【若手社員が勝手に"イケてる企業のC.I.を切る"!~リライト編~】◆「第11回:株式会社 ふくや」
今日は 若手社員の私が、イケてる企業のC.I.を紹介します。
福岡の人が、誰もが愛している会社を紹介します。
第11回は、博多を代表する特産品"明太子を生み出したパイオニア”企業で、福岡では知らない人はいない「株式会社 ふくや」です。
ふくやの歴史は古く、創業は昭和23年(1948年)にまで遡ります。
「おいしいものは、必ず売れる」という想いを根底に、創業70年を迎え 年商146億円(2018年度)を上げる「辛子明太子」を柱に、近年では大手外食チェーンとのコラボ企画、海外市場への進出など、積極的に新たな挑戦をしている会社です。現社長の「川原 武浩氏」は、創業者である「川原 俊夫氏」の孫に当たります。
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先ず、「辛子明太子」とは、介党鱈(スケトウダラ)の卵巣を唐辛子などで漬け込んだものです。
その歴史を遡ってみると…
戦後の焼け野原だった福岡の「中洲」に1948年、創業である川原俊夫さん夫妻が開いた食料品店「ふくや」から、辛子明太子は誕生しました。
当時の福岡は、「天神」や「千代」辺りが賑わい、新しい中洲市場には あまり人が来ませんでした。時間を持て余す中、年末に仕入れで生のたらこが手に入り、戦時中 韓国で食べていた、たらこの唐辛子漬けである明卵漬(ミョンランジョ)を懐かしみ、料理好きの俊夫氏が作ってみることに。
そして開店から3ヶ月後の1949年1月、せっかくできたのだからと、それを販売したのです。これが辛子明太子の始まりです。
しかし 辛い物を食べ慣れない日本人の口には合わず、「辛すぎる」と発売 翌日にクレームが入り、ほとんど売れませんでした。それでも、めげることなく、持ち前の探求心で旨味や風味を残しながら辛みを抑える方法を研究し、唐辛子を微粉にしたりして、京都の香辛料メーカーに相談するほどのこだわりようで、改良を重ねました。
改良を続けると、口コミで徐々に評判が広がり、やがて店の前には行列ができるようになったのです。
そして 1975年、山陽新幹線の全線開通を機に「博多名物」として広まることになったのです。
明太子市場は今や、年間消費量 3万トン、売上高 約1,400億円規模の巨大市場となりました。
ふくやは、現在でも売上高146億、明太子業界内でNo.1のシェアを守り続けています。
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では、そんな歴史ある「ふくや」の「イケてるC.I.」の一部を紹介します。
【事業への想い/ふくやのこだわり】
「〇〇〇ひとすじ」の考え方
「おいしさ、味づくりの心、人の想い、お客様、博多」
【博多ひとすじ】*ひとすじの一部を紹介
「ずっと一緒に、もっと一緒に」
この街とあしたを見つめていたい。中洲に生まれ、博多に育てられたふくやだからこそ、博多への感謝の気持ちを忘れたくない。
そこでふくやは、博多と当社をつなぐさまざまな活動を展開しています。
創業者・川原俊夫が発案した「中洲まつり」をはじめ、「博多祇園山笠」や「博多どんたく」のほか多彩な文化・スポーツイベントをサポートしています。
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【若手なりの成長の理由分析】
それでは、若手なりの「ふくや」の成長理由を"3つ"の切り口で、挙げてみます。
◆一つ目.「特許なども取らず、寧ろ全てをオープンにし、辛子明太子自体を皆んなで成長させた点」
初代 川原社長は、太平洋戦争で、沖縄戦(宮古島)に参加し、運よく生き残り福岡に戻って来られました。
そこで その助かった「命」をこれからは、人の為、社会の為に使うという想いから、明太子の生みの親でありながら、明太子の「商標登録」も「製法特許」を取らずに皆が参入できるようにして明太子(約1,400億市場)を博多を代表する特産品に育てた点です。
しかし、基本的に何でも他社に教えていた初代の河原社長には"一つだけ"教えないものがありました。
それは、「味付け」です。所謂「決して同じ味の明太子は作らないでほしい」という想いです。これは、創意工夫をさせることでいろんな種類の辛子明太子が開発され、市場の活性化に繋べるという狙いがあったからです。
因みに、創業者の息子に何度も「元祖と書いてみては?」と言われたそうです。それでも、「元祖と書いて旨くなるわけではない」といって決して書かなかったという逸話もあります。常に味の研究をして、拡大していく市場の中で高い評価を受ければ良いという考え方だったといいます。
*この明太子の誕生秘話が、映画や舞台となり、企業ブランド効果は絶大だと思います。
