>
事業者名:(有)石元石油店
営業時間: 月~土7:00-20:00 日祝9:00-17:00
定休日:元日
住所:鹿児島県南九州市頴娃町別府74-1
TEL:0993-38-1711
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