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ムシアラ「イングランドとの対戦は、僕にとって特別なものになるだろう」

—— 以下、翻訳 (インタビュー記事全文)

ウェンブリーへの旅は、18歳のジャマル・ムシアラにとって過去への旅となる。彼は人生の半分をイングランドで過ごし、2021年初めにドイツ代表としてプレーすることを選択した。ハンガリー戦では短い出場時間ながら、決定的な同点ゴールのお膳立てをするなど、彼の能力の高さを証明した。DFB.deはこの若者に、EURO2020でのこれまでの経験や、ベスト16のイングランド戦の意味を伺った。

DFB.de: やあ、ジャマル。もともとドイツで暮らし、その後イングランドに移住し、そして今はドイツに戻りましたね。イングランドへ移住するのと、ドイツに戻るのとでは、どちらが大変でしたか?

ジャマル・ムシアラ:ドイツからイングランドに引っ越したときは、特に大変だった。言葉は通じないし、そもそも友達なんていなかったからね。しかし、サッカーは、僕が馴染むのにとても役立ったんだ。誰もがサッカーという世界共通の言語を理解しているからね。数ヶ月後には英語が理解できるようになり、状況は好転した。その意味では、ドイツ語が完璧でなくても、ドイツに戻るのは簡単だった。僕はある程度の年齢になり、この国のことをよく知っており、ここにはすでに友人もいたからね。そのおかげで、ドイツでの生活には早く馴染むことができたよ。

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DFB.de: あなたはフルダでサッカーの第一歩を踏み出しました。また、今でも当時の誰かと連絡を取り合っていますか?

ムシアラ:母は今でもフルダの人たちと連絡を取っている。僕はサッカーのために不在にすることが多いので、それほどでもないんだ。でも、フルダの人たちが僕のことを応援してくれているのは聞いているよ。フルダにいたときはたくさんの友人ができたが、残念ながら今はそうした友人関係は希薄になってしまったね。とはいえ、フルダやTSVレーネルツでは良い思い出しかないよ。クラブでもストリートでも、たくさんサッカーをして、とても楽しかった。

DFB.de: TSVレーネルツを退団後、チェルシーFCに移籍しましたね。カルチャーショックは大きかったですか?それとも、思ったほど大きな違いはなかったですか?

ムシアラ:サッカーをしたいという気持ちに変わりはなかった。一番の違いは、チームメイトのクオリティだね。一方では真剣な競争があるが、他方では、より高いレベルでサッカーができるのは嬉しいことさ。だが、僕はいつも前向きで、自分にプレッシャーをかけすぎないようにしているよ。

DFB.de: プロのサッカー選手になることは、かなり早い段階から決まっていたようですね。サッカー選手になれなかった場合の、プランBはどのようなもので、いつ頃からそれが必要ないと確信しましたか?

ムシアラ:そうだね。僕はサッカーに多くを尽くしてきた。僕にとってはプランAしかなく、それにすべてを注ぎ込んできたんだ。だが、僕の人生はサッカーだけではなかったよ。例えば、絵を描くことが好きだった。だから、他の職業を挙げるなら、建築家も考えていたよ。結果的にそうならなかったのは、決して悪くはないけどね(笑)。

DFB.de: ユース世代はイングランドでプレーしていましたが、A代表ではドイツでプレーすることを選択しました。両方のチームで共通することはありますか?

ムシアラ:代表チームにおいて、ユースレベルとトップレベルを比較するのは難しいね。強いて言えば、イングランドでは若いうちから技術的なトレーニングに力を入れていることかな。少なくとも週に1回は、特別な技術の練習をしていたんだ。ドイツに来てからは、競争相手を打ち負かして勝つことを重視していた。とはいえ、僕はある程度の年齢で入ったので、ドイツでの若い選手のトレーニングがどのようなものかはわからないけどね。イングランドでは、U‐18までは本格的なリーグ戦はなく、トーナメントで戦うことが多いんだ。確かに違いはあるが、両方の世界を経験していることは、僕にとって強みになると思っているよ。

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DFB.de:あなたはまだ若く、ドイツでのプレー時間も長くありません。もうチームに馴染んできたと感じますか?それともまだ苦しいと感じる瞬間はありますか?

ムシアラ:慣れてきたような気がするし、とても楽しいよ。特に僕くらいの年齢では、その一員になれただけで素晴らしい経験になるんだ。でもそうだね、すべてがあっという間に起こり、苦しくなる瞬間がある。最近、僕の身には信じられないようなことがたくさん起こっており、普通じゃ絶対にありえないようなことだ。時々、これまでに起こったすべてのことや、それがどれほど凄いことなのか、まだ実感がわかない時があるよ。

DFB.de: あなたのような年齢の選手がEUROのような大舞台を経験する場合、FCバイエルンでのドイツ代表のチームメイトの番号をすでに知っていることは、どれほど役に立ちますか?

ムシアラ:最初の頃は、それが非常に有り難かったよ。バイエルンの選手に何だって聞けるし、迷惑をかけているとも思わないので、助かったよ。そして、安心感もあったんだ。でも今は、みんなと仲良くなって、誰とでも話せるようになった気がする。とはいえ、今となってはそれほど多くの質問をすることはないし、それほど多くの助けは必要としていないよ。

DFB.de: フランス戦やポルトガル戦で、あなたはメンバーには入れませんでしたね。それは大変なことでしたか?

