🇩🇪サネの語る「長期離脱、ばいやんへの移籍、そして今年のクリスマスの祝い方」

—— 以下、翻訳 (インタビュー記事全文)

レロイ・サネ（24）は、自身のキャリアにおける著しい変化に慣れていた。昨年、十字靭帯断裂の大怪我を負い、長期離脱を強いられるまでは。スポーツ面で見ればこの怪我は大きな痛手だったが、人として多くのことを学んだ。サネは現在、怪我から完全復帰し、各選手が今後のキャリアハイを確信する若きドイツ代表における、重要な選手の一人だ。スペインでの敗戦後も、それは何も変わらない。

サネさん、スペイン相手に6-0で敗れた後味が未だに残っていますね。やや客観的に、セビージャの夜に起きた出来事を説明していただいてもよろしいでしょうか？

説明は難しいね。チームでも個々の選手でも、僕らには可能性すらなかった。ようやく僕は自分のリズムを掴んできたところだったとはいえ、自分自身や試合に期待するレベルからは程遠かった。あの夜は、何もかもが上手く行かなかったね。

スペイン戦での惨敗は、前回戦った際に手応えがあったからこそ、サプライズとなったと言えるのでしょうか。

それはあるね。今年は良いサッカーができると何度も示してきたと思う。例えば、スペインとの初戦は、長い時間をかけ納得できる試合だったと感じた。ウクライナ相手に3-1で勝った試合は、内容以上の結果だった。しかし、スペイン戦の敗戦を簡単に無視するわけにはいかない。結局、スペイン戦に関しては、以前のより良いパフォーマンスから見ても、あれは僕たちの本来の姿ではなかった。さあ、新年になればまた新たな姿を見せないとね。でももちろん、特に長いブレイク前にこんな結果になってしまったのは苛立たしい。今回の反省を活かす、次の機会は3月になるね。

いよいよクリスマスが近づいてきました。イングランドでは、クリスマスはサッカーで占められ、伝統的にプレミアリーグはクリスマス期間中でもサッカーが行われますね。ドイツでは、ブンデスリーガがウインターブレイクに入ります。久しぶりにちゃんとしたクリスマスを迎えらると、今年のクリスマスを一層楽しみにしていますか？

今年のクリスマスはコロナの規制対象になるが、できれば家族みんなでお祝いしたいね。みんなが集い、ようやくストレスから解放され、お互いのために時間を使えるようになった。マンチェスター・シティ時代のイングランドでも、クリスマスが完全になかったわけではない。午前中にトレーニングを行い、午後からは家族との時間を持つことがほとんどだった。でも、そうだね、違いはある。ドイツのクリスマスや年越しを含むこの短いオフの期間は、ブンデスリーガの選手たちにとって、多くの理由からとても貴重なものと言える。

あなたは2児の父親で、息子さんは今年の夏に生まれ、娘さんはもうすぐ2歳半です。お子さんがいるからこそ、クリスマスやその魔法は違う意味を持つのでしょうか？

今まさに始まったばかりだけど、そうだね、子供たちの目線を通して、改めてクリスマスをより深く体験できるというのはとても素敵なことだ。去年はうちの娘もまだ小さかった。だからプレゼントの中身よりもラッピングの方が気になっていたよ。今年はもっと盛り上がりそうだと思う。子供たちにとって、クリスマスが特別なものになればいいね。他の子たちと同じように、僕がクリスマスを大好きだった理由は、プレゼントはもちろんだけど、クリスマスには家族全員が一緒なんだという喜びをよく覚えているよ。

今年のウィッシュリストを書くとしたら、どんな願い事が書きますか？

僕の願いはもう叶っているよ。家族や恋人、そして子供たちと素敵な時間を過ごせること。欲しいのはそれだけだ。そのほかは必要ないね。

そこは、インタビューの台本にある「健康」と答えるべきだったのでは。十字靭帯断裂の後、辛い時期を送りましたよね。

これは僕のミスだ。もう一回やり直そう。もちろん、今年の僕の一番の願いは健康だ。十時靭帯断裂を経験した後 苦しみに耐えなければならない時期があった。これでいいかな？（笑）。でも、もちろんあなたの言う通りだ。かつて僕はそれを身をもって経験しており、健康はいつも当たり前のように思えるが、そうではない。この点では、もちろん、僕が望むのは健康維持だ。クリスマスに限らず、ありきたりな願望ではあるけどね。

最近の話をしましょう。現在の状況はどうでしょうか？自身の体へどれほど自信を持っていますか？また、あなたはいつもと違う行動をしたり、より慎重になったり、ちょっとしたことに敏感に反応するといった場面はありますか？

