Eugenの備忘録その34-7/30 鈴木秀美指揮山響サマーミューザ公演
鈴木秀美指揮山形交響楽団サマーミューザ公演
(於ミューザ川崎シンフォニーホール、15時より)
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲◯
シューベルト:交響曲《大ハ長調》D944
◯石上真由子(Vn.)
シューベルトの《大ハ長調》D944は、某ニコ動にフィナーレの「仕分け」Ver.が上がるくらいの長さを誇るが、鈴木秀美は全反復を実施しその長さと繰り返しの多さに向き合うアプローチをとり、軽やかなテンポと拍節感、アーティキュレーションで60分を駆け抜けた。古典奏法によるすっきりとしつつ味のある音響は他のオケではなかなか聴けないもの。木管の歌心がとりわけ良い。鈴木一族の中で最も個性的な指揮者の力と山響の適応力を感じた。ただ、オケのサイズはこの曲にしては少しかわいすぎたかもしれない。
前半は石上真由子をソリストに迎えてベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。石上は音程面ではハードなnon vib.のピュアな音色で魅了、カデンツァ含め軽妙かつ攻めたパフォーマンスが素晴らしい。伴奏はFg.を際立たせ、さながら「Vn.とFgの協奏交響曲」のような趣。