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ラウリル硫酸ナトリウムが乾燥肌を招く理由


ラウリル硫酸ナトリウムとは

化粧品やヘアケア製品の全成分表記は「ラウリル硫酸Na」。英語名を省略して「SLS」と書かれていることもあります。ヤシ油、パーム核油、石油などを由来とする界面活性剤です。

化粧品では次のような目的でラウリル硫酸ナトリウムが配合されます。

泡立ちをよくする

モコモコときめ細かな泡を作れます。肌触りがよくなり、肌の油分を引き寄せて洗浄力を高める効果も。

洗浄力を高める

ラウリル硫酸ナトリウムは肌の油分を取り除きます。洗った後はさっぱりとした清潔感を感じられます。洗顔料やボディソープに配合すると泡立ちがよくなるため、少量でも洗浄効果が。また、メイクの油分を分解して効果的に落とすこともできます。

水性成分と油性成分を乳化させる

本来、油と水は混ざり合わないもの。ラウリル硫酸ナトリウムを配合すると、水と油を融合させたままキープすることができます。

ラウリル硫酸ナトリウムの強い洗浄力

化粧品原料の中では比較的安価な成分のラウリル硫酸ナトリウム。泡立ちや洗浄力がよくなることから、石けんや洗顔料、ボディソープ、メイク落とし、シャンプーや歯磨き粉への配合がよく見られます。

ただ、効果が高い反面、デメリットもあります。洗浄力が強いということは、脱脂力が高いということ。メイクや余分な油脂を簡単に落とす脱脂力は、肌の乾燥を招く原因に。また、すでに乾燥肌敏感肌の人には負担が大きすぎる可能性もあります。

他にも、次のような人は避けるのが望ましいとされています。

上記のような症状がない人でも、すすぎが不十分で肌に残ると刺激を感じることがあります。また、目にも刺激が強い成分。髪や顔を洗う時に目に入るとしみるため注意が必要です。

食器洗い洗剤で手が荒れる原因

ラウリル硫酸ナトリウムが使われるのは、化粧品だけではありません。「アルキル硫酸エステルナトリウム」という成分名で、食器用洗剤にも使われています。

使われる理由は、やはり強力な洗浄力と油を落とす力。フライパンの油汚れもこすらず落とせるほどのパワーです。

洗剤で手が荒れたり、あかぎれになったり。ひどい人は発疹が出ることも。それらの理由は、ラウリル硫酸ナトリウムによって肌の皮脂が過剰に奪われるから。特にお湯を使った場合には、肌への刺激がより強くなることも指摘されています。

食器を洗うときには天然ゴムの手袋を使うなどして、肌を保護するのがよいでしょう。

41.8%の人で刺激反応

ドイツの調査では1,600人にパッチテストを実施。0.5%濃度のラウリル硫酸ナトリウムに41.8%の人が刺激反応を見せました。また、3ヶ月半にわたって実施された別の調査塗もあります。そこでは、使用直後だけではなく、使用をやめた後も肌トラブルが続いたことが報告されています。

ラウリル硫酸Naに対して肌刺激を感じる人は、肌の赤みや乾燥、かゆみやヒリヒリ感などの症状が生じます。掻きむしってし発疹や水疱が出ると症状が悪化。長期化することもあります。

ラウリル硫酸ナトリウムに弱い人はこんな成分にも注意

ラウリル硫酸ナトリウムに対して肌刺激を感じる人は、下記の成分にもアレルギーや紅斑反応が出る可能性が高いとされています。

  • 香料

  • プロポリス

  • ラノリンアルコール

  • コカミドプロピルベタイン

  • TBHQ(t-ブチルハイドロキノン)

  • DEAやTEAなどのトリエタノールアミン

  • 過酸化ベンゾイル

  • 没食子酸オクチル

  • N-イソプロピル-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン(ヘアカラーで使われる)

  • パラフェニレンジアミン(ヘアカラーで使われる)

肌トラブルが続いたら、これらの成分も入っていないかを確認してみましょう。

ラウレス硫酸ナトリウムとの違い

ラウリル硫酸ナトリウムと似た名前で、「ラウレス硫酸ナトリウム」という成分があります。化粧品の全成分表記では「ラウレス硫酸Na」と書かれます。また、英語名を省略した「SLES」が使われることも。

どちらも泡立ちをよくし、洗浄力を高める界面活性剤で役割もほとんど同じ。そのため、混同されやすい成分です。

ただ、刺激性には少し違いがあります。「ラウレス硫酸ナトリウム」はラウリル硫酸ナトリウムよりも皮膚表面のタンパク質と結合しにくい傾向があります。

つまり、ラウリル硫酸ナトリウムよりも肌への刺激が弱いということ。そのため、ラウリル硫酸ナトリウムの代わりに配合されることが増えてきています。
(ただしラウレス硫酸Naも「肌に優しい」といえるほどではない)

ラウリル硫酸ナトリウム配合の化粧品を使いたい時は

上述したとおり、ラウリル硫酸ナトリウムは肌が弱い人におすすめできる成分とはいえません。一方で、しっかり泡立つ洗顔料が好き!という人もいるでしょう。そんな人は、思わぬ肌トラブルを招かないよう、次のことに注意しながら使うようにしましょう。

ぬらした肌に使う

ラウリル硫酸ナトリウムのような刺激が強い界面活性剤を乾いた肌に塗布すると、肌荒れのリスクが高まります。肌をぬるま湯などで濡らしてから洗浄剤を使いましょう。

また、肌に泡を広げたら、なるべく早く洗い流すことも重要。長時間肌につけておくだけで刺激につながることがあるからです。

顔には使わない

長時間つけたままのメイクをきれいに落としたいからといって、洗浄力が強すぎるクレンジングを毎日使うことはおすすめできません。皮脂を取りすぎることで肌バリアが壊れたり、本来の皮脂バランスが崩れてしまう可能性があるからです。

脱脂力が強いものを日常的に使うと、洗顔後の保湿では補えないぐらい肌が乾燥してしまう可能性も。肌の乾燥は美肌の大敵。強い洗浄力を必要としない落としやすいメイク製品を選ぶのもいいかもしれません。

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*すべての方に肌刺激やアレルギーが起こらないわけではありません。