プロスポーツ選手、プロサッカー選手として、体のどこかに痛みがあるというのは、常に些細なことなんだ。僕はこうした痛みで不安を感じたことはなく、決してプレーに影響しないようにしている。そして、これからもそうだ。怪我をしたこと以外は、100％とは言わないにしても、かなり順調な道のりを歩んでいると言えるだろう。当然、まだ完全にリズムに乗り切れてはいない。あとは実戦が足りないね。

昨年の十字靭帯断裂は初めての怪我ではないものの、初めての大怪我でした。その間、負傷選手としてレロイ・サネさんは何を学びましたか？

分かりきっていたことであり、再認識したのは、僕が忍耐を得意としていないことだ。自分のチームのサッカーを見ることは、とても難しいものだと感じたね。僕にとって、この時期は全くの新たな経験となった。また、このような怪我により、リハビリという避け難いビハインドは、僕にとっての挑戦だった。

怪我は決して良いものではありません。それも、とりわけ十時靭帯断裂のような大怪我は。自身のキャリアを振り返り、成長の勢いは削がれても、思わぬポジティブな影響はありましたか？自身のキャリアや人生を振り返ってみて、どうですか？

ああ、それはあったよ。これまでなら、あらゆる物事が早く進み、次から次へと試合があり、サッカーと自分自身のパフォーマンスが存在し、非常にタイトな集中力を求められていた。楽しんだり、感情を処理する時間もほとんどなかった。特に、落ち着いて考えるという点で、リハビリは休憩だったね。いくつかの試合や、キャリアの大小様々な瞬間に思いを馳せるという意味でも、僕にとっては貴重な時間だった。何よりも、子供や家族のために多くの時間を取れたのは良かったね。少しだけ自分のことを知ることができた。しかし、サッカーが恋しいと痛感し、自分が今もう一度できているサッカーをどれほど愛しているのかに気づくことができたことは、重要な発見でもあるね。

怪我を経験したことで、サッカー選手という職業への見方は変わりましたか？

多分、そうだね。多くの人がプロサッカー選手になりたいという夢を持っている。でも、なれるのはごく一部の人たちだけだ。そして、その中でもさらにごく一部の選手のみがビッグクラブでプレーし、大きなタイトルを獲得するという特権を持っている。これは、代表チームではより顕著だ。すべてがうまくいっているときは、人はそこに疑問を抱かない。そうすると、これが当然のように思えてくる。しかし、もちろん当然などではない。こうした意識は、怪我をしたときに芽生えたよ。僕は成功のために色々やってきたとはいえ、幸運に恵まれたり、周囲の人たちから大いに恩恵を受けた部分もある。そういった意味で、今のほうが、怪我をする前より大きな感謝を感じるね。

ペップ・グアルディオラ監督の下、あなたはマンチェスター ・ シティで多くの面で成長しました。例えば、ファーストコンタクトや、どちらの足でボールを受けた方が賢いか、といった点を以前挙げられていましたね。他にどのような点が足りないと感じますか？バイエルンではハンジ・フリック監督と、代表ではヨアヒム・レーヴ監督とともに取り組みたいことは何でしょうか？

グアルディオラ監督は、部分的ではなく幅広く改善の機会を与えてくれた。そうすることで自分のことが見えてくる。自分の強みはあるが、完璧ではない。そのため、あらゆる面で改善することができるし、改善したいと思っている。グアルディオラからだけでなく他の監督からも、決して慢心しないこと、そして些細なことにも気を配ることを教わった。僕にはまだたくさん成長の余地があることは分かっている。それは、セットプレーや技術面、フィニッシュ、タイミング、プレーのチョイス、走り出しの方向といったところかな。

十字靭帯断裂によって、FCバイエルンへの移籍が遅れました。そしてその一年間で、バイエルンは獲得できるあらゆるタイトルを勝ち取りました。最大限の成功を収めたチームに加入するのは、難しいことだと感じますか？

少なくとも僕はそんなことは思わない。昔から知っている選手が多いからね。何人かはとても仲良しだ。ともに喜びを分かち合い、本当に彼らの成功を応援していた。過去のことはあまり考えない。僕にとって重要なのは、現在そして将来だ。大事なことは、僕がこの成功したチームで力になれるかどうかだ。自分ならできると、確信しているよ。

クラブはあなたの獲得を望み、監督もあなたを欲していたほか、選手の中にはあなたを全力で後押しした人たちもいました。チーム内で受け入れてもらおうと努力がさほど必要ないというのは、どれほど大事ですか？

これは嬉しかったね。僕たちは仲良しだという表れでもある。仲良くなれない選手は、チームに必要とされないだろう。マンチェスター・シティを離れ、バイエルンに移籍すると決断した際、ミュンヘンのチームメイトと化学反応が起こるだろうという確信が、移籍の大きな要因にもなった。

