ハイナー会長の語る「今夏の移籍、ホーラン獲得の可能性、キミッヒやゴレツカの契約延長の状況」
—— 以下、翻訳 (インタビュー記事全文)
歴代最多マイスターの内側に迫る!
ドイツ『ビルト』紙のTVチャンネルである、ビルト・ライブの「バイエルン・インサイダー」の初回の放送では、本紙サッカー編集長のクリスチャン・ファルク記者が、ミュンヘンのセーベナー通りにて、バイエルン会長のヘルベルト・ハイナー氏(67)のオフィスにゲストとして登場した。
FCバイエルンで最も力を持つ男が語ることとは...
...クラブ敷地内にオフィスがある利点について:「ウリ・ヘーネスから会長職を引き継いだ。ここは以前のウリ・ヘーネスの部屋だ。トレーニングを見ることができるという素晴らしい利点があるね。ここにいるときは、時々見ているんだ。選手たちの能力を目にすると感激するよ。」
... ウリ・ヘーネス氏との関係について:「ウリ・ヘーネスとは友人さ。彼がアドバイザーとして我々のそばにいてくれることを、私はとても嬉しく思っているよ。」
...取締役社長のオリバー・カーン氏との協力関係について:「オリバー・カーンとは非常に活発で密なやりとりをしている。それはとても良いことで、彼にはまだ何か起こしてくれると願っているよ。彼は時間とともに成熟してきた。だが、重要な場面では、物事を推進させる意思や、勝利へのメンタリティが残っている。彼と一緒に仕事をするのは楽しいね。」
... スポーツディレクターのハサン・サリハミジッチ氏との協力関係について:「当初から活発なやりとりをしており、それは今も続いている。彼と議論するのは楽しいよ。」
... バイエルンの移籍方針について:「私が監査役を務めていた時に承認した最大の移籍はロイ・マカーイだった。やや汗をかいたね。今の時代からすると、それはもう理解できないものだ。後に、リュカ・エルナンデスを8,000万ユーロ(約100億円)で獲得した。原則として我々が取締役に従うのは、移籍の要望に十分な理由があるためだ。取締役から移籍の要望があっても、驚くようなことはない。すべてあらかじめ話し合われているのだ。」
... バイエルンの会長就任1年目について:「とても満足しており、もう少し楽しみたいね。もちろん、就任1年目に多くのタイトルを獲得できたのは素晴らしいことだ。ただ、それがいつまでも続くわけではない。それでも、私たちはタイトルを獲得し続けたいと考えている。次は10季連続のマイスターになるだろう。」
... 元バイエルン監督のハンジ・フリック氏(56)の代表監督就任について:「彼には大きな仕事が待っている。ここ数年、ドイツ代表は思うような成績を残せていない。難しい仕事だが、本人はそれを楽しみにしている。彼の大きな強みは、選手との距離が近く、選手に自信を与えることだ。彼は、ブンデスリーガのスタジアムをよく訪れることで、その姿勢を示そうとしているね。」
...フリック前監督のバイエルン退団について:「多くの誇張された話があった。もちろん、議論の必要性はあったが、私たちは良い関係で別れた。双方とも望むものを手にしたのだ。ハンジは代表監督であり、我々は理想的な後任監督(ユリアン・ナーゲルスマン)だ。」
... 新戦力獲得の可能性について:「コロナにより、他のクラブと同じく苦しんできた。1億5千万ユーロ(約200億円)も減収するため、FCバイエルンといえども簡単には対応できない。心配する必要はないが、クラブのスポーツ面、財務面の将来を確保しなければならない。私たちには素晴らしいチームがある。もちろん、ハサンは市場をよく見ている。もし、FCバイエルンに適した選手が市場にいて、なおかつ一定の予算枠内に収まるのであれば、我々は努力するつもりだ。とはいえ、緊急を要するものではない。」
