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記事作成のハードルを下げる!AI活用のプロセスと7つの工夫

こんにちは、「コンセントではたらく人たち」編集部です!

日々の業務に追われながらも、採用や営業などの面で求職者や顧客への広報活動の継続は欠かすことができません。
しかし、限られた時間の中で質の高い記事を作成するのも容易ではありません。 そこで今回は、AIをこうした広報活動の新たな味方にするべく、AIを活用して採用インタビュー記事を執筆してみました。この記事では、活用のプロセスと7つの工夫についてご紹介します👩‍💻


AI活用はプロセスの工夫で効果を発揮!

実はこれまで広報記事を書きたいと考えていても、なかなか取り掛かることができず、書き出しまでに時間がかかってしまっていたのです。

しかし今回AIを活用して文章の書き出しを手伝ってもらい、それを土台に編集を加えることで、白紙の状態から始めるよりも執筆への心理的なハードルを大きく下げることができました。

人力での編集は最終的に必要ですが、AIの活用により記事の内容検討により多くの時間を確保でき、記事の質向上につながりました🎉

今回、参考にした記事は以下です。

実際の活用プロセスとやってよかった7つのこと

試しにOさんへのインタビュー記事作成にAIを活用しました。下記の記事では、音声認識で文字起こしを行い、AIを用いてインタビュー内容を要約して原稿執筆を行いました。

ちなみに今回、様々なツールやサービスを試してみることを優先したため、必ずしもベストプラクティスとは言えませんが、その過程で行った工夫をまとめていますので参考にしていただけたらうれしいです。

ここからは実際の活用例についてご紹介します💁‍♀️
インタビュー記事は、以下の流れで執筆しました。順を追って説明していきます。

画像:プロセスと7つの工夫の紹介。工夫1、事前準備。工夫2、ChatGPTで質問案作成。工夫3、インタビュー実施。工夫4、Word音声入力機能で文字起こし。工夫5と6、Notion AIを活用して原稿執筆。工夫7、完成!そして公開へ。

①事前準備

【工夫1】記事テーマとポイントを整理&すり合わせる
インタビュー時間を有効活用するため、事前にインタビュイーと相談してテーマと構成の整理を行いました。

画像:ロジックツリーを用いて記事の内容を整理したもの。1、記事を通して一番伝えたいことは何か? 2、1を伝えるために必要な情報は何か?どんな順番で伝えたら良いか? さらに2を伝えるためにはどんな情報や根拠があると良いか? 3、さらに2を伝えるためには…?というふうに、情報や根拠をつなげていく形で、情報を整理している。
事前に内容をすり合わせし、インタビューに臨んでもらいました

今回のような社員インタビュー記事を作成する場合、テーマのみ決めてプロンプトを作成し、AIからの質問に答える形でのインタビュー実施や原稿執筆を行う例もありました。そちらは先ほどご紹介した記事などをご覧ください。


②ChatGPTで質問案作成

【工夫2】プロンプトの作成にも事前の構成整理を活用する
インタビュー設問は、あらかじめ下記の通りChatGPTで作成しました。事前に記事テーマとポイントを整理していたので、プロンプトの作成時や出力された質問案の精度チェックに役立てることができました。

入力文:

#命令文
#私はデザイン会社で採用を担当をしています。とあるUX/UIデザイナーのインタビュー記事を作りたいと考えています。インタビュイーのUX/UIデザイナーOさんは、前職ではスタートアップでUX/UIデザイナーとして働いていました。今回は「スタートアップからC社に転職して身についた3つのこと」という記事を執筆にあたり、事前にインタビューを行います。制約条件に従ってインタビューでの質問を用意してください。インタビューは1時間を予定しています。

#制約条件
#出力形式に従うこと

#出力形式
*質問の見出し
*質問
*質問の意図

ChatGPTの出力:

UX/UIデザイナーOさんへのインタビュー質問を、以下のように用意しました。これらの質問を通じて、スタートアップからC社に転職して身についた3つのことについて深く掘り下げることができるでしょう。

1. 転職の動機
スタートアップからC社への転職を決意した理由は何でしたか?
この質問の意図:転職の背景を理解し、C社での経験と比較する基礎を作ります。

2.仕事環境の違い
スタートアップとC社の仕事環境で、最も大きな違いを感じた点は何ですか?
この質問の意図:環境の変化がOさんの成長にどのように影響したかを探ります。

3.スキルの向上
C社で働き始めてから、特に向上したと感じるスキルは何ですか?
この質問の意図:転職後に身についた具体的なスキルを明らかにします。

4.チームワークの変化
C社でのチームワークは、スタートアップ時代と比べてどのように変わりましたか?
この質問の意図:組織の違いがOさんの働き方やスキルにどう影響したかを探ります。

