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(後編)ニコ・コヴァチ氏の語る「モナコでの野望、今季好調の秘訣、ばいやん時代に獲得を望んだ選手とは・・・」

—— 以下、翻訳 (インタビュー記事全文)

ニコ・コヴァチ氏が、モナコとパリの大一番について語る。49歳の彼は、ケヴィン・フォラントを絶賛し、優秀な若手選手や世界的なスター選手の扱いについて語ってくれた。

今、ニコ・コヴァチ氏が語る!

現在、リーグ戦で4位に付け、2021年は無敗のASモナコを率いるこの49歳に、リーグ1で注目が集まっている。この日曜日には、現在リーグ2位のパリ・サンジェルマンとの直接対決を控える。

ドイツ『シュポルト1』独占インタビューの第2部(前編はこちら)では、今夏からモナコで指揮を執るコヴァチ氏が、フランスリーグの上位対決について語った。実際、なぜ彼はフランスへと移ったのか、彼はモナコでどんな野心的な目標を狙っているのか、なぜフォラントはドイツ代表チームに復帰する必要があるのか、そして優秀な若手選手や世界的なスター選手を扱う上でどのような違いがあるのか?コヴァチ氏が答えてくれた。

SPORT1:コヴァチさん、モナコはバイエルンとフランクフルト、どちらに近いチームだと言えますか?

ニコ・コヴァチ:構造的な面を見ると、モナコはフランクフルトに近いね。 我々には、クラブオーナーのドミトリ・リボロフレフ氏に加え、ポール・ミッチェルSDとオレグ・ペトロフ副会長という2人の責任者を据えている。その3人目として私がいる。この3人がスポーツ面を担当する体制となっている。ミッチェルSDは強化担当で、ペトロフ副会長はオーナーの右腕だ。意思決定までの時間が短い。これにより、物事がとても簡単になるのだ。 

SPORT1:なぜあなたはフランスでの仕事を受けたのですか?ブンデスリーガからのオファーはありましたか。

コヴァチ:FCバイエルンで過ごした後、そろそろ国外へ出る時期だと思っていた。選手時代は、ドイツとオーストリアでしかプレーしたことがない。 言葉も文化も違う別の国で人生経験を積むというアイデアは、いつもとても魅力的に思っていた。もちろんブンデスリーガで仕事を続ける可能性もあったが、今は違うことに挑戦したいと思ったんだ。 ブンデスリーガには、いつか戻ってきたいと思っているよ。

SPORT1:ブンデスリーガへの復帰はありえるということですか?

コヴァチ:モナコでは充実しているし、オプション付きの3年契約にもサインしている。そのため、近い将来にブンデスリーガに復帰するという考えはない。そして、今のブンデスリーガには十分優秀な監督たちがいるからね。

SPORT1:なぜモナコなのでしょうか?

コヴァチ:実は夏の休暇中に訪れたいと思っていたのだが、突然、モナコからオファーが来たんだ。一週間後には、すべてがクリアになった。特にモナコはフランスのトップ4に入る非常に有名なクラブなため、このプロジェクトはエキサイティングだと思っている。過去最近のクラブの実績はあまり芳しくはないが、ここで何かを成し遂げたい。フランクフルトでも成功したんだ。だから私はこのクラブとサインした。これは今のところ正解だね。

SPORT1:モナコの街は、富裕層や美男美女たちの別荘地です。しかし、それに対して、監督としてのあなたは、ハードワークや規律を求めてここにいます。これらは共存できるものなのでしょうか?

コヴァチ:休暇を取りにモナコへ来たわけではないよ。 クロアチアでもできることだ。南フランスのこの街には素敵な観光スポットがあり、冬はドイツやオーストリアほど寒くはないね。モナコはのんびりとしていていいところだが、気候がいいからとモナコに移籍したい選手がいれば、それは御免だ。就任当初から、このチームのメンタリティを変えたいと考えていた。だからこそ、ケヴィン・フォラントは、我々にとってまさに大当たりの選手なのだ。彼は私たちが必要としていた手本となる選手だ。共にここで成功し、クラブをかつての位置に押し上げたいと考えている。私たちは正しい道を歩んでいるよ。

SPORT1:フォラントの記録は圧巻で、23試合出場で12ゴールと8アシストです。

コヴァチ:ケヴィンはレバークーゼンやホッフェンハイムで常に好成績を残してきた。彼がいれば、どんな利点があるかは分かるだろう。それは、高いクオリティだ。毎年15ゴール以上を記録し、多くのアシストを提供している。それこそが、モナコで必要とされていたものだ。ケヴィンはただゴールを決めるだけでなく、トレーニング中や試合中でも勤勉で、彼の姿勢はとても大切だ。 常に感謝しているよ。彼は素晴らしい人物であり、素晴らしい選手だ。 

SPORT1:当時、なぜ彼をFCバイエルンに連れてこようと考えたのですか?そして、当時の移籍がうまくいかなかった理由は何だったのでしょうか?

