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서울을 노래한 명곡들~ソウルを歌った名曲たち~
大変ご無沙汰しております。今年初の投稿になってしまいました、
というのも、色々私事でバタバタしておりまして、現在進行形でまだ落ち着いてはおりませんが、なんとかという状態です。
韓国もまだまだ政情不安な状態が続き、大統領への弾劾裁判が有罪となれば野党への政権交代も時間の問題かと思われますが、李在明氏すら自身の裁判を控えているという時点でどうも韓国の政治は軍事政権時代から政権が国盗り合戦なのが時代錯誤といいますか…漢江の奇跡といわれた1970年代の経済発展からは考えられない昏迷状態となっているのかなと思われます。
話題は変わって
先日韓国放送公社(KBS)にてこうした番組が放送された。
旧正月を祝ってトロット歌手によるスペシャル番組が放送。最近は日韓の歌手によるトロットの番組が制作され、韓国の歌手による日本の懐メロカバーが影響して懐メロブームになっているとか。しかしながら未だ韓国の民放3局(KBS・MBC・SBS)ではソロでの日本人歌手の出演はまだまだ許容?されておらず、道のりは険しいかと思われる。
かくいう私もトロットが大好きで韓国の懐メロについては日本で最も詳しいと自負している。
というより、日本人でトロットを歌う歌手や研究している研究者が皆無なこともあり、自力で韓国で出版された本を訳したり、数少ない韓国の歌謡曲が書かれた本を読み漁るなどして深読みしていった。調べれば調べるほど、隣の国なのにここまで調査がされていないのかと思うほど資料が皆無…
今回の話題は【ソウルを歌った名曲たち】を取り上げようかと思う。
日本でも東京や大阪は多くの歌に登場する。韓国となれば、ソウルと釜山は多くの歌でも登場する。
ソウルと言っても、ソウルの中にある地名を歌う歌もチラホラあり、베호の『돌아가는 삼각지』(帰っていく三角地)や은방울자매の『마포종점』(麻浦終点)などソウル市内でも名曲の舞台は多くあり、今回はタイトルにソウルが出てくる歌にしぼり、ソウルを歌った名曲を調べてみた。
【ソウルを歌った名曲たち】
『럭키서울』(ラッキーソウル)
https://www.youtube.com/watch?v=P8OrBHj979Q
1935年に日本で『東京ラプソディー』がヒットしたように「明るい首都」を歌う名曲として朝鮮戦争前年に歌われ、日本の音楽大学の留学経験もあり、前年に大ヒット『신라의달밤』を飛ばした玄仁が『럭키서울』を歌った。太平洋戦争後で、それまでなかった「S・E・O・U・L」という英語を用いた歌もこの歌が初出なのではないかと思われる。
「みんなで歌おうソウルの歌を」など国民歌謡の走りではなかったのだろうか。
『서울구경』(ソウル見物)
https://www.youtube.com/watch?v=6Vluct0mMy4
元歌は1890年代にアメリカでヒットした『The Laughing Song』であり、元は黒人差別を自虐して笑うという皮肉ソングだったが、1936年に韓国では田舎者のおじいさんがソウルへ上京するにあたり、三等車のチケットを買うも、汽車は三等車がなく泣く泣く二等車のチケットを買わされるというお間抜けな話を歌にしたものである。
1936年に강홍식が歌い、その後多くの歌手によってカバーされた名曲。時代としては上記の『럭키서울』より古いが、年代によってアレンジされているため、その時代毎で歌詞が変わってくる。
『서울의찬가』(ソウルの賛歌)
https://www.youtube.com/watch?v=EHEjZCeaG5I
패티김といえばこの歌と思うほどの大ヒット作。作詞作曲は『離別』の吉屋潤。後に二人は結婚した。ソウル市から依頼があり製作されたが、「美しいソウルで暮らすのです」というのは後の『아!대한민국』に繋がる健全歌謡の代表作ともいえる。ちなみに、この歌い出しは日本テレビ系でかつて放送されていた「スター誕生」のオープニング曲はこの歌をアレンジしたものである。
『서울이여안녕』(ソウルよこんにちは)
https://www.youtube.com/watch?v=DHNnpIL-JJ8
『동백아가씨』『섬마을선생님』ですでに大ヒットを飛ばしていたエレジーの女王이미자が歌ったソウルを歌った名曲。1969年には同名映画も製作され、女性の恋慕を歌う歌詞に共感を得た女性も多くいたという。
『서울 서울 서울』(ソウルソウルソウル)
https://www.youtube.com/watch?v=tZ6anNEP_EM
韓国では歌謡界の帝王として君臨する조용필が1988年にソウルオリンピックの開催に伴い、歌った名曲。アルバムに収録された1曲ではあるがオリンピック開催時は多く歌われた。この歌が開爽快感ある曲ではなくバラード調なのは五輪開催前年に軍事掌握していた全斗煥政権が倒れ、民主化となり五輪開催の裏で政治に対する国民の疲弊を考慮して明るい曲調にせず、あえてバラードで歌ったことがヒットになったとも言われている。
『서울의지붕밑』(ソウルの屋根の下)
https://www.youtube.com/watch?v=i1AFmuFs3-g
「~の屋根の下」という名曲は東京のみならず、パリでもあるが、ソウルにもあった。羅花郎作品の一つであり、戦後の動乱期に貧しく生きる中で明日への希望を歌う歌詞に共感を得て、ヒットとなった曲。個人的には戦後のソウルの歌といえばこの歌が思い起こされる。
といった具合で、ソウルを歌った歌は枚挙にいとまがない。
ましてや、ソウル市の中まで深くともなれば、もっと数があるので今回は有名曲を上げさせていただきました。
次回は日韓の戦後直後を歌った名曲たちを取り上げたいと思います。