5.プロジェクトの規模と複雑さ
C社では、スタートアップ時代と比べてプロジェクトの規模や複雑さはどう変わりましたか?それによってどのような学びがありましたか?
この質問の意図:より大規模で複雑なプロジェクトを通じて得られた経験や知見を引き出します。

6.クライアントとの関係
C社でのクライアントとの関わり方は、スタートアップ時代と比べてどのように変化しましたか?
この質問の意図:クライアントとの関係性の変化が、Oさんのスキルや視点にどのような影響を与えたかを探ります。

7.デザインプロセスの変化
C社でのデザインプロセスは、スタートアップ時代と比べてどのように異なりますか?それによってどのような気づきがありましたか?
この質問の意図:デザインプロセスの違いから得られた新しい視点や方法論を明らかにします。

8.最大の学び
C社で働き始めてから、UX/UIデザイナーとして最も大きな学びだと感じることは何ですか?
この質問の意図:転職によって得られた最も重要な気づきや成長を引き出します。

9.今後のキャリア展望
C社での経験を踏まえて、今後のキャリアをどのように描いていますか?
この質問の意図:転職後の経験が将来のキャリアビジョンにどのような影響を与えたかを探ります。

10.アドバイス
スタートアップからC社への転職を考えているUX/UIデザイナーに、どのようなアドバイスをしますか?
この質問の意図:Oさんの経験を基に、同様の転職を考えている人々へのアドバイスを引き出します。

これらの質問を通じて、OさんがスタートアップからC社に転職して身についた3つのことを明確に引き出すことができるでしょう。インタビューの流れに応じて、適宜質問の順序を調整したり、より詳細な質問を追加したりすることをお勧めします。


③インタビュー実施

【工夫3】セキュリティ面を考慮して話してもらう
次に、インタビュー実施です。テーマは「スタートアップからコンセントに転職して身についた3つのこと」でインタビューを行いました。当日は忘れずに録音・録画で記録しておきます。また、原稿執筆時でのAI活用を想定して、インタビューの際にはセキュリティ面を考慮し、具体的なプロジェクト名やその詳細に関わる話題は出さないように配慮しながら会話を進めました。


④Word音声入力機能で文字起こし

【工夫4】タイムスタンプを活用し不明瞭な箇所は遡れるように
これまでMicrosoft Wordの音声入力機能を使用したことがなかったため、今回は試しにこの機能を活用して文字起こしを行いました。

Microsoft Wordの音声入力機能には2つの機能があります。
・ディクティエーション機能
・トランスクリプト機能

「ディクティエーション機能」とは、マイクを使って直接音声入力し、音声をテキスト化する機能です。キーボードから入力せず、音声で議事録などを作成することができます。
「トランスクリプト機能」とは、音声からテキストに変換する文字起こし機能のこと。録音した音声ファイルを元に、音声をテキスト化することができます。
Windowsのブラウザ版(Microsoft365)とアプリ版、Macのプラウザ版(Microsoft365)で利用することができます。

今回は、「トランスクリプト機能」を用いて、文字起こしをしました。

画像:Microsoft Wordの画面。以下、画面を引用しながら手順を説明していく。
上部の「ホーム」を選択し、「トランスクリプト」を選択する
「音声をアップロード」を選択し、アップロードしたい音声データを選択する

右側のウインドウに音声データから起こされたテキストが、話者ごとタイムスタンプ付きで表示されていきます。

「ドキュメントに追加」を押下し「話者とタイムスタンプ」を選択すると、テキストに加えて発話者と発話時間が反映される

「ドキュメントに追加」を押すと左側にテキストが反映されます。反映形式は4つから選ぶことができ、「話者とタイムスタンプ」を選択すると、発話内容に加え、話者と発話時間も一緒に記載されます。

聞き取りにくい部分には色や目印をつける。該当箇所の音声を再生し、テキストを修正する

聞き取りにくい部分には色や目印をつけて、後から見返したときに一目でわかるようにしました。

音声入力機能で文字起こしする際は、明確に言葉を話すことが重要です。
実際にやってみると、読み取りづらい発声や不明瞭な話し方が一部あり、文字起こしの質の低下に繋がってしまいました。重要な箇所は録音の聞き直しを行ったため、予想以上に時間がかかりました。正確な文字起こしには、はっきりと発音し、適切な速度で話すことが不可欠です。


⑤Notion AIを活用して原稿執筆

【工夫5】深掘り質問や要約指示で推敲を重ねる
すでに事前準備の段階で構成案ができていたので、そのままAIを活用した原稿執筆に取り掛かりました。冒頭で紹介した記事の中から「会話形式のインタビュー内容から記事を作成する」を参考に、プロンプトを作成しました。

入力文:

