新しい年、気楽にいい加減な家庭料理
新年あけましておめでとうございます。
世界中が激動の時代を駆け抜け、試行錯誤した2020年。
菓子製造業許可付きシェアキッチンでは、マルシェで販売する人の利用がほとんどで全てのイベントが中止になり、キャンセル返金で売上がマイナスになったり先が見えない不安が募りました。みなさん同じ状況だったと思います。
オンラインでいろんな取り組みをしてみました。
ベーグルやインドカレーをつくったり、パンとコーヒーを送ってモーニング会をしたり、というオンラインイベントをしてみました。
これらの取り組みを通じて場所は離れて、会えないけども一緒に過ごしたいという欲求があること。一緒に作ることでこれまで閉ざされたキッチンという場が開かれていきました。オンラインで一緒に食べることはこちらの記事に詳しく書いています。
これまで、家庭のキッチンは家々の環境や調理の方法、調理器具や家族構成で料理の仕方は大きく異なっていました。閉ざされていたからこそ、他と違うことさえに気づかずにいました。オンラインで一緒に作って食べるイベントをすることで、キッチンにある環境で同じものを作っても大きく異なることがわかりました。
それぞれの家庭の料理
例えば、お雑煮が各地方で違うことさえもSNSが普及するまでは、知らないことが多かったかもしれません。家庭料理として閉されて、お嫁に行った先でうちのとは違うという問題が起きていたようです。
毎年ちょいみせキッチンでは、お雑煮の会というものをやっていて、様々な地方のお雑煮を作ってみんなで食べる会をしていました。
それぞれの家の雑煮があり、作ってもらう時には決まって、うちの雑煮なんて教えるまでもない、誰かに振舞うものでないと言います。
オンラインで一緒に食べるイベントだけでなく、インドの留学生のカルティカさんと一緒にYouTubeチャンネル「コットコトキッチン」を作り定期的にお料理動画を配信も始めました。最初の方は、料理番組としてちゃんとしなきゃ!いう思いがあって、事前にスパイスを計ってもらってレシピをもらっていましたが、今では、何を作るか、必要な材料のリストだけをもらってあとはフリースタイルで撮影しています。
カルティカさんはスパイスを計らずにどんどん入れていきます。こちらの動画でも、卵にターメリックパウダーだけを先に入れ溶いています。そして、他のスパイスと共にまたターメリックパウダーを炒める時にも入れています。特に意味はわからないけど、お母さんはこうしてた。と言っています。
家庭料理ってそもそもがそうだったんだな、毎日の料理で計らない、色や匂い、見た目で判断して水や調味料を足したり減らしたり、冷蔵庫にあるものを入れたり、入れなかったり。
家庭料理はいい加減でええんです
料理家の土井善晴さんが料理番組で「いい加減でええんですよ」「だいたいでええんですよ」とおっしゃっているように、食卓にはたくさん並べて家族の栄養バランスを考えないといけないとか、彩りや映えを意識したり。それがいいお母さん像であり、家族団欒の姿であるというのは呪縛です。
もっと簡単に、食べることを楽しむことの方がずっとずっと人間としての価値があるのではないかと考えます。
それらのことをこちらの本にも書いてあるので紹介しますね。
もちろん、わたしが仕事として飲食店のメニュー開発や商品企画をするときは、きっちり計って、誰がやっても同じように仕上がるように細かくレシピを作ったり工程を整えたりもします。
これは、仕事であって家庭での食事ではないのです。
いつも、すごく料理をしていると思われがちなんですが、大したことはありません。むしろ家ではいい加減なものです。
私には子どもが一人いますが、既に大きくなり家族揃って食事をする機会が減ってしまいました。私が子どもに出来なかったこと、やってあげたかったことを今子育てしている方に伝えて2度と戻らない子育ての楽しさや食を通じた家族のコミュニケーションを満喫して欲しいと思います。
子育て中は本当に目まぐるしく忙しくて大変です。よくわかります。離乳食を一から作ったり、全てを手作りになんて、そんな呪縛を解き放ってください。
忙しいとき、体調の悪い時には無理をせず、おにぎりやふりかけご飯でもいいんです。出来合いなもので少し手を抜いて罪悪感がちょっとだけ減るように、お皿にうつす、少し薬味を添えるなどの手を加える。(お行儀が悪いかもしれませんが)膝のうえに載せて子どもと食べる。その代わりお休みのときやお誕生日やイベントの時だけ、ちょっとだけ頑張るということをしてはいかがでしょう。
その少し出来た時間でお子さんに絵本を読んであげる時間に使ったり、自分のために使ったとしても、誰も非難することなんてありません。ということをしてはいかがでしょう。
それでは、2021年もよろしくお願いします。
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