Eugenの備忘録その30-7/13二期会《椿姫》
二期会主催 ヴェルディ:《椿姫》(7/13,於東京文化会館、18時半より)
アレクサンダー・ソディ指揮読響、二期会合唱団他
キャストは以下リンクより
ソリストはオール日本人。中で光ったのはジェルモン役の今井俊輔。重厚で厳格な演技が抜きん出ていた。そこからすると他のキャストは初日の硬さも相まって平均的には寂しさを感じる内容だったように思う。ヒロイン役の谷原めぐみは第3幕の絶望感が秀逸。歌手陣の中では他に医師役のクランヴィルを演じた峰茂樹が存在感を示す。オケはヴェルディとしてはややうるさめ(重たい)なサウンドが気になったが、第1幕の舞踏会や第2幕後半のダンスシーンなど華やかな場面においてはこうでなくてはと感じさせる華やぎを感じた。合唱団は第1幕の有名な《乾杯の歌》をはじめいつもながらのチームワークが見られ、場を盛り上げた。1日目につき私の評価はあくまで参考程度にしていただきたく思う。
追記 ヴィオレッタは水商売の人であったがゆえ当初パパジェルモンから疎まれた(大元は水商売人を蔑む世間の風潮が要因であるが)。21世紀においても社会のステレオタイプから外れていることにより蔑まれ苦しみ、落命してしまう人がいる。170年前の悲劇を観て現在について考える夜でした。