H27(2015)_Ⅱ_2_4(剥離剥落箇所の維持管理)
注意事項
・答案例の文字数は技術士解答用紙の文字制限を満足しています。
・答案例は,既往の技術図書等や過去に私自身がA判定を頂いた記載例を参考に記載していますが,仮に同じ問題が出た場合に,本答案例をそのまま記載した場合においても、A判定を確約するものではありません。あくまで参考としてください。本コンテンツ使用に伴い損害が発生した場合においても,一切の責任は負いかねます。
・可能な限り公表されている技術図書や記載している参考文献先を確認しながら書いていますが,記載の内容に技術的観点からの誤り等がありましたらご連絡下さい。事実確認後,必要に応じて返金対応等致します。
・より優れた記載内容等がありましたら,補足等に追記していきたいので,有意義なご連絡お待ちしています。
・無断での複写、転載を禁じます。
問題
Ⅱ-2-4 経年劣化によるかぶりコンクリートの剥離・剥落で鉄筋が露出したコンクリート構造物において,補修対策を行うものとして,以下の問いに答えよ。
(1)剥離・剥落の原因として考えられるものを2つ挙げ,それぞれについて原因の特定と補修対策を行うために調査すべき内容を記述せよ。
(2)調査から対策実施までの業務手順とその内容を記述せよ。
(3)業務を進める際に留意すべき事項を記述せよ。
参考文献
・土木学会:コンクリート標準示方書「維持管理編」
P107 2章 中性化
P131 3章 塩害
ポイント!
技術士頻出の維持管理の問題です。維持管理の業務手順については,別記事答案作成分析③コンクリート標準示方書「維持管理編」に基づく維持管理の手順にもポイントを記載していますので確認頂ければと思います。
維持管理の問題のポイントは,近年土木学会では「水」の処理について特に注視しています。(2018年制定のコンクリート標準示方書「維持管理編」にも水がかりの区分が新設されていますね。)そのため,水がかりに関するコメントは記載したほうがよいかと思います。
ここでは,劣化要因として中性化と塩害を取り上げますが,各劣化要因に応じた調査項目や,維持管理の手順は,上記参考文献に細かく記載されていますので是非ご確認下さい。参考文献を基にした骨子も記載してみましたので是非確認頂ければと思います。文章化が手間な方は,下記骨子に納得頂ければご購入ご検討頂ければと思います。
骨子
(1)剥離・剥落の原因と調査すべき内容
原因:中性化,塩害
原因の特定のための調査すべき内容
共通事項:水がかり,かぶり,水セメント比,経年
中性化:中性化深さ
塩害:離岸距離,凍結防止剤の有無.塩化物イオン濃度,除塩不足骨材の使用の有無
補修対策を行うために調査すべき内容
共通:剥離剥落浮きの範囲,鉄筋腐食を生じている範囲,水切り等の排水設備の状況
(2)調査から対策実施までの業務手順とその内容
①机上調査,②目視打音調査,③詳細調査,④劣化要因の推定,⑤劣化予測,⑥性能の評価,⑦補修工法の選定,⑧施工
①,②で(1)の項目と,施工時,施工後の第三社影響,③コアを採取し中性化深さ,電位差滴定で塩化物イオン濃度,自然電位で腐食範囲,④①~③のデータで実施,周辺構造物の劣化状況も参考にする,⑤√t則や拡散方程式による予測,⑥,⑦残存予定供用期間に目標とする性能が満足できるよう工法,補修範囲選定,⑧排水不良は併せて対処
(3)留意事項
①劣化要因の推定:複合劣化に留意,劣化予測を安全側に設定
②劣化予測:ひび割れ部は拡散係数,中性化速度ともに早いことに留意
③補修工法選定:補修範囲は,マクロセル腐食に留意,補修後の予防保全として表面保護,電気化学工法も検討
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