Eugenの備忘録その62-1/21 ヴァイグレ指揮読響マチネ
ゼバスティアン・ヴァイグレ指揮読響マチネ(1/21,14時より、於東京芸術劇場)
ニコライ:《ウィンザーの陽気な女房たち》
ウェーバー:クラリネット協奏曲第2番○
ベートーヴェン:交響曲第6番《田園》
○D.オッテンザマー(Cl.)
メインのベートーヴェンの《田園》は美演と呼ぶに相応しい。パワーある読響の性格を考慮してか、弦は12型の小さな編成だったが、音量の塩梅が良く、豊かで膨よかな音が3階脇にまで伝わってきた。新鮮とかそう言う印象は薄かったがmäßig (穏やか)を体現した演奏だった。第3楽章以降が特によく、軽快だがガツガツしない《農民の集い》を経て読響パワーが炸裂した《嵐》を経由してかなりゆっくりとしたフィナーレへと至る。「嵐から安寧へ」のプロセスが見事であった。
前半はD.オッテンザマーとのウェーバーのCl.協奏曲が秀逸。D.オッテンザマーは、故E.オッテンザマーのご子息だがダイナミクスのレンジが異次元。身体を目一杯使って手練手管の表現により魅了してくる。弱音の息遣いなどは神業と表現しても言い足りない。最初のニコライの《ウィンザーの陽気な女房たち》序曲も賑やかな幕開けで爽快。