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赤ん坊の時には使えなかった言葉。
成長するにつれて、言葉を使えるようになるけど、
言葉は便利な道具ではない。
人生において、一つひとつの命と向き合って紡がれた感謝の結晶なんだ。
時として言葉が笑顔を生み出すこともあれば、
時として凶器のように人の心をえぐることもある。
言葉は自然を司る川の流れや雲の動きのように
人間の思い通りにならないからこそ、
丁寧にゆっくりと感じていく運命なんだ。

言葉は祈り。
心から大切な相手にありがとうを伝える時空を超えた虹のようなものなんだ。
優しくその人のことを想い、その人の幸せを目を閉じて願う。
雨上がりにふと見つける虹のように、
求めるものではなくて、宇宙が届けてくれる愛なんだ。
過去と未来が重なる時、言葉は心から滲み出てくる感謝の涙なんだ。

言葉は命。
自分が生きていることは、生かされていること。
だから、自然と「いただきます」が生まれるし、
自然と「ありがとう」が紡がれていく。
心がそう伝えたいんだ、目の前の命に対して、
出愛ってくれたことは奇跡なんだなと。

言葉は生き物。
言葉は呼吸しているからこそ、成長していくんだ。
囲まれている世界と共に。
言葉はその人の生き様を表す魂。
だから、丁寧に温かく、ゆっくりと時間を掛けて
赤ん坊を抱き抱えるように育てていくかけがえのないもんなんだ。

言葉は鏡。
自分で相手に伝えている言葉は、自分に向かって届けたい気持ち。
だから、謙虚に自分を見つめていくことで、
伝える言葉は、自分に向けて伝える日々の成長になる。
すぐになんでも解決する魔法の杖なんて存在しない。
目の前の課題を解決するには、自分の心としっかりと向き合うことで、
自分の弱さや自分が逃げてきた過去・課題を受け止めていき、
自然と言葉は自分の命と重なり合って(交わって)いくんだ。

言葉は未来。
言葉はこれからの自分を呼びよせている。
限りある命の中で、あなたの可能性を言葉は求めているんだ。
だから、簡単な言葉は伝えなくていい。
思い付かなかったら、その素直な気持ちを伝えればいい。
言葉が思いつかない、と。
その素直さが相手への尊い感謝になると思うんだ。

相手に「頑張って」なんて言葉を簡単に掛けなくていいの。
相手はそれを受けて、頑張ろう、なんて思うのかしら。
すでに頑張っているから、それぞれの人は、各々。
言葉は愛おしいんだ。
大切な人をそっと、すっと抱きしめるように、
丁寧に包み込んでいく、そっとね、ありがとうを伝えながら、
文字にはできない、声には表せない、
透明な「(ありがとう)」なんだ。

言葉をもっと大切にできたら、自然と相手を比較せずに、
相手を無理くり幸せにしようと思うことなく、
素の自分を大切に、自然と笑って、自然と涙を流して、
赤ん坊の時にできていた人間らしさが
大人になって、ああ、生きているってこういうことんなんだな、
と自分の心の在り方が、言葉に滲み出ると思うんだ。

頑張らなくていい。
自分の負の部分と向き合って。
ゆっくり、ゆっくりと、目を逸らさずに。

そうすると、あなたたちの言葉は少しずつ、
月の移ろいを呼吸するかのごとく、
本当の自分の魂になっていくのだから。

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