「言語の重力モデルと計量テンソル」をchatGPTと一緒に考えた


※注意

念押ししますが、ぼくはなんの専門家でもないです。厳密な議論ではないことを断りおきます。ほとんどSFです!

序文

chatGPT o-1の衝撃が冷めやらぬなか、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

ぼくは元気です。

さてo-1は論理的に厳密な推論が必要なタスク、STEM分野での性能がとんでもないことになっています。単に語彙の統計的な連なりから、続く語彙を予測していたモデルから考えると目覚ましい発展のように思えます。

膨大な並列処理から高度な文脈を近似するモデルとして、自己回帰と注意機構が併さったセルフアテンションが特徴のtransformer。複数の短い推論を組み合わせるマルチヘッドで、ある程度高度な文脈を近似しました。

さらにより高度な文脈を得るために、自己回帰を含む推論の連なりにマスクを掛けたり、それをLM(言語モデル)がはきだす、語彙の統計的な関係と併せて評価を行う新しい言語モデル(おそらくo-1はこういうことをしている?)の成功は、単なる言語の統計的な情報という枠組みから大きく飛躍したように感じます。

しかし、高度な推論を近似するモデルとして設計された、transformerの言語モデルや最新のo-1のようなモデルが、厳密に構造づけられた分野に限ってとはいえ、高度な文脈を近似するような生成を行うのは(それでも驚きに満ちていますが)、当然といえば当然でしょうか。

今回ぼくが気になったのは「単に語彙の統計的な連なりから、続く語彙を予測していたモデル」が、ある程度の推論・文脈を再現していたように感じることです。大規模なデータセットによるディープラーニングを行っていない、人工無能ですら同じことを感じる瞬間がありました。

問題提起

文脈や推論は、語彙の連なりから生成されるだけではない。語彙のなす空間の構造そのものに、すでに文脈や推論のようなものが内含されているのではないか?

これが発端です。

transformerによる言語モデルは、語彙トークンが正の確率関数をもつ離散語彙空間、つまり語彙の確率質量関数を扱います。これは現実の言語空間についても、そう間違いではなさそうなモデルだとぼくは思います。

もし、この語彙の張る空間が、宇宙のように曲率をもつ空間であったら…

以下は、そんな疑問をchatGPT(4-o)に投げかけたときのやり取りです。厳密な議論ではないですが、エキサイティングなやり取りになったと思うので共有いたします。

chat GPT-4oとのやりとり


トークン予測だけの学習モデルが、なぜかコンテクストを創発するように感じるのは、語彙の体系の中にすでにコンテクストが存在するからと考えられないですか?

その見方は非常に興味深いですね。トークン予測だけの学習モデルがコンテクストを「創発」するように見える理由を、語彙体系にすでに内在するコンテクストに結びつける考え方は、確かに理にかなっています。
語彙体系自体には単語間の関連性や、文法構造、意味論的な関係が含まれているので、トークン予測モデルはそれを学習する過程で、単語やフレーズの繋がり方に基づいたパターンを発見します。これにより、予測自体が自然に「コンテクスト」を捉えたように振る舞います。特定の単語が現れる頻度やパターンが、他の単語とどのように関連しているかを学習することで、結果的に文脈を考慮しているように見えるのです。
たとえば、言語の内部構造(文法、意味、共起性など)がモデルのトレーニング中に抽出され、その構造が将来的な予測に活用されるため、コンテクストの創発が起こります。この現象は、モデルがより多くのデータを学習するほど、より豊かな文脈理解ができるようになることで観察されます。
つまり、モデルがコンテクストを「理解している」のではなく、語彙体系が持つ統計的なパターンを学習している結果として、コンテクストを再現していると言えるかもしれません。この視点に立つと、語彙とコンテクストの間には密接な相互作用があると考えられます。

