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Difyの実務活用から考える、これからのAI人材に求められるスキルとは
はじめに
先日、Dify Meetupにて「Difyの実務活用から考える、これからのAI人材に求められるスキルとは」というタイトルで登壇させていただきました。
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せっかくなので発表内容を抜粋して共有させていただきます。
Difyとは?
まず簡単にDifyについておさらいです。Difyは、対話型AIを中心としたアプリケーションをノーコード(あるいはローコード)で構築できるプラットフォームです。データを取り込み、AIモデルを呼び出し、結果を活用するまでのワークフローを可視化できるため、「業務×AI」の実装スピードを加速させることができます。
業務の解像度を高くする
なぜ「業務の解像度」が重要なのか
Difyを使って業務を自動化する際、最初に重要となるのが「業務をどこまで具体的に言語化できるか」という点です。
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たとえば広告データのモニタリングを例にとると、
広告データダウンロード
指標計算
仮説構築と検証
レポート化、クライアントへの送付
といった一連のタスクに分解できます。
一見シンプルに見えますが、それぞれのステップで細かな判断・処理の基準が存在します。こうした判断基準(例えば「想定と大きく乖離している数値をどのようにチェックするか」など)を把握しておくことで、Dify上に実装する際により正確に自動化が進められます。
業務のワークフロー化
可視化からアプリケーション化へ
Difyには、業務のステップをドラッグ&ドロップで表現できる「ワークフロー」機能があります。
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このワークフローを組む際に必要なのが業務ステップの棚卸し。自分(あるいはチーム)が行っている業務をどこまで細かく分解し、それぞれのステップを何のツール・何のアルゴリズムで処理し、どのような判断ロジックが介在するのかを明確にすることで、Dify上での実装がスムーズになります。
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暗黙知の形式知化とは?
暗黙知と形式知
形式知:言語化されている知識やスキル(マニュアル、手順書、コード化されたノウハウなど)
暗黙知:頭の中だけにあり、言語化や共有が十分に行われていない知識やスキル
Difyで実装できるのは主に形式知の部分です。暗黙知として人が判断している部分は、そのままではAIやワークフローに落とし込むことができません。そこで、優れた人材が持つ業務ノウハウを言語化=形式知化してDifyに落とし込む必要があります。
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たとえば「この数値がある一定以上に乖離したらどうアラートを出すか」「そのアラートが出たとき、どのような追加データをチェックしに行くか」といった判断の基準は、暗黙知を形式知化することで初めてDifyのフローに実装できます。
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Dify活用人材のスキルの定義
Difyを活用していくためには以下のスキルが重要だと考えています。
1. Difyスキル
Difyの長所・短所の理解
どんなユースケースに向いているかの知識
ワークフローを構築する技術
2. 業務の言語化スキル
業務課題の特定
業務の可視化
暗黙知の形式知化
この二つがマッチングする部分こそ、Difyを使いこなしながら業務を改善していくために必要な領域です。
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「Difyを使える人が業務を理解する」
「業務を理解している人がDifyを理解する」
いずれのパターンでも構いませんが、双方の視点を掛け合わせることで初めて効果的なアプリケーションが生まれます。
業務の優先度づけ
AIで置き換えたい業務の見極め方
スライドでは、「AIの得意分野×不得意分野」「作業時間の多い×少ない」のマトリクスで示しました。ルーティン化され、かつ作業時間が多い業務は優先度が高いと言えます。一方で、AIが苦手とする創造的な判断や対人コミュニケーションが主となる業務は、置き換えの優先度は低いかもしれません。
効率化のインパクトが大きい業務から
まずは、ルーティンかつ工数の大きい業務を洗い出し、それらをDifyで自動化するところから始めるとよいでしょう。そこから徐々に高度な分岐や分析ロジックを取り入れ、暗黙知の形式知化を進めていくことで、現場にフィットしたAI活用が実現できます。
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業務の可視化から始める
例:分析資料作成業務
具体例として、分析資料を作成する業務を考えてみます。社内ツールからデータを取得し(Data Pull)、それを整形し、AIにかけて分析し、結果をWordなどの資料にまとめる。こうしたプロセスを細かく洗い出し、それぞれの工程をDifyのワークフローへ落とし込みます。
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社内ツールからデータを取得(Data Pull)
データ整形
プロンプト入力(仮説・切り口の設定)
分析(AIの活用)
プロンプト入力(追加の切り口や深堀り)
改善案の書き出し
Wordなどへの資料化
「いつ」「どのような観点で」「どういうタイミングで」人が介在するのかを可視化し、AIに任せる部分と人が判断すべき部分を切り分けることがポイントです。
まとめ
今回の発表では、「業務を細かく言語化(可視化)し、Difyで実装する」という流れをベースに、以下の点を強調しました。
業務の解像度を高める
タスクを細分化し、暗黙知も含めて判断基準を言語化する。
ワークフロー化で可視化し、実際に動くアプリへ落とし込む
Difyを使って、業務フローをビジュアルに組み上げ、実際に自動化・分析を実行する。
暗黙知の形式知化が鍵
人間の持つノウハウをDifyに落とし込むためには、どこまで言語化・ルール化できるかが重要。
Difyスキル × 業務の言語化スキル
どちらか片方だけではなく、両方を兼ね備えた人材やチームづくりが必要。
優先度の高い業務から着手
AIが得意とする領域かつ作業時間が膨大な業務をピックアップし、インパクトの大きい効率化を実現する。
DifyやAIツールはあくまで手段であり、実際に活用するためには業務そのものを熟知し、どこにどう適用していくべきかを考えられる人材が不可欠です。Difyのようなプラットフォームの進化によって、今後ますます「業務×AI」の組み合わせは増えていくでしょう。ぜひ皆さんも、自身の業務を振り返ってみて、「どこをDifyで置き換えられるのか?」を探ってみてください。
株式会社Omlucでは、法人向けにDify導入支援のパッケージを提供しております。自社業務への適用や詳細な活用方法について、ぜひお気軽にご相談ください。