
会社の危機から見出した「責任」という価値(コアバリュー)
私の人生の中で、"しくじり"と呼べる大失敗はいくつかありますが、その中でも間違いなくトップクラスにランクインする出来事があります。それが、2013年度に創業以来最大の赤字を計上し、会社存続の危機に陥ったことです。
今だからこそ話せますが、当時、資本金1,000万円の会社で7,000万円を超える赤字を出し、一気に債務超過に陥りました。経営者として、会社の舵取りを大きく誤った瞬間でした。
赤字の主な原因:判断ミスと見積ミス
案件がなくて赤字になったわけではなく、むしろ真逆でした。無理して大きな仕事を取りすぎた結果、
キャパオーバーで社外人材を大量に投入せざるを得なかった
見積りの漏れが多発し、システムとして機能させるためには追加対応が必要だったが、それを請求できない部分が大量に発生した
という状況になりました。
その結果、
社員の心身が疲弊(案件が大変なうえに、頑張っても賞与が出ない状態)
会社の財務体力が著しく消耗(社長の個人資産はすべて会社に投入+多額の借金)
品質も納期もギリギリの対応で、お客様の満足度も低下
という、誰一人として幸せにならない状態を生み出してしまいました。
この失敗から学んだこと
この経験を経て、「こんなことは二度と繰り返さない」と決意しました。それ以降、
手堅い案件に注力
打診された案件の半分は断るくらいの気持ちで対応
健全な利益を少しずつ積み重ねる
という方針にシフトし、ようやく今、振り返って語れるようになりました。
なぜ今、この話をするのか?
最近、この失敗も含めて「コネクティボの価値」なのだと考えるようになりました。
創業から25年が経った今、会社のビジョンやコアバリューを再定義しようと考えています。実は、2022年度に1年間かけてビジョン勉強会に参加し、自分の過去の経験をじっくり振り返る機会がありました。そこからの組み立てを、今まさに行っているところです。
以前は、「かっこいいビジョンを掲げることで社員のモチベーションが上がる」と思っていました。しかし今は、「自分の心の底から湧き出たものを自覚し、明文化し、共感を得られるものでなければ、ビジョンは機能しない」と考えています。
大失敗から見出した価値観:責任
この経験から導き出された価値観の一つが 「責任」 です。
どんなに厳しい状況でも、投げ出さずにやり遂げた結果、そのお客様とは今もお付き合いが続いています。「引き受けた仕事は最後までやり遂げる」 という姿勢が、コネクティボの重要な価値観であることを、身をもって学びました。
ちなみに、「引き受けた仕事は最後までやり遂げる」ためには、「安請け合いはしない」ということと天秤になります。
成果物の品質・納期・コストなどを適正に見積して、案件にちゃんと取り組めるかどうかを最初にしっかり検討するから、社員とお客様の幸せを守りつつ、引き受けた仕事を最後までやり遂げることができるんです。
この「責任」というキーワードを含め、コネクティボのコアバリューとして6つの要素を見つけました。
それについては、少しずつ発信していきたいと思います!