*また 川原俊夫社長は、個人納税で過去 福岡県一位になられて亡くなられました。
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◆2つ目.「経営理念『強い会社、いい会社』がしっかり浸透している点」
「強い会社」とは、企業が健全で確実に利益を上げ発展するパワーを備えた会社という意味です。
「いい会社」とは、お客さんや社員を含めた全てのステークホルダーを大切にし社会貢献する会社という意味です。
中でも ふくやは、社員を大切にしている点です。会社に集う一人ひとりが、どんなステージに立った時でも自らの力で輝ける人間であってほしいという想いです。その例の一つに、従業員が学校や地域の役員、スポーツの指導者などになると、勤務時間中でも活動に行くことができ、なんと毎月1,000円~5,000円の手当てまで付きます。
*福岡では「あの会社(ふくや)は、いい会社やもんね!」と良く聞きます。
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◆3つ目.「『企業姿勢=アイデンティティ』が素敵な点」
それは社内での"合言葉"に現れています。
「ふくやの合言葉ABC」
◎A:当たり前のことを
◎B:バカみたいに
◎C:ちゃんとやる
「新合言葉ABC」
◎A.新しいことに
◎B.ビビらず
◎C.チャレンジする
*この合言葉は「老舗ブランド」の伝統を守りながら、新商品(tubu tube/めんたいツナかんかん等)や新業態(明太子の卸/ふくのや)も積極的に開発している点に現れています。
また、ふくやは「ネット通販」の先駆け的存在としても有名です。ふくやは、直営店舗にて地元九州での販売にこだわっています。それまでは福岡に行かないと買えなかった「ふくやの辛子明太子」が買えることが従来からの全国の固定客でも大きな話題となり、業績が一気に伸びました。
この時も、コールセンターシステムなどを隠すことなく、関心持つ人達を惜しげもなく視察を受け入れをしました。そして、後に通販事業が続々と福岡から立ち上がります。キューサイ、やずやなど皆さんが知っている通販企業は、実は福岡の企業です。
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◎と言うことで…
福岡で「ふくやさん」が尊敬される理由を、まざまざと感じることができました。
「ふくや」の今後の目標は、社会貢献費を年12億円にまで増やすことであり、そのためには売上高で400億円は必要になるとのことです。現在の売上高が146億円ですので、まだまだ遠い道のりですが、ぜひ実現してほしいです。
しかし 辛子明太子は、1世帯当たりの年間消費金額が、2002年では2,950円あったのが、2016年には1,860円と この15年で3分の2以下の63.1%に減少しています。
また、昨今の介党鱈(スケトウダラ)の漁獲量の激減や、日本に於ける お中元・お歳暮の習慣が薄れ、市場が縮小していることから、企業としての新業態の開発推進が急務だと思います。
また、今回の新型コロナウイルスの感染拡大で観光客や、ビジネス客が激減し、これからも影響は長引くとみて、家庭での消費を掘り起こす必要があると思います。(*勿論 推進されてる事も理解した上で…)
また、個人的に…
田舎にある私の実家が、そうであったように、中高年齢層視点では「明太子は塩分が高く、食べ過ぎは体に良くない」という印象がある気がしますので、健康志向の商品開発の方向性もあると感じました。
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◎最後にC.I.について、若手なりに一言いわせて頂くと…
想いが強く、考え方も素敵ですが、WEBサイト中に、はっきりとしたC.I.の記載が無い為、先ずは WEBサイト内で、はっきりと打ち出した方が、より魅力が伝わり易いと感じました。
その上で…
日本人の食のあり方も代わり、このような世の中だからこそ、守るものと変化するものをはっきりと言語化し、C.I.を再整備することも必要だと思いました。勿論 簡単な事ではないと 重々 承知しておりますが。。。
出来れば、コンカンが提唱するC.I.と、御社のC.I.を一度照らし合わせて頂けると有り難いです。
*concanが考えるC.I.とは?
https://note.com/concan/n/na7ac8d954990
生意気 言って、すみませんでした。。。
世界に向けて「Made in HAKATA」ブランドを創り上げて頂きたいと思います。
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