最初の告白
告白と言っても、大人の関係においては、それは「カミングアウト」みたいな秘密の暴露を意味します。
なんとか関係が戻ったところで、源さんが主演の映画に誘います。早番で上がって、ファミレスで食事をして映画へ。とても面白かった。映画を観て自分の住む建物の駐車場に戻って来たところで、またどちらともなく話が始まります。
映画の話。今度行きたいお店や、気になっている洋服や音楽の話。
映画に行ったので、いつもよりちゃんとした服装の彼女。自分は恥ずかしながら、変なことしか考えてなかった。何度も何度も眠そうにあくびをする彼女。帰ったらいいのに、と頭のどこかで思いながら、目が合いました。
髪を撫でて、そのまま頭を近寄らせる。でも胸に手を伸ばすと「だめでーす」と言われた。またか。一体どうしたらいいんだ、と思う。でも「部屋に来ないか?」と誘っても「いかない」と言う。だから車の中で話をする。でもさ。
何回か「だーめ」というのを繰り返しながら、それでも諦めきれなくて、一気に服をまくしあげる。外の目が気になるのか、車の外を見ているのがわかる。
下着があらわになる。そのまま下着もずらす。
そのまま、ジーパンの中に手を伸ばした。少し抵抗されたように感じたけど、すぐに自由になった。
結局彼女が駐車場を後にしたのは、朝の4時頃になった。
また次の週末くらい。一緒に食事をして車の中で話をした。
キスをして、また胸に手を伸ばす。でも「だめでーす」と言われる。自分はずっと気になっていたことを質問した。
「この前のメールにあった、全部話したほうがいいのかも、ってどういうこと?」
なかなか答えない。そこで自分の考えを伝えた。
「一緒になりたい。結婚してください。俺のことどう思ってる?」
今思えばとんでもない発言です。完全に頭イっちゃってる感じ。
しばらくの沈黙のあと。彼女は申し訳なさそうに口を開いた。
「ありがとう。とってもうれしい。でも今、好きな人がいる」
「……え?」
青天の霹靂とはこのこと。今まで旦那の存在ばかりを敵視していた自分に新たなライバルが誕生した瞬間だった。
「もう旦那に気持ちはありません。その人と一緒になりたいと思ってたけど、それも叶いそうにありません。なんだかよくわかりません」
「どういうこと?」
「今はまだ全部は話せないんです。ごめんなさい」
どこかで勘違いをしてしまったのがよくなかった。よし、じゃあその男に勝てばいいんだな。まっすぐに、まっすぐに勝負を挑んで、それでダメなら仕方ない。
自分はライバルの相手が旦那じゃないということに疑問を抱きながら、それでも自分に残された可能性を最大限有効活用しようと心に誓いました。
結局いきなりプロポーズの返事は聞けなかった。