マンション標準管理規約 第48条(議決事項)

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2024年6月7日改正(コメント部分新設)
2021年6月22日改正


条文

(議決事項)
第48条 次の各号に掲げる事項については、総会の決議を経なければならない。
一 規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止
二 役員の選任及び解任並びに役員活動費の額及び支払方法
三 収支決算及び事業報告
四 収支予算及び事業計画
五 長期修繕計画の作成又は変更
六 管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法
七 修繕積立金の保管及び運用方法
八 適正化法第5条の3第1項に基づく管理計画の認定の申請、同法第5条の6第1項に基づく管理計画の認定の更新の申請及び同法第5条の7第1項に基づく管理計画の変更の認定の申請
九 第21条第2項に定める管理の実施
十 第28条第1項に定める特別の管理の実施並びにそれに充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩し
十一 区分所有法第57条第2項及び前条第3項第三号の訴えの提起並びにこれらの訴えを提起すべき者の選任
十二 建物の一部が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧
十三 円滑化法第102条第1項に基づく除却の必要性に係る認定の申請
十四 区分所有法第62条第1項の場合の建替え及び円滑化法第108条第1項の場合のマンション敷地売却
十五 第28条第2項及び第3項に定める建替え等に係る計画又は設計等の経費のための修繕積立金の取崩し
十六 組合管理部分に関する管理委託契約の締結
十七 その他管理組合の業務に関する重要事項

コメント

第 48 条関係
 マンションを適切に維持管理していくためには、各区分所有者が管理組合会計の収支状況を把握していることが重要であり、特に、適切な修繕積立金の確保の観点から、修繕積立金の額を変更する必要性を認識することは極めて重要である。毎年の総会において、長期修繕計画上の積立予定額と現時点における積立額の差を明示するためにこれらの情報を記載した資料を提示したり、長期修繕計画を総会資料に添付したりするとともに、段階増額積立方式を採用している場合は今後の変更予定時期及び変更予定額を説明することも、合意形成に有効と考えられる。

解説

 総会で決議できる事項を列記した条項。総会は管理組合の最高意思決定機関なので、規約に定められていない管理についての重要な事項は、ここで列記していない事項でも総会で決める事になる。

参照条文等

標準管理規約 第28条(修繕積立金)
 管理組合は、各区分所有者が納入する修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた修繕積立金は、次の各号に掲げる特別の管理に要する 経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。
一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕
二 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕
三 敷地及び共用部分等の変更
四 建物の建替え及びマンション敷地売却(以下「建替え等」という。)に係る合意形成に必要となる事項の調査
五 その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理
2 前項にかかわらず、区分所有法第62条第1項の建替え決議(以下「建替え決議」という。)又は建替えに関する区分所有者全員の合意の後であっても、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成14年法律第 78号。以下「円滑化法」という。)第9条のマンション建替組合の設立 の認可又は円滑化法第45条のマンション建替事業の認可までの間において、建物の建替えに係る計画又は設計等に必要がある場合には、その経費に充当するため、管理組合は、修繕積立金から管理組合の消滅時に建替え不参加者に帰属する修繕積立金相当額を除いた金額を限度として、修繕積立金を取り崩すことができる。
3 第1項にかかわらず、円滑化法第108条第1項のマンション敷地売却決議(以下「マンション敷地売却決議」という。)の後であっても、円滑化法第120条のマンション敷地売却組合の設立の認可までの間において、 マンション敷地売却に係る計画等に必要がある場合には、その経費に充当 するため、管理組合は、修繕積立金から管理組合の消滅時にマンション敷地売却不参加者に帰属する修繕積立金相当額を除いた金額を限度として、 修繕積立金を取り崩すことができる。
4 管理組合は、第1項各号の経費に充てるため借入れをしたときは、修繕積立金をもってその償還に充てることができる。

標準管理規約 第21条
2 専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を 共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる。

区分所有法 第31条(規約の設定、変更及び廃止)
 規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。

区分所有法 第57条(共同の利益に反する行為の停止等の請求)
2 前項の規定に基づき訴訟を提起するには、集会の決議によらなければならない。
3 管理者又は集会において指定された区分所有者は、集会の決議により、第一項の他の区分所有者の全員のために、前項に規定する訴訟を提起することができる。

区分所有法 第61条(建物の一部が滅失した場合の復旧等)
 建物の価格の二分の一以下に相当する部分が滅失したときは、各区分所有者は、滅失した共用部分及び自己の専有部分を復旧することができる。ただし、共用部分については、復旧の工事に着手するまでに第三項、次条第一項又は第七十条第一項の決議があつたときは、この限りでない。
3 第1項本文に規定する場合には、集会において、滅失した共用部分を復旧する旨の決議をすることができる。
4 前三項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。
5 第1項本文に規定する場合を除いて、建物の一部が滅失したときは、集会において、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数で、滅失した共用部分を復旧する旨の決議をすることができる。

区分所有法 第62条(建替え決議)
 集会においては、区分所有者及び議決権の各五分の四以上の多数で、建物を取り壊し、かつ、当該建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議(以下「建替え決議」という。)をすることができる。

建替え等円滑化法 第108条(マンション敷地売却決議)
 第102条第1項の認定を受けた場合において、要除却認定マンションに係る敷地利用権が数人で有する所有権又は借地権であるときは、区分所有者集会において、区分所有者、議決権及び当該敷地利用権の持分の価格の各五分の四以上の多数で、当該要除却認定マンション及びその敷地(当該敷地利用権が借地権であるときは、その借地権)を売却する旨の決議(以下「マンション敷地売却決議」という。)をすることができる。

標準管理規約 第32条(業務)
一 管理組合が管理する敷地及び共用部分等(以下本条及び第48条において「組合管理部分」という。)の保安、保全、保守、清掃、消毒及びごみ処理

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