レオン・ゴレツカ、ヨシュア・キミッヒ、セルジュ・ニャブリ、ニクラス・ジューレとは、2015年にすでにU-21代表でともにプレーしましたね。2014年のワールドカップでドイツ代表が優勝した際、2009年にスウェーデンで開催されたU-21欧州選手権を制した2009年世代も話題になりました。チームの中心選手たちが同じ道のりを歩んできたことは、どれほど生きてくると思いますか？

これは代表チームにとって非常に重要なことだ。選手同士の共感が大きな要因の一つとなる。というのも、好きな選手と一緒にプレーする方がより楽しいからだ。しかし、それ以上に重要なのは、お互いのプレーを分かり合えているということだ。一緒に試合や練習をする機会が多いほど、互いの理解は深まる。息の合ったプレーは、一朝一夕に生まれるものではない。ユース代表からA代表に上がってきた選手たちの状況は、決して不利には働かないはずだ。また、それは現在FCバイエルンでプレーを共にする選手の多い、ドイツ代表にとってもデメリットとはならないだろう。

バイエルンへの移籍が発表された後、あなたは次のように話していました。バイエルンでより大きな責任を背負う覚悟がある、と。これは、具体的にはどういう意味でしょうか？

僕はクラブの代弁者ではなく、ロッカールームで声を荒げるような選手でもない。その役回りは、ヨー(キミッヒの愛称)に任せるよ。 (笑) だが、ピッチ上では責任を負いたい。どんなことがあっても、自分が先頭に立ちたい。他の人々から尊敬されるような選手になりたいね。

代表チームではどうですか？あなたは、自分がより大きな責任を負うことができる立場だと考えていますか？

ドイツ代表選手になって5年、次のステップへの準備はできている。チームに影響を及ぼすような選手の一人になりたい。もちろん、まだ 将来は浮き沈みもあるだろうが、僕は一定のレベルを下回りたくはない。だからこそ、スペイン戦は不満の残る試合となった。ここまで落ちぶれてはならない。理想と現実は、かなりの乖離があったね。

より大きな責任 - これはピッチの外でのあなたの行動にも当てはまりますか？あなたが人種差別へ反対していることは有名ですが、今後この分野にさらに関与していくつもりですか？

そうしたいね。僕の持つ人気や、(SNSでの)リーチは、こうした姿勢を示すチャンスをもたらしてくれる。僕の意見は広まっていくことだろう。必要とあれば、僕がポジションを取るチャンスを与えてくれる。これは何も、人種差別のテーマに限ったことではない。

ここ数ヶ月のあなたに関する記事の中で多く語られるのは、あなたのイメージチェンジについてです。フレンドリーでオープン、気遣いができ、礼儀正しい、と書かれています。以前はそうではなかったのでしょうか？

僕は自分自身をオープンで正直、素直であり、明るくて楽しい人間だと考えている。これまでもそうだし、今後もそれは変えるつもりはない。僕のイメージは変わったかもしれない。バイエルン移籍を機に、僕のことをより身近に感じた人もおり、自分たちの先入観の一部が間違っていたことに気づいたのだろう。

新型コロナウイルスの感染拡大により、EURO2020は延期となりました。この決定は、あなたがマンCの試合に復帰した数日後に発表されましたね。「じゃあ、ここまで急ぐ必要はなかったんだ」と思うことはありましたか。

いや、僕にとって重要なのは、良いリハビリをすることだった。特に復帰を急いだわけでもない。負荷を上げるのが早すぎると、怪我の再発リスクも高まるし、焦っても仕方がない。だから僕が求めたのは、早く復帰できることではなく、リハビリの質だった。もちろん、特に怠ける気持ちはなかった。しかし、怪我をしたのは欧州選手権の1年前だ。通常であれば、十分間に合っただろう。

EURO開催延期の決定をどのように受け入れましたか？

何よりもまず、延期が必要だった。そして、もちろん代替案もない。個人的には、この夏に大会がなかったことが僕にとって有利に働いていると思う。確かに試合に出れる状態ではあったが、完全にリズムに乗れていたわけではない。さっきも言ったように、まだ100％ではないんだ。

レオン・ゴレツカは先日、代表チームに関して 「最高の時はまだこれからだ」と語りました。この言葉はあなたにも当てはまると思いますか？

もちろん、そうなればいいと思っているよ。僕がドイツ代表として参加した大会は一度だけだが、非常に多くの、経験豊かで優れた選手たちが目の前にいた。しかし、今は変化の時だ。チームに大変革があったね。僕らは、優れた先輩たちに支えられた若いチームだ。スペインに敗れても、僕はチームにい続ける。僕らには、大きなポテンシャルがある。多くの成功を手にしたいと考えているし、それができると思っているよ。

▼元記事 (22ページ以降)

DFB-Journal