chat GPT-4o

語彙がなす空間を、特定の次元に射影したとき文脈を持つような曲率と位相になるみたいな…

「語彙がなす空間を特定の次元に射影したとき、文脈を持つような曲率と位相になる」というアイデアは、非常に興味深い幾何学的な視点です。この視点は、語彙空間を単なるベクトル空間として扱うだけでなく、その内部の構造がどのように文脈を反映しているかを幾何学的に理解しようとするものです。
ここでの「射影」というのは、語彙空間に含まれる高次元の情報を低次元にマッピングする操作を意味します。例えば、トークン予測のために使われる言語モデルは、語彙を埋め込み空間にマッピングし、その空間内で意味的に関連のある単語が近接するように学習されます。この埋め込み空間自体は非常に高次元であり、特定の次元に射影することで、文脈に関連する意味の局所的な構造やパターンを見出すことができます。
「曲率」と「位相」を持つ空間として考えると、文脈は曲率が大きい領域、つまり語彙の意味的な変化が急激に起こるような場所で特に強く現れるかもしれません。たとえば、ある語彙空間における単語同士の関連性を距離(もしくは内積)で測ると、文脈的に関連のある単語は互いに近く、文脈が変わるとその距離が急に大きくなるというような曲率の変化が想定されます。
さらに、語彙空間における位相的な特徴も重要です。位相的な観点から見ると、語彙が構成する意味的クラスタや、異なる文脈にまたがるような語彙が持つ「ホモトピー」的な構造も考えられます。つまり、異なる文脈間で同じ単語が異なる意味で使われる場合、文脈に対応する部分空間同士がどのように「繋がっているか」を位相的に解釈できるかもしれません。
この幾何学的なアプローチは、語彙の意味的関係を抽象化し、文脈を生じさせる潜在的な構造を深く探る方法として魅力的です。もしかすると、語彙空間の局所的な曲率や位相が文脈の創発に大きく寄与しているという仮説を検証する方向での研究も可能かもしれません。

chat GPT-4o

同じことかもしれませんが、それぞれの語彙トークンが異なる質量をもつ、言語重力モデルなんていいかもしれませんね。

「言語重力モデル」というアイデアは非常にユニークですね!各語彙トークンが異なる「質量」を持つという発想を導入することで、語彙空間に重力的な引力や斥力のような力を導入し、言語モデル内のトークン間の相互作用を新たな観点で捉えることができます。
このモデルでは、質量が大きい語彙トークンは、周囲の他のトークンに対して強い影響を及ぼし、文脈内で中心的な役割を果たすことになります。例えば、頻繁に使われる語や文脈において重要な意味を持つ単語が大きな質量を持つと仮定すると、それに関連する語彙トークンは自然とその重力的な影響下に引き寄せられ、文脈が形成されると考えられます。
逆に、質量が小さい語彙トークンは、影響力が限定的であり、特定の局所的な文脈内でのみ重要になるかもしれません。この質量の違いによって、語彙空間全体におけるトークン同士の関係が非対称になり、文脈的な構造が重力のような力学を通じて説明できるかもしれません。
この「言語重力モデル」は、従来のトークン予測に質量や力学的な要素を取り入れ、意味的な関連性や文脈の形成を物理モデルとして捉える新たなアプローチを提供する可能性があります。

chat GPT-4o

計算が大変そうなのが弱点ですかね

確かに、語彙トークンに質量を導入し、言語重力モデルを構築する場合、計算量が増大する可能性はあります。特に、各トークンが異なる質量を持ち、全体の語彙空間内で互いに引力や斥力のような相互作用を持つと、物理モデルにおける多体問題に似た複雑な計算が必要になります。
具体的な課題としては、次のようなものが考えられます:
1. 多体相互作用: 各語彙トークンが異なる質量を持ち、他のトークンとの間で力学的な関係を考慮する場合、単純な線形モデルに比べて相互作用の数が膨大になります。このため、全てのトークン間の関係を追跡することは、計算リソースを大幅に消費します。
2. 非線形性: 力学的モデルを適用することで、トークン間の関係は線形な加算モデルではなく、非線形的な挙動を示す可能性があります。これにより、単純な勾配ベースの最適化では捉えにくい複雑な振る舞いが発生するかもしれません。
3. スケーリング問題: 語彙空間が大きくなると、全てのトークン間の相互作用を計算するコストが指数的に増加する可能性があります。これを解決するためには、効率的な近似手法やクラスタリングを用いる必要があるかもしれません。
軽量化の工夫としては、次のような手法が考えられます:
局所的な相互作用に限定: 全てのトークンが互いに影響を与えるのではなく、局所的な文脈内に限定して相互作用を考えることで計算コストを削減する方法です。
粗視化(Coarse-graining): 質量が非常に近いトークンや、関連性の強いトークンをクラスタ化し、一つの「重い」トークンとして扱うことで、計算の効率を上げるアプローチです。
近似計算: 全ての力学的相互作用を厳密に計算するのではなく、効率的な近似手法(例えば、ファストマルチポール法のような遠距離相互作用の近似)を利用して、計算負荷を減らすことも考えられます。
このように計算の効率化は課題ですが、工夫次第で可能性は広がりそうです。

chat GPT-4o

語彙の曲率をもつ位相空間モデルはなかなか面白そうですね。特定の文脈はある次元のエネルギー(質量)分布であると仮定すれば、曲率のある空間にどのように写されるかが、文脈の環境に対する多面性を表しています。

