H25(2013)_Ⅱ_2_3(夏季の高密度配筋部打設時の初期欠陥防止)

注意事項

・答案例の文字数は技術士解答用紙の文字制限を満足しています。
・答案例は,既往の技術図書等や過去に私自身がA判定を頂いた記載例を参考に記載していますが,仮に同じ問題が出た場合に,本答案例をそのまま記載した場合においても、A判定を確約するものではありません。あくまで参考としてください。本コンテンツ使用に伴い損害が発生した場合においても,一切の責任は負いかねます。
・可能な限り公表されている技術図書や記載している参考文献先を確認しながら書いていますが,記載の内容に技術的観点からの誤り等がありましたらご連絡下さい。事実確認後,必要に応じて返金対応等致します。
・より優れた記載内容等がありましたら,補足等に追記していきたいので,有意義なご連絡お待ちしています。
・無断での複写、転載を禁じます。

問題

Ⅱ-2-3 社会資本であるコンクリート構造物の長寿命化を図るためには,施工時の初期欠陥を防止することが極めて重要である。夏季は施工時の初期欠陥が起こりやすく,特に注意が必要である。こうした状況において,夏季に,高密度配筋となる柱とはりの接合部の施工を行うこととなった。この業務を担当して,コンクリートの製造・運搬,打込み・締固めを行うにあたり,施工時の初期欠陥を防止することを念頭にして,下記の内容について記述せよ。
(1)計画段階で確認すべき事項
(2)業務を進める手順
(3)以下のうち,いずれかの業務を進める際に留意すべき事項
「コンクリートの製造・運搬」,あるいは,「打込み・締固め」

参考文献

『初期欠陥,夏季に関する事項』
・土木学会:コンクリート標準示方書「施工編」2017年制定 P169 暑中コンクリート
『高密度配筋に関する事項』
・土木学会:コンクリートライブラリー126 施工性能に基づくコンクリートの配合設計・施工指針(案)P146 7.3.8 留意すべき部位(接合部)

ポイント!

 問題文に,初期欠陥防止,夏季,高密度配筋というキーワード出ていますので,それぞれに対して記載する必要があるかと思います。
 夏季の初期欠陥といえば,乾燥収縮ひび割れ,コールドジョイント,高密度配筋部の初期欠陥といえばジャンカ等の充填不良が挙げられます。
 これらの初期欠陥を防止するための検討事項,留意点を述べる必要があります。本問題では,(3)で「コンクリートの製造・運搬」,あるいは,「打込み・締固め」と選択できますので,選択していない方は,(2)手順の説明時に少し留意点を記載すると幅広い知識を示すことができるかと思います。
 上記の参考文献に,キーワードに関することが細かく記載されていますので是非ご確認下さい。文章化が手間な方は,下に示す参考文献を基にした骨子に納得頂ければご購入ご検討頂ければと思います。

骨子


(1)計画段階で検討すべき事項
防止すべき初期欠陥に関する事項:高密度配筋部の充填不良,夏季打設でコンクリートの凝結が早いためコールドジョイントを防止する
柱はり接合部高密度配筋部に関する事項:柱はり寸法,配筋,締固め作業高さ,バイブレーター挿入位置,ホース投入口
夏季打設に関する事項:工場からの運搬方法,運搬距離,材料貯蔵方法からうち重ね時間,練り上がり温度
(2)業務を進める手順
①机上調査,②現地調査で(1)の内容把握,キーワードに配慮した③配合計画,④製造計画,⑤コンクリート工の計画(運搬,打込み,締固め,仕上げ,養生)⑥施工
※(3)で打ち込み,締固めを選択するため,製造は材料のプレクーリングで温度への配慮,運搬はドラムにカバーを設ける等少し踏み込んで記載する。
(3)業務を進める上での留意点
打込み:急激な凝結防止のための事前散水(一般事項),練り混ぜ開始から打ち終わりまで1.5時間以内,うち重ね時間2時間以内(コールドジョイント防止),落下高さ,1層高さ(充填不良防止)
締固め:過密配筋部での細径バイブレーターの容易(充填不良防止),うち重ね時の下層コンの再振動(コールドジョイント防止)

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