コヴァチ:監督として私は常に提案をしているが、こうした提案は、受け入れられて議論されるべきものだ。そして、常に焦点となるのが、給与や移籍金が見合ったものかどうか、という点だ。ミュンヘンに私がいた頃、ケヴィンは残り契約期間が長かったこともあり、移籍金は昨夏よりもずっと高額だった。モナコが彼を獲得した金額では、獲得は不可能だっただろう。また、彼の年齢でバックアップになることも本人にとっては簡単ではなかっただろう。ロベルト・レヴァンドフスキは、全ての試合でプレーする卓越した選手だ。 だからFCバイエルンでは、彼はテーマに上らならなかったんだ。

SPORT1:フォラントは代表に復帰するべきでしょうか? 

コヴァチ:私は賛成だ。私が思うに、彼のサッカーのレベルやスタイルは、代表チームのそれだ。ケヴィンは、ドイツ人選手で唯一の典型的なセンターフォワードだ。ミロスラフ・クローゼがそうだったように 体を張って得点に持ち込める、前線の起点となるフォワードで、多くのゴールを決める選手だ。 彼も年を取りすぎているわけではない。むしろその反対で、28歳の彼は、今年の欧州選手権でドイツ代表としてプレーするには適齢期に入っている。

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SPORT1:モナコでは主に無名選手や優秀な若手選手を中心に起用していますね。

コヴァチ:モナコは、ここでキャリアの第一歩を踏み出した偉大な選手がいることで知られている。最近では、キリアン・ムバッペ、昔で言えば、ティエリ・アンリやダヴィド・トレゼゲといった、ワールドカップ王者や欧州王者にも輝いた選手たちだ。フランスには才能ある選手がたくさんおり、モナコは彼らにとって最高の場所だ。多くの選手たちが加入を望んでいる。18歳、19歳と非常にポテンシャルの高い選手たちが何人もいる。選手たちの成長の一端を担っている点が、私の仕事の醍醐味だね。将来はフランスA代表にもなれるような選手が何人もいるよ。

SPORT1: 楽なのはどちらでしょうか?若手選手を扱うのと、ほぼ全てを勝ち取ってきた経験豊富なスター選手を扱うのでは。

コバチ:私はその両方ができるし、これまでFCバイエルンだけでなく、クロアチア代表チームでも世界的なスター選手を率いて監督をしてきた。しかし、上を目指す若手選手たちは、監督の指示をすべて聞いて実行してくれる。 多くを経験し、耳にし、見てきたベテラン選手たちの行動を変えるというのはそう簡単ではないね。

SPORT1:日曜日はパリでのトップマッチですね。前半戦では、モナコは2-0のビハインドから大逆転し、結局は3-2でこの試合を制しました。

コバック:選手たちはこのゲームの重要性を知っている。パリはFCバイエルンと同じで、彼らはフランスで最も手強い存在だ。 PSGにはリーグ内もしくは世界でも最高の選手たちが揃っている。前半戦では逆転したが、すべてのチームがそうできるとは限らない。 信じて力を合わせれば必ずチャンスがあるはずだと選手たちは見ていた。また前半戦と同様のパフォーマンスができることを期待している。 

SPORT1:現在、チームは4位に位置し、2021年はまだ不敗を継続しています。今季の可能性は?

コヴァチ:過去2年間のモナコの順位は、17位と9位だった。今は首位を奪えるとまでは言えない。現在の目標は、クラブの地盤を固めることであり、もしできれば、来季は国際大会に出場したいと思っている。我々は順調な道を歩んでいるが、今のところ無相応なプレーをしている。 モナコは現在の上位3クラブとは違う。彼らはより多くの経験を積んでおり、何年もかけてチームを築き上げてきた。 トップ3と比較したゴール数だけでも、まだあのレベルとは勝負にならないことがわかる。 4位か5位をキープしてヨーロッパリーグに進出できるかどうかといったところだね。 

▼元記事
https://www.sport1.de/fussball/bundesliga/2021/02/niko-kovac-darum-landete-kevin-volland-nicht-beim-fc-bayern


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