【たった一文、されど】2024/12/20
2、3ヶ月前。ふと「小説の冒頭一文をメモしてみよう」と思い立ち、誰もが知っている小説を数冊取り出し、書いたことがありました。雑に書いただけのその付箋の一文は、どれも魅力的でその後の物語の特徴を感じさせるものでした。
小説の書き出しの大事さはもちろん私が語るまでもありませんが、あらためてたった一文、ほんの数十文字が描き出す世界の奥深さを感じた瞬間でした。インスタでも、noteでも、何の気なしにも見始めたものが気づいたら最後まで一気読みしてしまってる魅力的な投稿に出会う時があります。小説やエッセイでもそう。そしてそれは有名無名は問いません。言い回しの好みやテーマにも左右されるから、そんな出会いには根気やタイミングも必要。
本は出会いです。言葉の巧みさ美しさ、自分が潜在的に今欲していたテーマ。そんな本と出会えたとき、本に感謝し、手に取った自分を褒め、心の中の自分だけの本棚にそれを並べます。そんな出会いに導いてくれる冒頭の一文。ぺらり表紙をめくる瞬間がいつも楽しみです。
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