#命令文
#私はデザイン会社で採用を担当をしています。とあるUX/UIデザイナーのインタビュー記事を作りたいと考えています。制約条件に従ってインタビュー内容をもとにした記事を執筆してください

#制約条件
#出力形式に従うこと
*#インタビュー内容を基にして作成すること
*次の手順で作成すること
 1.魅力的なタイトルを付ける
 2.インタビュー内容から要点をまとめる
 3.要点から記事の段落を分ける
 4.各段落の内容がよくわかる見出しを付ける
 5.各段落の本文は900字程度でまとめる
 6.インタビュー全体のまとめを900字程度で記述する

#出力形式
*インタビューの要点
*タイトル「スタートアップからC社に転職して身についた3つのこと」
*各段落の見出し
*各段落の本文
*まとめの文章

#記事のターゲット
20代後半〜30代後半のUX/UIデザイナー、またはUX/UIデザイナーにキャリアチェンジしたい人

#インタビュー内容
デザイン会社のOさん、Kさん
「スタートアップからC社に転職して身についた3つのこと」に関する取材
*K:Oさん、お時間いただきありがとうございます。まず、直近の仕事内容について教えていただけますか?
*O:はい。業務支援アプリケーションのプロジェクトを担当しています。
*K:そうなんですね。その仕事ではどういった役割を担当しているんですか?
(インタビューログ続く…)

出力された文章を確認したところ、肝心のテーマ「スタートアップからコンセントに転職して身についた3つのこと」があまり詳細に書かれておらず、内容が浅く感じてしまいました。読者が「読みやすい」「知りたい」と思う文章を執筆する必要があるため、追加で以下の深堀り質問を行いました。

入力文:

インタビュー内容の「XXX」について、より詳細な説明を追加し、なぜそれが重要なのかを明確にしてください。

また、全体のバランスを見て、文字量の調整も行いました。冗長だと感じる箇所は、以下の質問をして要約しながらリライトを繰り返しました。

入力文:

専門用語を避けて、平易な言い回しで説明してください。XX文字以内で簡略化して表現してください。

【工夫6】最後に6つの観点で人力の総仕上げを行う
以下の観点で全体を校正・編集していきました。文章が堅苦しくなることでAIっぽさを感じさせてしまうため、言葉の表現をやわらげるなど工夫が必要です。

1. 正確さ:事実や数字が正しいか確認し、必要に応じて修正する
2. わかりやすさ:なるべく平易な言葉で説明する
3. 統一感:文章全体の雰囲気や言い方を揃える
4. 見やすさ:箇条書きを用いるなど、読者がすぐに理解できるようにする
5. 興味を引く内容:読者が興味を持ちそうな具体的な話を入れる
6. らしさ:会社やOさんの考え方や雰囲気を表現できているか確認する

また、「読者の方にぜひ読んでほしい」「Oさんらしさが表れる」ところは追加で説明を加えて、魅力を引き立てる工夫を行いました。


⑥完成!そして公開へ

【工夫7】公開前のチェックは複数名で(意外と見つかる誤字脱字)
校正、編集を終えたのでいよいよ公開🙌
公開前には誤字脱字がないかなど、複数名で最終チェックを行いました。校正や編集段階では気づかなかったミスも、公開前に気づくことがあります💦


まとめ

今回、AIを活用してインタビュー記事の原稿執筆を行ったことで、記事の内容検討により多くの時間を費やすことができ、全体的な質の向上につながりました。さらに、文章表現の面でも、AIが身近な相談相手のような感覚で相談できて、大変役立ちました。

ただし、場合によってAIの出力内容は粗く、かえってわかりにくい内容になることがあります。AIだけでは完結できず、最終的には人の手による編集が必要です。また、会社の特色やインタビュイーの個性を表現する繊細なニュアンスは、実際に関わる人の視点があってこそ、魅力的な内容に仕上がります。
AIの活用は確かに業務効率化に寄与できますが、先の参考記事でも触れられているように、すべてがAIに代替されるわけではないと感じています。

これからの広報活動で、 AIを味方につけてみるのも一つの選択肢かもしれません。ぜひ、ご自身の課題に合わせてAIの活用を探ってみてはいかがでしょうか。

画像:「AIを活用したインタビュー記事執筆の7つの工夫」まとめ。工夫1、記事テーマとポイントを整理&すり合わせる。
工夫2、プロンプトの作成にも事前の構成整理を活用する。
工夫3、セキュリティ面を考慮して話してもらう。
工夫4、タイムスタンプを活用し不明瞭な箇所は遡れるように。
工夫5、深掘り質問や要約指示で推敲を重ねる。
工夫6、最後に6つの観点で人力の総仕上げを行う。
工夫7、公開前チェックは複数名で(意外と見つかる誤字脱字)。




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