標準管理規約2024年(令和6年)6月改正部分の解説その1

高経年マンションの非居住化や所在等不明区分所有者の発生への対応等

 近年、土地の相続などの際に所有者についての登記が行われないなどの理由で、誰が所有者なのか分からない土地などが増えています。もちろん区分所有建物も例外ではありません。専有部分の所有者(管理すべき人)がはっきりせず、お部屋の管理が行き届かないことは、周辺のお部屋や建物にも悪い影響を与える恐れもある上、管理費等の滞納につながり管理不全をまねく恐れがあります。

 専有部分の所有者(管理すべき人)がはっきり主な原因としては、
・土地の相続の際に登記の名義変更が行われないこと
・所有者が転居したときに住所変更の登記が行われないこと
などがあげられます。また、専用部分を賃貸に出した場合、適切に賃借人を届けていないと、そのお部屋に誰が住んでいるのか判然とせず、管理上専有部分内の工事を行わなくてはいけなくても連絡が取れにくくなる場合がありえます。

 政府としては、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法(所有者不明土地法)などによって、相続登記の義務化など政策が進んでいますが、区分所有建物においては、管理費等は毎月発生するものであり、登記を待って所有者(管理すべき人)を把握するよりは、新たな管理費等の支払者等を早めに把握する方が、他の区分所有者の意識付けのためにも必要なことであると考えられます。

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