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Eugenの備忘録その16-エッシェンバッハ指揮ベルリン・コンツェルトハウス管来日公演1日目

5/9 クリストフ・エッシェンバッハ指揮ベルリン・コンツェルトハウス管 佐藤晴真(Vc.)○(19時より、於東京オペラシティコンサートホール)

ウェーバー:《魔弾の射手》序曲
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲○
ブラームス:交響曲第2番

ブラームス2番は録音より更にアグレッシヴな、感興に満ちた音楽。第4楽章の歓喜は輝かしく、しかも重厚。コンツェルトハウス管は包容力と滋味ある深く温かいサウンドが実に魅力的。第2楽章の葛藤に満ちた音楽も素晴らしい。エッシェンバッハの棒は決して器用とは言えないが、4年間の信頼が育んだ阿吽の呼吸が随所で発揮され、実に有機的なブラームスが展開される。もっと上手いデジタル的なブラームスは数多あるだろうが当夜のブラームスはアナログ的な良さがあり感じ入った。ウェーバーの《魔弾》序曲は序奏からドイツの鬱蒼と茂る森を想像させる仄暗さ。フル編成のオケの鳴りっぷりの良さが爽快だった。
対してコンチェルトはソリストの不調とデリカシーの欠乏に終わる結果に。伴奏も信じられないほど一本調子だった(上、ソリストに釣られるように不調の箇所も)。
しかし、総じてエッシェンバッハの円熟、コンツェルトハウス管の蒼古なサウンドを堪能出来る機会となった。

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