H30(2018)_Ⅱ_2_4(軽量骨材コンの高所打設)
注意事項
・答案例の文字数は技術士解答用紙の文字制限を満足しています。
・答案例は,既往の技術図書等や過去に私自身がA判定を頂いた記載例を参考に記載していますが,仮に同じ問題が出た場合に,本答案例をそのまま記載した場合においても、A判定を確約するものではありません。あくまで参考としてください。本コンテンツ使用に伴い損害が発生した場合においても,一切の責任は負いかねます。
・可能な限り公表されている技術図書や記載している参考文献先を確認しながら書いていますが,記載の内容に技術的観点からの誤り等がありましたらご連絡下さい。事実確認後,必要に応じて返金対応等致します。
・より優れた記載内容等がありましたら,補足等に追記していきたいので,有意義なご連絡お待ちしています。
・無断での複写、転載を禁じます。
問題
Ⅱ-2-4 単位容積質量が1900kg/m3の軽量コンクリート1種(又は軽量骨材コンクリート1種)を,コンクリートポンプにて高所に圧送して床版を施工することになった。あなたが工事の担当責任者として業務を進めるに当たり,下記の内容について記述せよ。
(1)情報収集,調査,確認すべき事項
(2)業務を進める手順
(3)業務を進める上での留意点
参考文献
『軽量コンクリート(軽量骨材コンクリート)に関する事項』
・土木学会:コンクリート標準示方書「施工編」2017年制定 P372 軽量骨材コンクリート
『床版に関する事項』
・土木学会:コンクリートライブラリー126 施工性能に基づくコンクリートの配合設計・施工指針 P126 7章 施工 7.2 スラブ部材
『高所への圧送に関する事項』
・土木学会:コンクリートライブラリー コンクリートのポンプ施工指針 P31 スランプ,5.5 特殊コンクリートの圧送 5.6 特殊な条件下の圧送(高所への圧送)
ポイント!
問題文に,軽量コンクリート,高所圧送,床版というキーワード出ていますので,それぞれに対して記載する必要があるかと思います。コンクリート標準示方書「施工編」では,軽量骨材1種と2種の規定はありますが,その違いにより施工時の留意点等が異なることの記載がありませんので,1種であることに対してのコメントは特段必要ないと考えられます。
軽量骨材は,ポーラスであるため,吸水率が大きいこと,それに起因して耐凍害性に劣ることや,施工時の吸水により圧送性が低下することが特徴です。また,生成過程の関係上,アルコツに留意する必要があることも特徴に挙げられます。
また,高所圧送なので,スランプロスの設定や,部材が床版なので,面的に広く打設するためうち重ね時間や,養生に留意する必要があります。
上記の参考文献に,キーワードに関することが細かく記載されていますので是非ご確認下さい。文章化が手間な方は,下に示す参考文献を基にした骨子に納得頂ければご購入ご検討頂ければと思います。
骨子
(1)情報収集,調査,確認すべき事項
軽量骨材に関する事項:軽量コン製造可能工場の調査,軽量骨材の品質,管理状況,施工箇所の凍害の有無
高所圧送に関する事項:工場からの運搬方法,距離,施工箇所でのポンプ車配置位置からの圧送距離,高所までの鉛直圧送距離
床版に関する事項:床版高さ,平面的広さ
(2)業務を進める手順
①机上調査,②現地調査で(1)の内容把握,キーワードに配慮した③配合計画,④製造計画,⑤コンクリート工の計画(運搬,打込み,締固め,仕上げ,養生)⑥施工
(3)業務を進める上での留意点
軽量骨材に関する事項:軽量骨材の品質として,アルカリシリカ反応の有無,凍害を受ける場合の対応,骨材の貯蔵方法の管理(吸水率の安定化)
高所への圧送に関する事項:圧送距離に応じたスランプロス設定,圧送負荷に配慮したポンプ車選定,吸水率に起因する閉塞防止(プレウェッティング)
床版に関する事項:軽量骨材を床版等面的に広い部材に打設した場合の亀甲ひび割れ抑制対策
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