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安全なベビー用スキンケアの選び方


ベビー用スキンケアは安全なものばかりではない

赤ちゃんの肌への保湿が一般的になってきた昨今。赤ちゃんの柔らかく繊細な肌にどんな保湿剤を塗ればいいのか、迷うことがあるかもしれません。

というのも、成分によっては赤ちゃんの肌を刺激してしまうものや、皮膚から吸収されてしまうものもあるから。
ベビー用スキンケアならどれでも安心というわけではないのです。

生まれたばかりの肌は化学物質に対して弱いため、どんな成分が入っているのかを知っておくことが大切。
大切な儚い存在を守るために、正しく安全なベビー用スキンケアの選び方を紹介します。

ベビー用の保湿剤の選び方

最初に、保湿剤が必要でない赤ちゃんもいることを知っておきましょう。
赤ちゃんの肌は乾燥しやすいのは確か。でも、保湿剤に頼らなくても自然に治ることも多いのです。

乾燥した肌の状態が改善されなかったり、悪化してきた場合にはワセリンがもっとも安全性が高く、保湿力が高いとされています。また、安価に入手できるので、コスパも◎。

でも、ワセリンやミネラルオイルは石油由来。なんとなく嫌だと思う人や、サステナブルではない原料で使うことを躊躇する人もいるかもしれません。

その場合は、グリセリンやBG、ホホバオイルが配合された保湿クリームを選びましょう。これらはいずれも安全性が高く、保湿力に優れていることが確認されています。
ローションは塗る回数が増えるため、肌への負担が大きくなってしまいます。そのため、クリームタイプがおすすめ。

赤ちゃんに日焼け止めは必要?

どんな日焼け止めであっても、生後6ヵ月未満の赤ちゃんにはおすすめできません。紫外線防止剤はどんな種類であっても、新生児の肌に塗るには負担が大きすぎるからです。
2020年の報告では、一部の紫外線吸収剤は、皮膚から体内に吸収される可能性があるとされました。
これらの化学物質には体内のホルモン活動に影響を与える可能性があります。潜在的なリスクが高いため、さらなる研究で安全性に確証を得られるまでは、なるべく日焼け止めを塗らない方法で紫外線対策をするのが安全かもしれません。

外出時には、日焼け止めを塗るのではなく、帽子や薄手のコットンタオルで肌が露出しないように保護してあげましょう。また、真夏のお出かけは日差しが強くなる前の午前中か夕暮れ時に。

生後6ヶ月以上の赤ちゃんには、肌が露出したところにだけ日焼け止めを塗布する必要があるかもしれません。
日焼け止めを選ぶときには、次のポイントに気をつけましょう。

  • 紫外線吸収剤が入っていないものを選ぶ

  • 酸化亜鉛や酸化チタンなどが配合されたミネラルベースのものを選ぶ

  • ナノ化された成分が入っていないものを選ぶ(酸化亜鉛と酸化チタンもナノ化されたものはNG)

ボディソープを選ぶときには

中性または弱酸性のものを選びましょう。
また、赤ちゃんの肌の乾燥や炎症の原因になる可能性があるエタノール(アルコール)や香料が配合されているものは避けて。

「ベビー用」と書かれていても、これらが配合されている可能性はあります。必ず大人が成分表を見て、正しく選ぶことが大切です。

謳い文句に惑わされない

ベビー用スキンケアを選ぶとき、どんな親にとっても一番大切なことは子供にとっての安全性。
そのため、多くのベビー用スキンケアでは安全な印象を持ってもらえるよう、さまざまな謳い文句が使われます。例えば、こんな言葉。

  • 新生児から使える

  • 赤ちゃん用・ベビー用

  • ナチュラル

  • 自然由来

  • 肌にやさしい

  • オーガニック

しかし、実はこれらの言葉を使うための厳密な規制はありません。
当然、販売する各メーカーごとに安全基準は設けているはず。でもそれは、国や法律で定められた内容ではなく、メーカーごとに異なるのです。

「肌に優しい」ほうが刺激成分が多い?

2018年にイギリスで行われた調査では、驚くべき事実が判明しました。
それは、「敏感肌用」「肌に優しい」「オーガニック」「無香料」として販売されている化粧品のほうが、そのような記載がないものに比べて、肌刺激が強い成分が配合されているケースが多かったのです。
これは外国だけの話でしょうか?
日本では、このような調査すら行われることが稀。製品の安全性については、実態がほとんどわかりません。

一つ言えることは、世界一化粧品成分に厳しい基準を持つヨーロッパに比べて、日本の規制が緩めだということ。ヨーロッパでは2000以上の成分が規制対象になっています。
また、一部の成分では3歳未満の子供が使う可能性がある化粧品への配合が規制されているなど、年齢に応じた使用ルールがあります。

一方、日本は約130成分のみが規制の対象。また、赤ちゃん用として使っていい成分、使ってはいけない成分などの決まりもありません。

つまり、ヨーロッパでは子供用には禁止されている成分でも、日本ではベビー用スキンケアに配合できてしまうのです。

ベビー用スキンケアで避けるべき成分

赤ちゃんの肌はそれぞれ異なります。でも、特に避けてほしい成分があります。
肌への刺激やアレルギーを引き起こしたり、皮膚から吸収される可能性がある成分などです。

香料

化粧品にいい香りを求めているのは大人だけ。赤ちゃん本人にとって、香りは不要です。しかし、塗る側の大人がいい匂いと感じる香料が、ベビー用スキンケアに配合されていることがあります。
香料には、合成や天然由来を問わずアレルギー反応を引き起こす可能性があります。香料や精油が使われていないものを選びましょう。


パラベン

パラベン防腐剤として、さまざまな化粧品に使用されています。ごく少量で高い防腐力を発揮します。
パラベンは、肌への刺激の原因になりやすいため、赤ちゃんや幼児には避けるべき成分です。
また、パラベンは皮膚から吸収されやすい成分でもあります。長期的にパラベンにさらされると、代謝やホルモン調節に影響を及ぼす可能性があるとの指摘も。

これらの懸念から、デンマークでは3歳以下の子供が使う化粧品において、一部のパラベンの配合を禁止しています。

PG(プロピレングリコール)

PG(プロピレングリコール)は、保湿剤に基材として使われることがあります。刺激やアレルギー反応の原因となることも少なくない成分。赤ちゃんや幼児は避けるのが安全そうです。PGの代わりにBGやグリセリンといった安全性が高い保湿剤が配合されているものを選びましょう。

硫酸塩(硫酸Na)

硫酸Naは、界面活性剤としてシャンプーやボディソープに配合されます。
配合されることが多いのは、ラウリル硫酸ナトリウムとラウレス硫酸ナトリウム。
安全ではないと言い切れない成分ではありますが、肌刺激が強いことは確か。食器用洗剤による主婦発疹やあかぎれの原因ともされている成分です。デリケートな赤ちゃんの肌への使用はおすすめできません。

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*すべての方に肌刺激やアレルギーが起こらないわけではありません。