H30(2018)_Ⅱ_2_3(現場打ちorプレキャスト化による工程短縮)

注意事項


・答案例の文字数は技術士解答用紙の文字制限を満足しています。
・答案例は,既往の技術図書等や過去に私自身がA判定を頂いた記載例を参考に記載していますが,仮に同じ問題が出た場合に,本答案例をそのまま記載した場合においても、A判定を確約するものではありません。あくまで参考としてください。本コンテンツ使用に伴い損害が発生した場合においても,一切の責任は負いかねます。
・可能な限り公表されている技術図書や記載している参考文献先を確認しながら書いていますが,記載の内容に技術的観点からの誤り等がありましたらご連絡下さい。事実確認後,必要に応じて返金対応等致します。
・より優れた記載内容等がありましたら,補足等に追記していきたいので,有意義なご連絡お待ちしています。
・無断での複写、転載を禁じます。
※H26_Ⅱ_2_4(プレキャスト化の検討)と一部内容が重複しますのでご注意下さい

問題


Ⅱ-2-3 コンクリート構造物について,工期短縮を目的とする検討業務を行うことになった。あなたが担当責任者として業務を進めるに当たり,下記の内容について記述せよ。
(1)現場打ち施工による工期短縮案及びプレキャスト化による工期短縮案を提案する上で必要とされる検討内容をそれぞれ述べよ。
(2)現場打ち施工による工程短縮案又は,プレキャスト化による工期短縮案のうち1つを選び,その検討業務を進める手順について述べよ。
(3)(2)で述べた検討業務を進めるに当たって,設計上及び施工上の留意事項をそれぞれ述べよ。

参考文献

「プレキャストに関する事項」
・土木学会:コンクリートライブラリー158 プレキャストコンクリートを
用いた構造物の構造計画・設計・製造・施工・維持管理指針(案)
「場所打ちに関する事項」
・土木学会:コンクリートライブラリー148 コンクリート構造物における品質を確保した生産性向上に関する提案


ポイント!


 場所打ちを採用した場合,プレキャストを採用した場合の工期短縮ですので,それぞれの方法を採用した場合に,どうすれば生産性(日当たりの作業を増やせるか)を高められるか検討すればよいかと思います。
 そのため,場所打ちであれば配筋の効率化による日当たり作業増加,プレキャストであれば部材規格や寸法の統一化で製造,施工を効率化し各工程を短縮といった方向になるかと思います。
 現場打ちの生産性向上については,コンクリートライブラリー148 コンクリート構造物における品質を確保した生産性向上に関する提案日建連の現場打ちコンクリートの生産性向上の提案(WEB上にあります)にその方法が多く記載されています。
 プレキャスト化の検討については,別記事答案作成分析②コンクリートライブラリー158に基づくプレキャストコンクリート採用時の検討項目にもポイントをまとめていますのでご確認下さい。
 文章化が手間な方は,下に示す参考文献を基にした骨子に納得頂ければご購入ご検討頂ければと思います。

骨子

(1)工程短縮案を提案する上での検討内容
現場打ちの場合
①コンクリート工の省力化:高流動コンで省力化し,日当たりの打設数量の増加
②配筋作業の効率化:天候に左右されない機械式継手,熟練技能が不要な機械式定着で日当たりの配筋作業量増加
プレキャストの場合
①部材の規格,寸法の統一化:統一化による製造,施工の効率化
②工場選定:Pca工場の保管や供給能力や工場からの運搬経路によっては,部材の大きさや運搬効率の関係から施工効率が悪い可能性があることに配慮して選定
(2)プレキャスト化の工程短縮の業務手順
①机上調査,②現場調査で(1)を検討,現場調査時は施工ヤードの制約(重機等)把握,③設計(Pca部材の形状寸法の決定,接合部の設計,完成時の設計),④施工(Pca製造工程を踏まえて現場作業工程を設定)
(3)ー1設計時の留意点
・接合部の取り扱い(一般部と一体とするか否か)
・Pca部材の架設.,組み立て時といった完成時と異なる応力状態への配慮
(3)―2施工時の留意点
・接合面の品質確保
・Pca部材の蒸気養生時のDEFへの配慮
・Pca部材はセメント量大のため,アルコツに配慮

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