結婚してからみるレミゼ
劇場で13年前の映画レ・ミゼラブルがデジタルリマスター版で再上映されている。帝国劇場のミュージカルは何度も見ているけれど、映画版は今回初めてみた。この先ざっくりあらすじを書くので、読みたくない人は回れ右でお願いします。
主役のジャンバルジャンは、孤児になったコゼットを引き取り育て上げるが、コゼットは革命のために戦う青年マリウスと恋仲になる。ジャンバルジャンは、「宝物が奪われる」と初めは思うものの、革命で死の危険が迫るマリウスや生い先短い自分の状況を前に、「彼を家に帰して」と歌う。革命で死にかけたマリウスを救い、コゼットとの結婚の許可をして、コゼットを守るためマリウスにコゼットを託して、遠くへ旅にでる。
舞台版より、映画版の方が、ジャンバルジャンの心の動きを丁寧に扱ったような感じがして、少ししんみりした。私の父もこのように思うのだろうかと。最近父が体調を崩したこともあり、ちゃんとした人と結婚して、安心させられただろうかなんて思った。
私は、人の結婚式を見る度に、バージンロードで、新婦が父親と歩いてきて、新郎にエスコート交代する演出がどうしても腑に落ちず、自分は絶対にやりたくないと思っていた。父親の庇護下から、夫の庇護下に移るような感じがして、いやいや私庇護下でなくても生きていけるしという気持ちが出てしまう。なんというかあくまでも、「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、あなたと結婚したいのです」のスタンスだからと。(子育て証明書とかもやなんだよな。感謝はするけど、子育て終了の区切りをつけるのであれば自立の時であって、結婚ではないという認識なので。)
しかし、まあレ・ミゼラブルの時代は、本当に男性の庇護下にないと、女性はどんどん落ちて行ってしまう時代なので、今とは違うけれど、ジャンバルジャンを見てると、コゼットを育てることで愛を知った一方、安全安心に育てるためにずっと気も張っていて、マリウスに託すことでその荷を下ろせるんだよね。
それを考えると、父のためにバージンロードやってもいいかなという気もしてくる。荷を下ろしてねと。
まあ私としては、就職して、一人暮らしをした時点で、子育てとしては荷を下ろせると思うのだけど、やっぱり結婚してみて人と協力して暮らしていけるのはいいものだなと思うので、親としては子供が結婚して一人ではなくなることに安心するものな気もする。