変えていくこと、変わることは難しい

変化を好まない人は多い。
そんなことは、わかっている。
わかったうえで、これまでにはなかった形態の
トリミングサロンをオープンさせた。

私自身、長年動物と向き合ってきて
様々な獣医師に出会い、それぞれの考えに触れ
愛護の世界に身を投じ、再びブリーダーになり
たくさんの人たちの考えに感銘を受けたり、受けなかったり(笑)

人生の終末期をどう迎えたいかなどと時々考える年齢になり
そんな年齢からの、大博打に出たわけです(苦笑)

これまで得た知識、これから習得するであろう知識
それらを最大限に生かすためには、
『飼い主』という人たちとたくさん触れ合う必要がある。

飼い主さんは、我が子にたくさんの愛情を注いでいる。
愛情を注いでいるけれど、いつか来る別れについては
考えていない人が多いと感じる。

命だからね。 必ずその日は来ます。
愛情を注ぐことはとても大切ですが
甘やかしすぎると、犬も猫もあらぬ方向へ行くことがあります。

行動学、生態学といった学問とは無縁と思っている人も
動物と暮らすには、実は必要な知識だったりします。
全部ではありませんが、その一部を知るだけでも大切です。

飼い主が変わらなければ、いけないこともあるのです。

今まで、ずっとこうやって飼ってきました。
というお声は、とても多いのです。

でもね、犬種が違えばベースに持っているものが違います。
猫種が変われば、かかりやすい病気も違います。

正しく繁殖したブリーダーから迎えたなら
犬種、猫種による違いは、一目瞭然。
そして、そのブリーダーがオーナーに対して
どれだけ、その犬種、猫種について理解しているか。
その情報をどれだけオーナーにくれるのか。

私はサイベリアンという猫のブリーダーです。
当猫舎のオーナーさんの質問には答えてきました。

それは、子猫を卒業するまでではなく、
卒業しても、ずっとです。

変わる、変えていく、為には
直接『飼い主』と話をしていかなければ!
これは、私自身がこれまでの経験から感じたこと。

トリミングサロンは、より多くの飼い主さんと
お話をする機会を得る場所となりました。

トリミングに来てくれる方も、
ただ、ふらりと立ち寄ってくれた方も
どちらの方も、犬や猫を飼っている方ばかり。

時間が許すのなら、いつまででも話していたい。
そんな風に思います。

狭い店内ですが、椅子を置きたい気分になります(笑)

知ること、正しい情報を選び掴むことで
変化することもあります。
経験値だけではなく、正しい情報をキャッチする力が
変化につながっていくこともあります。

ネットは誤情報があふれています。
同じ病を患っていても、同じ薬を使わないケースもあります。
その子の内臓機能によっては使えない薬だってあるのです。

経験からの情報は、役立つことも多いですが
まったく同じではないということを知ってください。

知ることはとても重要です。
変わること、変えていくことはとても難しいと思います。
私自身も変われるかと問われれば、難しいと答えます。

それでも、変わり続けたいと願います。