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ローン移籍中のGKヒュルスマンの静かな決意「バイエルンで練習する選手なら皆、バイエルンでプレーしたいと考えるものだ」

――以下翻訳(『キッカー』紙より記事全文)

バイエルンから期限付き移籍中のトム・リッツィー・ヒュルスマンは、暑いザンクトペルテン(オーストリア)の地で順調に順応しているようだ。身長205cmの彼は「日々成長」し、一度は2番手キーパーにもなったことのあるミュンヘンの地へ、来年の夏により強くなって戻ってきたいと考えている。現行契約は、まだ2026年まで残っている。

「メンタリティも言葉もバイエルン地方と似ているね。最初の数日間は、早口だと全部は理解できなかったけど、今はもう大丈夫。エアコンなど、ここでの生活に必要なものはもう買ったよ」と、彼は微笑んで答えた。トム・リッツィー・ヒュルスマンは、ここではミドルネームのリッツィーを名乗っている。ザンクト・ペルテンの本拠地NVアリーナで、キッカー紙は彼へのインタビュー取材を行った。

ヒュルスマンは、SKNザンクトペルテンで多くの実戦経験を積みたいと考える。

バイエルン・ミュンヘンから期限付き移籍している彼は、オーストリア2部のクラブで自分が何を成すべきなのか、すでに理解している。「SKNザンクトペルテンとは、バイエルンのU-14やU-15にいた頃に何度か試合をしたことがあり、若手の育成に定評があることは知っていたんだ。インフラ面が充実しているという点も、当時から知っていたよ。」とヒュルスマンは言う。バイエルン時代の友人であるエミリアン・メトゥ(現SVホルン所属/オーストリア2部)とペペ・ブレクナーフォアヴェルツ・シュタイヤー所属/オーストリア3部)の存在も、彼の決断を後押しした。

GKコーチを務めるトーマス・フォルンホーファー氏に師事して2週間、2度のテストマッチを通して、ヒュルスマンの持つ印象はさらにポジティブなものになったという。「僕らは素晴らしい(キーパーの)トリオで、互いに補い合っているんだ。経験豊富なピルミン・シュトラッサーからは、多くを学べているよ。何よりも、常にプロ意識を持ち、最良の食事を摂り続けることがいかに大切かを教えてくれる。そしてマルセル・クルツは年下だが、僕のような選手にも新鮮な風を与えてくれているね」と、20歳の彼は言う。

205cmの長身を生かしたリーチの長さもさることながら、運動神経が非常に優れている。

SKNのGKコーチのトーマス・フォルンホーファー、ヒュルスマンについて

「リッツィーがGKとしての素晴らしい育成を受けてきたことはすぐにわかった。205cmの長身を生かしたリーチの長さもさることながら、運動神経が非常に優れている。とはいえ、何より、彼は非常に好奇心旺盛で、多くのことを吸収しているよ」とフォルンホーファー氏は熱く語っている。さらにこう続けた。「私たちの目標は、1年後にバイエルンに、ここで彼が順調に成長を遂げたと感じてもらうことなのです」。

彼は、母カトリン(身長186cm)と父ライナー・ヒュルスマン(同193cm)の間に生まれた。12歳のときにバイエルンが彼をミュンヘンに連れてきたのだが、その際に行ったメディカルチェックと手根骨を使った身長予測で、将来的に彼の身長が2メートルを超えることが判明した。

17歳にしてすでに2メートルの大台に乗ろうとしている弟のランディや、もう一人の弟レイにも、長男リッツィーはGKウイルスを感染させてしまったようだ。現在、次男ランディは1.FCカイザースラウテルンのU-19で、三男レイは同クラブのU-14でそれぞれプレーしている。

リッツィーの具体的なキャリアプランは、まだこれからだ。「個人的には、長くてもシーズンごとに、もっと言えば、試合ごとに目の前のことを大事にしたいと考えているよ。ここの2部のレベルは、レギオナルリーガ(ドイツ4部)よりも間違いなく高いね。僕は日々成長していきたい。サッカー界では常に、いろいろなことが起こり得るんだ。」

ノイアーからもらったアドバイスと、クルトワからもらったインスピレーション

以前、マヌエル・ノイアーが負傷離脱した際、ヒュルスマンはバイエルンで一時的にスヴェン・ウルライヒに次ぐ2番手キーパーに昇格した。2023年8月に行われたドイツ・スーパーカップのRBライプツィヒ戦(0-3)や、その後に行われたブンデスリーガのブレーメン戦(4-0)、アウクスブルク戦(3-1)とベンチに座ったのだ。しかし、バイエルンは、インテルに移籍したヤン・ゾマーの後釜としてダニエル・ペレツと契約している。とはいえ、ペレツは大腿部の負傷で今も離脱中だ。ヒュルスマンは今後、ザンクトペルテンで実戦経験を積むことになる。バイエルンとのプロ契約は2026年までとなっている。

ノイアーは「子供の頃から僕のお手本だったし、人間性もまったく素晴らしいね。もちろん、彼には何度か、こういう時にはどうすべきかを相談したこともあるよ」とヒュルスマンは言う。しかし、彼はティボー・クルトワからもヒントを得ている。「彼は僕の体格に近い。そのため、当然、彼からも多くのことを学ぼうとしているんだ」。

ザンクトペルテンでの武者修行を終えた後は、どのような将来が待っているのだろうか?ヒュルスマン自身、すぐにはそれを口にしたがらなかったが、少し間を置くとハッキリこう言った。「バイエルンで練習する選手なら皆、バイエルンでプレーしたいと考えるものだ。」

▼元記事
Hülsmann: "Jeder, der mit Bayern mittrainiert, will da fix dabei sein" - kicker

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