月は語る。
●9月10日は”中秋の名月”
この投稿を終えた頃には、もう『おととい』だろうか。
昨日は”中秋の名月”。幸い、満月を迎える頃の空はとても澄んでいて、その輪郭はくっきりと明るく夜空に輝いていた。
満月といえば、「願い事」。
からのお財布を月明かりに照らしてフリフリするとお金が貯まるとか、叶った前提で願い事を紙に書き出すと叶う、とか、月明かりを浴びると浄化されるとか。
自身も満月が近づくと心身共に不調を来したり、感情の波が止まらなくなったりに心当たりがあるため、特に「パワーが強い」とされる満月の夜の過ごし方については気をつけたいと思っている一人だ。
その日は朝から、「特大の浄化がやってくる」予感がしていた。
●始まった”浄化”
私の中で”浄化”とは「心の膿みが強制的に洗い流される」という感覚で、特に感情を大きく揺さぶられるような悪いことの方が起こりやすいと認識している。
果たしてそれは、本当にやってきた。
とにかく私のことが何をやっても気に入らない客だ。
毎回ひたすら辛辣な言葉を投げつけ、嫌味ったらしいじとっとしたオーラで嵐を巻き起こす、私にとっては信じられない人種。
ご要望にお応えできないことは非常に申しわけないのだが、これほどまではっきりと「人間性に難あり」の人物には久しぶりに出会った。
その日も例外なく特大の「嫌味」を繰り出し、どこからくるのかわからない謎の自信に溢れた自画自賛のオンパレード。そもそも格下と思ってるならわざわざ相手にするまでもないだろう私に対する謎のマウント。
会うたびにこれなので正直ここ最近は精神的にすり減って行くのを実感として感じ始めていた、それが帰り道でブワッと溢れてきた。
早く居心地のいい我が家に帰りたい気持ちと、自宅までこの気持ちを持ち帰りたくない気持ちで混乱し、途中のコンビニで立ち止まり、そっと空を見上げた。
●満月に願う。
空をこれでもかと明るく照らす月は、泣きそうな私の目には眩しかった。
心の中で「私が悪いにしてもあれは言い過ぎ」「わざわざ口にするそのマインドが嫌い」「二度と会いたくない」など、その他ここには書けない黒い言葉や思いが溢れてくる。
過去の経験上、こういう時に無理やりポジティブな言葉や考え方に置き換えるのは精神状態を悪化させるので私には向いていない。月光を浴びながら心がしゃべるままに黒い言葉を吐き出し続けた。
そして月に願った。
「わざわざよく知りもしない人を傷つけるような言い方をするような人との縁が切れますように。」
●月は語る
感情の波が過ぎ去ったのを感じ、ようやく帰路についた。
・・・こんなことを書いたら、おかしいかも、いや、もうすでにこの記事の内容自体が胡散臭いので今更だが、すごく正直に書くと、もう折り返しに差し掛かった40代、この先の人生こういう人物と関わったり「勝った」「負けた」「上」「下」みたいな偏った価値観に関わって心身をすり減らすのは本意ではない、自分の人生を、こんなモヤモヤした気持ちで送りたくないと強く思った時、突然胸の中に言葉が落ちてきた。
すでにこの日の”仕事”は終わっている。
この後、この出来事を何度も思い出してうじうじと傷つき続けるか、自分の好きなことや気持ちいいと感じることに気持ちを傾けて今日1日をいい気分で終えるか。そこは相手には選ぶことも、強制することもできないではないか。
相手がどんなに強い支配欲を持っていようが、優位に立っているつもりでいようが人を見ては「勝った負けた上だ下だ」と思っていようが、所詮あなたの心まで支配することはできないのだ。
満月がそれを教えてくれた、そう思った。
●電車に揺られて・・・
窓から見える満月に感謝しながら復路に着く。
この日は朝も夜も、最寄り駅までは彼の送り迎えと決まっていた。
普段から激務であることや、最近”働き方”そのものに疑問を抱く私を静かにサポートしてくれる彼は、この日も口数は少なく、後方の私を気にしながらゆっくりと家路へとバイクを走らせた。
秋の始まりを告げる涼しい風と、自分を受け入れてくれる存在、居心地の良い我が家と琵琶湖のある「私の街」が月明かりに照らされ優しく迎え入れてくれる。
小さな幸せを感じながら、自分の本当の望みと生き方を必ず見つけると心に誓った。
最後に・・・
例の客は「はっきりものを言うことで後腐れがないようにしたい」と思っているのかも?と思しきセリフを言い残して去っていったので、心底性格上に難があるわけではなく、実は悪役になり切れない弱虫さんなのかも、と思ったことは付け加えておく。
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