相続不動産の売却、ふえています。
今朝のワイドショーでも特集を組んでいました。
いま、東京でも地方都市中心部でも、不動産価格が高騰しています。
新築・中古を問わず、耐用年数を超えるような旧耐震基準の中古物件でさえも、価格の高騰がとまりません。
オリンピック閉幕後に落ちる、と言われていた噂とは、逆でしたね。
中古物件でも不動産価格が高騰している状況を背景に、
税務相談でも増えているのが、相続で取得した不動産の売却です。
高い価格で売れるほうが、税金を払ったとしても、手元に残るお金は増えるわけですから。
相続税納税のための慌てた売却、慌てずタイミングを選び分納して売却
や
住む人がいなくなったご自宅の売却や、買い替え、有効活用
や
節税には役立ったものの、管理に手が回らず手ばなす賃貸物件
など
相続で取得した不動産は、いま不動産相場がよいために、
相続人さんのご意向でとくに動きがでています。
不動産の売却を決めたときに、できるだけ税額は抑えたいところ。
相続で引き継いだ不動産の売却の税金では、
書類の寄せ集め
がカギとなります。
不動産の売却の手続きのなかで出てきた
① 売却の契約書
② 売却による名義書き換え後の土地建物の登記事項全部証明書(謄本)
③ 仲介手数料の領収証
④ 司法書士報酬の領収証(明細付)
のほかに、
⑤ 物件が遠方の場合、取引のための帰省の旅費交通費の領収証
⑥ 売却の準備に直接かかった清掃費、廃品処分費等の領収証
⑦ 売却のための取壊費用の領収証、取壊費用の補てんの明細書
⑧ (相続居住用特例用)耐震基準適合証明書の発行に関わる領収証
など、お手元にあるはずの関連書類を寄せ集めましょう。
さらに、取得価額の証明のために
⑦ その物件を購入された父母・祖父母の売買契約書や請負契約書
⑧ 取得のときの仲介手数料の領収証
⑨ 取得の時の登録免許税や司法書士報酬の領収証
⑩ 取得の時の測量費や造成費用や立退料など領収証
相続税を支払っている場合には、
⑪ 相続税申告書
も、譲渡益を引き下げる役にたつことがあります。
また、賃貸物件を売却するときには、加えて、
⑫ すべての賃借人との賃貸借契約書
⑬ 賃貸していた方のが提出していた確定申告書・決算書と固定資産台帳
⑭ 相続開始から譲渡までの間の相続人の確定申告書・決算書等
⑮ 敷金保証金の引き継ぎがある場合には、引継精算書
⑯ 立退料を払っている場合には、立退料の領収証
など、
これらを揃えて、確定申告会場や税理士さんへの相談にお持ちくださいね。
参考までに、相続物件の売却で残念な失敗例のご紹介です。
Case 1:10ヵ月の申告期限前に納税のため慌てて売却したために
相続税額が跳ね上がってしまったケース
(1億円の物件で4,000万円の相続税納税額の増加など)
Case 2:相続後ご実家を売却するタイミングが兄弟間でもめてる間に
支払う所得税額が600万円以上高くなってしまったケース
などが見受けられます。
影響額の大きさをみると、あらかじめタイミングや条件を知っておく
ことの大切さがわかるかと思います。
相続で受け継いだ不動産の売却の税金
実際に契約する前に考えておくことがあります。
個別ご相談窓口 あなたのためだけの時間
早く手ばなしたい!現金にしたい!あなたの焦りを狙って
相続物件は、安く買えるから!と、黒い腹を抱えて
やさしい顔した業者さんがたかってくる場合も。。
これにもお気をつけくださいね。
不動産の売却は金額が大きいだけに、タイミング、準備、特例の活用などで、大きく納税額が変わってきます。
今回ご紹介したケースのほかにも、みなさまのお金の知恵が身につくよう、この『不動産と税』のマガジンでお伝えしていきますね。
税務コンシェルジュ塚崎純代