ムシアラ:僕はサッカー選手であり、試合に出たいと思っている。チームの一員として、スタメンの座を手に入れるために全力を尽くすつもりだ。だが、自分が置かれている立場にも感謝しているよ。この大会で経験したことはすべて自分にとっては財産であり、多くのことを学んでいるんだ。僕はこの2試合ではメンバーに入れなかったので、トレーニングに励み、監督が僕を選んでもらえるよう、その理由を増やす必要があった。幸いなことに、僕はそれを叶えることができたね。

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DFB.de: あなたがピッチに立ったとき、ドイツ代表はこのままではハンガリー戦で敗退することが決まる状況でした。あなたはどのようにしてその緊張を遮断し、インパクトを与えることができたのですか?

ムシアラ:監督からは「恐れずに自分のプレーをし、相手陣内で積極的に攻める」よう言われていた。僕には、失うものなんて何もない。バイエルンで何度も経験しているので、交代することがどういうことかわかっている。すぐに活躍することが重要で、そうすることでプレッシャーを和らげることができるんだ。時間がかかりすぎてゲームに参加できないと、考えすぎてミスをしてしまうことがある。僕は心配事をすべて脇に追いやり、できるだけ自由に、そして信念を持ってプレーしようとした、それが僕たちに必要なことだったんだ。ああいった状況で試合に臨むのなら、尻込みしている場合ではない。チームのために貢献できたことを嬉しく思うし、イングランド戦で再びチャンスを得られることを願っているよ。

DFB.de:あなたは現在、主要な国際大会に出場したドイツ人の中で最年少選手です。「史上最年少」というのは、あなたにとって意味のあることですか?

ムシアラ: 特別なことだが、僕の性格や考え方には何の影響もないよ。僕は常に全力を尽くし、さらに自分を追い込むようにしている。こうした記録は、その場はうれしいものだが、すぐに次のステップに進むことになる。というのも、達成したい目標や記録は、もっとあるのだから。

DFB.de: 次はイングランドですね。イングランドの友人からは、すでに何通ものメッセージが届いているのでしょうか?

ムシアラ:特にチェルシー時代からの知り合いからは、かなりの数さ。ジュード・ベリンガムとも話したよ。彼とはイングランドのユース時代に一緒にプレーし、今はEUROでイングランド代表の一員なんだ。彼らと対戦することになったのは素晴らしいことだし、とても楽しみにしている。何が起こるかワクワクしているんだ。トップチームとの対戦は、間違いなく非常にタフなゲームになるだろう。

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DFB.de: ジュード・ベリンガムには何と言われましたか?

ムシアラ:ハンガリー戦の前に、対戦できる可能性について話したんだ。彼とは、すぐに会えるだろうし、試合後にユニフォーム交換をしようと約束した。彼と再会できるのはうれしいことさ。イングランドで一緒にプレーしてから数年が経った。ドイツ戦でも一緒にプレーしたことがあるし、今回は大舞台での対戦ということで、お互いにとって特別なものになるだろうね。

DFB.de: 気持ち的にも難しい試合になりそうですか?

ムシアラ:いや、ドイツのためにプレーすることを意識して決断したとはいえ、もちろん僕にとっては特別な試合さ。イングランドは僕にとって第二の故郷なんだ。多くの素晴らしい年月を過ごし、多くの友人と知り合い、多くのことを学んだ。特別な試合になるだろうね。

DFB.de: ドイツ対イングランドは、国際舞台で「伝統の一戦」と言われています。1966年のウェンブリーでの有名なゴールや、1990年のワールドカップやEURO96での準決勝でのPK戦など、これまで記憶に残る対決がありました。「伝統の一戦」というのは、あなたにとっても納得ですか?

ムシアラ:長い歴史を持つライバル関係であることは、もちろん知っているよ。イングランドでは、ドイツと対戦するたびに大騒ぎになっていたのを今でも覚えているから、それに思い当たる経験はあるよ。今は次の試合を楽しみにしている。僕個人としては、この試合に勝って次のラウンドに進むことだけが重要で、これまでの過去の出来事はそれほど重要ではないね。

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DFB.de: チームの中には、イングランドとのビッグゲームを経験したことのある選手もいます。例えば、トーマス・ミュラーは、2010年のワールドカップで2ゴールを決めました。彼はそのことについて何か話しましたか?

ムシアラ:そのことは聞いていないが、この試合がどれほど楽しみかは話していたよ。簡単な試合ではないことは、誰もがわかっている。本当にキックオフが待ち遠しいね。

DFB.de: 11歳のとき、学校のチームでウェンブリーでプレーし、4ゴールを決めた当時の映像が残っていますね。このスタジアムでの思い出はそれだけですか?

ムシアラ:小学校のチーム「コーパス・クリスティ」で2度プレーしたことがある。どちらの試合も勝ったので、今回は3勝目を挙げられるようにしたいね。11歳の頃はどのスタジアムも大きく感じたが、ウェンブリーは誰にとっても特別な場所だと思う。ピッチが完璧だったことを覚えているよ。あの舞台に戻ることができたら嬉しいね。

DFB.de: イングランドの人々は、この試合をとても楽しみにしています。友人から、チケットのリクエストも多いのでは?

ムシアラ:そうだね、多くの友人が来場したいと言っていたし、父も行く予定だ。ドイツの家族は残念ながら行けないので、友人たちが来てくれることが何よりも重要だよ。スタジアムにはできるだけ多くのドイツのファンが必要なんだ。

▼元記事
https://www.dfb.de/en/news/detail/musiala-its-no-ordinary-game-229489/


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