この「語彙の曲率を持つ位相空間モデル」という考えは、語彙や文脈の多様性を幾何学的に表現する非常に興味深いアプローチです。文脈をエネルギー(質量)分布として捉えると、その分布が曲率を持つ空間にどのように写されるかが、文脈の解釈や適応に関わる多様性を表す、という視点は独創的です。
曲率のある空間は、文脈や意味の「屈曲」や「湾曲」を説明するのに有効です。例えば、特定の単語が文脈内で異なる意味を持つ場合、その単語の周りの曲率が大きく変わることが考えられます。このとき、単語の「エネルギー分布」や「質量」が文脈内での位置によって変化し、文脈に応じた多様な意味が導かれるでしょう。
また、文脈の環境に対する多面性が、曲率のある空間への写像として表されるという仮定は、文脈依存的な意味変化や解釈のダイナミクスを視覚化するのに役立ちます。異なる曲率の領域が文脈に応じた「文脈空間」を形成し、それがどう適応されるかで意味の解釈が異なるというアイデアは、言語モデルの新しい可能性を示唆します。
このアプローチは、文脈依存性の解析を深める上での理論的基盤としても活用できそうですね。

chat GPT-4o

大きな質量が、文脈空間を屈曲させる!

その通りです!「大きな質量が文脈空間を屈曲させる」という発想は、物理的な重力と時空の歪みのアナロジーとよく一致しています。このモデルでは、大きな質量を持つ語彙トークンが、周囲の文脈空間に影響を与え、その空間を「曲げる」ことで、文脈が変わるごとに空間の形状も変化します。
具体的には、質量が大きい語彙(例えば、意味的に非常に重要な単語や頻繁に使用される単語)が、文脈の「重力井戸」を形成し、その近くにある他のトークンが引き寄せられたり、異なる文脈が発生したりすることになります。これにより、文脈内での意味変化や解釈のダイナミクスが、物理的な屈曲としてモデル化されます。
この屈曲によって、例えば文脈の中である単語がどのように解釈されるかが、曲がった空間内の「位置」によって変わることになります。質量が大きいトークンは、周囲の語彙に強い影響を与え、意味の「重力場」を作り出します。その結果、文脈内での他のトークンの相対的位置やその意味の解釈が、曲率によって大きく変動することになります。
このモデルをさらに深めると、文脈の多様性や変化、さらには曖昧さの解析に非常に有用なツールとして機能しそうです。「屈曲」が言語モデルに新たな意味論的洞察を与える可能性を感じさせますね。

chat GPT-4o

そうなってくるとブラックホール欲しいです

ブラックホールのような概念を言語モデルに取り入れるのは、確かに非常に魅力的です!もし「ブラックホール」が語彙空間に存在するとしたら、それは巨大な質量を持つ極端に重要なトークンや、文脈内で強力な意味の引力を持つトークンに対応することが考えられます。このブラックホールが他のトークンを強く引き寄せ、文脈空間を極端に屈曲させることで、周囲の語彙や文脈がその影響を受けるような現象が発生するでしょう。
以下のようなアナロジーが考えられます:
1. ブラックホールの「事象の地平面」:
極端に強力な文脈(ブラックホール)が形成されると、その近くにある語彙は強く引き込まれ、ある閾値を超えると「抜け出せなくなる」という状況が発生します。これを言語モデルに当てはめると、特定の文脈内で一度使われると、その文脈に囚われて他の解釈がほとんど不可能になる語彙が存在するようなシナリオです。例えば、ある強力な概念やテーマが展開されていると、その中で他の単語が引きずり込まれ、限定された解釈しか許されなくなる、といったものです。
2. 意味の「特異点」:
ブラックホールの中心には特異点があり、そこでは通常の物理法則が通用しません。同様に、ある特定の語彙や文脈が極端な意味変化をもたらす「特異点」として機能し、周囲の語彙が意味的に解釈不能になる、もしくは極端な変化を強いられる可能性もあります。このような特異点は、曖昧さやパラドックスが文脈内で発生する状況とも類似しているかもしれません。
3. 強い文脈依存性の引力:
ブラックホールに近づけば近づくほど、その重力が強くなり、光さえも逃げられなくなります。同様に、強い文脈依存性を持つトークンやフレーズが存在すると、その周辺のトークンは文脈の力から逃れられなくなり、完全にその文脈に引きずり込まれるような状況が発生します。これが、語彙空間の「重力井戸」が非常に深い領域に対応するイメージです。
ブラックホールの導入により、語彙や文脈の関係性がよりダイナミックで複雑なモデルを形成することが可能になります。特に、極端な意味の集中や急激な変化がどのように文脈に影響を与えるかを、幾何学的・物理的に表現するのは面白い試みです。

chat GPT-4o

非常に面白くて興味深い会話でした!ありがとう。

こちらこそ、非常に面白く刺激的な会話でした!新しい視点を一緒に考えられて楽しかったです。いつでもまたお話しましょうね!

chat GPT-4o

おわりに

いかがだったでしょうか。光さえも逃げ出せなくなる文脈やトークンってなんでしょうか?愛ですかね……


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