Box API 活用のアイデア(1)
クラウドストレージBoxの特徴の一つにAPIの充実というのがありますが、Box APIを活用した活用事例を妄想してみましたので、下記ご紹介します。
単なるストレージ利用に留まらず、業務フローの効率化や付加価値の高い機能を提供できる点がポイントです。
1. Box+独自Webポータルによるファイル共有&管理システム
概要
Box の強固なセキュリティと信頼性のあるファイルストレージを活用し、独自の Web ポータルを構築
カスタムUIや会社固有のワークフロー、承認フローを可視化・簡単に操作できるように
機能例
カスタムメタデータ管理機能
Box にアップロードする際に、メタデータ(案件番号・ステータス・担当者 など)を付与
Web ポータルからメタデータを使った検索やフィルタリングが可能に
ワークフロー自動化(承認フローやリマインダー)
例:契約書の最終承認が完了すると自動で担当者へ Slack やメール通知
期限切れが近い書類があればシステムが自動でリマインド
社外との安全なファイル共有
アクセス権限(閲覧のみ、ダウンロード可、編集可 など)を Web ポータル上から細かく設定
社外ユーザーも簡単に使える UI を整備し、社内と同じ感覚でファイル共有
メリット
既存業務フローに合わせて独自に画面設計ができるため、利用者のストレスを大幅軽減
メタデータを活用した高速検索・仕分けで、情報管理が飛躍的に効率化
セキュリティ面は Box の認証・権限設計をそのまま活用できる
2. Box を文書管理の中核に据えた「自動仕分け・集計」システム
概要
さまざまなチャネル(メール添付やフォーム投稿など)から受領したファイルを、Box API で分類・振り分け
クラウド上の RPA/AI と連携することで、文書内容の読み取り・自動タグ付けやサマリ生成も可能に
機能例
自動仕分け機能
例:営業日報は “営業レポート” フォルダに、請求書は “経理書類” フォルダに自動的に振り分け
タグ情報(会社名、日付、金額など)を OCR+AI で自動取得
リアルタイム集計・ダッシュボード
仕分けされたデータを社内基幹システムや BI ツールと連携
データを自動的に集計し、売上や作業状況を即座に可視化
検索性の向上
各ファイルに対して AI によるキーワード抽出を行い、Box のメタデータとして登録
Web 管理画面から検索するだけで、必要な書類を瞬時に発見できる
メリット
入力・仕分けなどの作業を自動化することで、手作業で起きがちなミスやタイムロスを大幅軽減
書類の内容を OCR/AI で解析して活用できるため、単なるストレージ以上に“データベース” として使える
3. Box + シングルサインオン(SSO)・ユーザ管理統合システム
概要
社内のユーザ管理(Active Directory, Azure AD, Oktaなど)や、コネクティボ様が独自構築する ID 管理システムと Box を連携
社員や外部協力会社のアカウント・権限設定を一元管理し、ログインは SSO でシームレスに
機能例
社内IDとの紐付け
退職者や異動者の権限を一括で停止・付け替えできる
パスワード管理の手間やリスクを大幅に軽減
部門別・プロジェクト別フォルダ自動生成
新規プロジェクトが発足するときに自動で Box 上のプロジェクトフォルダを作成
権限グループを同期し、Web ポータルでの管理を自動化
アクセスログの一元化
どのユーザーがいつどの書類にアクセスしたかを総合的にログ取得
セキュリティ監査やコンプライアンス対策にも効果的
メリット
システム利用者が増えても管理が容易
セキュリティレベルを統一して保てるので、顧客情報等の機密データも安心して扱える
4. Box+自社Webサービスの連携で「付加価値を高める」仕組みづくり
概要
既にコネクティボ様が提供されている Web サービスや新規の受託開発案件に Box API を追加導入
プロジェクト管理や顧客ポータルなどにファイルストレージを組み込み、シームレスなユーザー体験を実現
アイデア例
顧客ポータルへの導入
エンドユーザーがログイン後、Box 上の自分専用フォルダにアクセスできる
納品ファイルや契約書を安全にやりとりし、履歴を追える
Webサービス内でのコラボレーション機能
リアルタイムで複数ユーザーが文書や図面を参照・アノテーション(コメント)
Box Notes や Box View API と連携したプレビュー・編集機能
AI を使ったスマート検索・レコメンド
Webサービスと Box に蓄積されたドキュメントを横断検索
類似ドキュメントの自動提案や、ユーザーごとにパーソナライズした閲覧候補を表示
メリット
既存のサービスに追加機能として提供できるため、クライアントへの提案価値が向上
ファイルストレージ機能を自社開発する手間を省きつつ、堅牢なセキュリティ・スケーラビリティを確保
実現に向けた進め方
要件ヒアリングと現場理解
まずはクライアントや社内担当者がどのようにファイルを扱っているか、現行システムとの連携要望などを詳細に把握
プロトタイプ作成
最小限の機能(例:Box への自動アップロード+メタデータ登録など)で試作品を作り、利用者からフィードバックをもらう
本番システム構築・拡張
API の結合試験やセキュリティ対策(OAuth 2.0の認証フロー、Access Token 管理など)を踏まえて本番環境を整備
運用フェーズでもさらに機能追加・改善を継続
運用サポート & アップデート
Box のアップデートや新機能(例えば Box AI など)の登場をウォッチし、適宜導入していくことで最新の付加価値を提供
まとめ
Box の機能を単なる「ファイル保存先」だけでなく、業務に組み込む重要なプラットフォームとして活用すれば、
仕事の効率化
セキュリティ強化
コラボレーション向上
顧客満足度アップ
といったストレージとして使う以上の価値を享受できます。Box API は柔軟性が高く、権限管理やメタデータ管理、Webhook を使ったリアルタイム連携など豊富な機能が揃っているので、上記をヒントに是非御社でのオリジナルの活用を妄想してみてください!
具体的な実装でお困りの際には、是非お気軽にご相談ください。
パート2では、業種別で踏み込んだアイデアを妄想してみましたので、よろしければ下記もご覧ください。