... BVBのスター選手、アーリン・ホーラン(21)獲得の可能性について:「我々には世界最高のストライカーがいる。世界最優秀選手のロベルト・レヴァンドフスキだ。彼はゴールの請負人だね。彼にはあと2年、できればもっと長く一緒にいてほしいと思っている。アーリン・ホーランは傑出した選手であり、それは常に見て取れる。だが、ロベルトにはとても満足しているんだ。彼との契約を延長することも十分に考えられるが、今はまだ早すぎるよ。」
... マヌエル・ノイアー(足首の関節包の負傷)がケルン戦に出場する可能性について:「出るとは思わないね。私の知る限り、怪我で無理だろう。スヴェン・ウルライヒが今日プレーすると考えているよ。」
... タイトルを争うライバルのドルトムントについて:「ブンデスリーガはまだ開幕したばかりだ。何かを分析するにはまだ早すぎる。ドルトムントは、ライプツィヒや、レバークーゼン、ヴォルフスブルクと並び、今季も最も厳しいライバルチームの一つになると思う。優勝争いはますます厳しくなるだろう。私たちは、再び頂点に立つべく、十分多くの試合で勝てるように全力を尽くすよ。」
... パリ・サンジェルマンの補強について:「これがファイナンシャル・フェアプレーに紐づくものなのか、まだよく理解できていない。今のPSGの補強のやり方は、UEFAのルールに合ったものかどうかを非常に注意深く見ている。私たちはそれを遵守し、他のクラブにも同じことを期待しているのだ。パリのことを判断するには早すぎるが、補強方針は壮大なものだね。これは移籍金の話ではなく、給与のことだ。私はメッシが手取りで4,000万ユーロ(約50億円)稼いでいると聞くが、グロスなら8,000万ユーロ(約100億円)だろう。さらに、ハキミや、ラモス、ドンナルンマも加えれば、かなりの金額になるはずだ。」
...スタジアムの観客動員が許されたことについて:「まず、2万人の観客を再びスタジアムに入れることができて嬉しく思っている。ここ1~2年とは全く違う雰囲気だね。しかしながら、2万人では当然、減収を補うにはまだ不十分だ。私は、さらなる検査やワクチン接種により、すぐにまたスタジアムを満員にできることを願っている。」
... ヨシュア・キミッヒ(26)の契約延長について:「ヨシュア・キミッヒが我々との契約を延長しない理由なんて想像できないね。彼は非常に充実感を得ており、主力選手だ。私はそれ(彼との契約延長)が、間もなくだと考えているよ。」
... レオン・ゴレツカ(26)の契約延長について:「彼ら主軸選手たちは驚異的な成功を収めてきた。彼らは一緒にうまくプレーし、仲も良いね。昨年の成功は彼らのおかげだ。だからこそ、私たちは彼らとの契約延長を求めているのだ。ゴレツカに関しても、ここに残らない理由はないだろう。我々の選手への給与も高く、タイトルを獲得できるチームになっている。彼らはここで一時代を築くことができるはずだ。」
... 代理人たちの動きについて:「選手たちの能力を最大限に引き出すのが代理人の仕事だ。それはスポーツ面においてだね。もちろん、メディアを通して仕事をしており、隠れたファールも多少あるだろう。だが、そういったこともうまく付き合っていかなければならない。代理人のせいにばかりしていてはならない。結局は、選手が代理人を雇ったのだ。そして、代理人は選手が望むことをしてくれるものだ。」
... レアル・マドリードの入団会見の際、ダビド・アラバ(29歳)がチームロゴにキスしたことについて:「我々のもとで長く在籍していたはずの、彼の行いにも少し驚いた。だが、それが人生というものだ。」
... ユニフォームの価格について:「ユニフォームの価格を決めるのはFCバイエルンではなく、サプライヤーだ。すべてのメーカーはクラブと契約しており、その金額もユニフォームの価格に含まれている。さらには管理費や、材料費、製造費、物流費なども含まれる。最終的には多少の利益が残らなければならない。そうして価格が決まっていくのだ。」
... ナーゲルスマン監督は5年契約を全うするかどうかについて:「間違いなくするね。」