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みちのく津軽ジャーニーラン142(ショート) 2023.07.16~17
■プロローグ
7月16日~17日にかけて青森県津軽半島をめぐる「みちのく津軽ジャーニーラン142」に初参戦してきました。この大会は津軽半島の先端の龍飛岬を回る263キロ(ロング)と津軽半島を半分くらい回る142キロ(ショート)の2つのカテゴリーがあります。私が参加するのは、その142キロ(ショート)の方です。北海道に向かって突き出した龍飛岬には行ってみたいけれど、さすがに263キロはハードルが高いです。
この大会へは初参加ですが、津軽の地に足を踏み入れたのはこれが2度目のことです。いつ頃のことか記憶も定かではありませんが、初回は父の運転する車で東北のあちこちを巡る旅の途中でこの弘前に立ち寄った記憶がかすかにあります。たぶんまだ小学生だったのかもしれません。弘前城に寄った事とか、そのあと当時はまだ舗装のされていない悪路を延々と走り続けて、その先の鰺ヶ沢の美しい海に出会った時の感動とかが、記憶に残っています。
ざっと半世紀以上の時を経て、再びこの津軽の地に降り立ちました。新青森までの新幹線の旅はあっという間のことですが、そこから小一時間の奥羽本線の旅は旅情を掻き立てられます。142キロ(ショート)の部のスタート時間は、16日(日)の15:00です。朝千葉の自宅を出発しても、昼前にはスタート地点の「さくら野百貨店」に到着できました。
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■スタートから津軽中里駅CP(83.0㎞)まで
スタートして弘前城の中を通り抜け、弘前市街を抜けてからは、岩木山の裾野を巡って第1CP(23.3㎞)のある嶽温泉までは登り基調です。ここを超えるとじきに日が暮れます。ヘッドライトを装着して小雨の中を日本海に面した鰺ヶ沢の第2CP(49.7㎞)を目指します。嶽温泉からはずっと下りになるのかと思っていたらそうでも無くて、その後もしつこくアップダウンを繰り返します。この間30キロ近くの真っ暗な道にはコンビニはもちろん、自販機も全く無い区間で、黙々とヘッドライトの照らす路面だけをみながら前に進みます。15:00にスタートして第2CPの関門が23:00なので約50キロを8時間の設定です。嶽温泉をこえるアップダウンを考えると、私にとってはこの関門をまずは超えることが重要です。ここで関門アウトしてはどうにもなりません。ここは頑張りどころです。
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開会式と説明会のあと15:00にスタートします。
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鯵ヶ沢の第1CPにはなんとか22:33分に到着。まずは関門をクリア出来てほっとします。鰺ヶ沢からは、明るければ綺麗な日本海が望めるのだろうけれど、真夜中で何も見えません。ここからは半島の先の龍飛崎方面に進みます。時折霧雨の降る中を、次の津軽中里駅CP(83.3㎞)を目指します。ここからは関門にも余裕があるので、路面の悪い夜間走は「無理をしない」をモットーに真夜中の道を黙々と先へ進みます。
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津軽中里駅CP(83.3㎞)には、早朝6:00頃に到着しました。関門は8:00なのでかなり余裕が出来ました。ここからゴールまでは60キロありますが、時間はまだ14時間あるので、全部歩いても完走出来ると言うゾーンに入りました。ここで完走を確信します。
■津軽中里駅CP(83.3㎞)から黒石駅前最終CP(130.7㎞)まで
津軽中里CPからは、ロングを走る人たちと合流します。私のつけているショート組のナンバーカードはグリーン。ロング組は水色です。水色のゼッケンで走る人たちは、もう既に200キロくらいを走っているわけで、夜も2回超えているのだから、まだコース上にいるだけで尊敬の念が湧いてきます。
しかし完走は確信したものの、ここからの60キロはなかなか厳しいものになりました。夜中はまだ緊張感もあって眠くはならなかったのに、夜が明けて淡々と歩いていると一気に睡魔が襲います。なんとかこらえながら前には進むけれどペースは上がらず、なかなか残りの距離が減りません。気温も朝になってぐんぐん上がり、たちまち灼熱地獄。特に金木町CPから藤崎CPまで約30キロ続く田んぼの中を直線的に延びる国道沿いの道は、景色が変わらず単調で辛いところです。途中コンビニで何度も休憩しながらの、我慢の区間です。これが津軽の直線地獄なのですね。
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そんな旅の途中で異変を感じたのは100キロを過ぎた辺りでした。なんだか左に足を取られるような感覚です。実はこの辺りから、体が左に傾くようになっていたのです。この現象は1年前に東京湾1週のジャーニーランをしていた時に感じたものと同じでした。最初はもしかしたら傾いているのかなと言う程度でしたが、121キロの藤崎CPにつく頃には、かなり傾きが強くなって来て、もう走ることが出来ません。疲れていてというのではなく、うまくバランスが取れない感覚です。何度も立ち留まりながら最終の黒石駅前最終CP(130.7㎞)に到着したのは17:33でした。
黒石駅エイドからゴールまでは僅かに11.3キロ。到着時には2時間20分以上時間が残っていたので、普通に考えたらゴールは出来るのでしょうが、もうキロ12分を維持することも難しくなっていたので、ここでリタイアを決断しました。 前日の15:00にスタートして、131キロ、26時間33分の旅でした。思いもよらない形での終了はとても残念ですが、なぜそうなってしまうのか、原因をしっかり究明して次回はしっかりフィニッシュしたいと思います。
■エピローグ
ウルトラマラソンの遠征は、大会のコースそのものも旅ですが、その前後にも旅の楽しみがあります。今回はゆっくり観光する時間はあまり無かったけれど、それでも移動そのものが楽しい旅の時間でした。久しぶりに訪れた津軽地方は、とても良いところでした。現存する12の天守閣のうちの一つである弘前城の天守閣にも、ゆっくり行ってみたいと思っています。それに、宿題を残してしまったので、また来年ここを訪れる理由が出来ました。
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良く見ると、王林、トキ、ふじ、きおうなど、種類別のジュースがそろっています。
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