アメリカ大統領選挙とディズニーリゾート
「ディズニーリゾートでトランプがはしゃぐ姿を描いて」
月額30ドルで契約しているOpenAI「ChatGPT」には画像生成を断られた。
ところが、X「Grok」は数秒で画像生成してくれた。ありがとう。
絵のとおり、最近とても気になることが2つある。開票が始まった「アメリカ大統領選挙2024」と、値上がりを続ける「ディズニーリゾート」だ。
XとGrokを所有するイーロン・マスクは、共和党のトランプ支持を打ち出し、言論の自由と銃所持の権利への支持を表明した有権者1人に毎日100万ドル(約1億5000万円)を配ると宣言し、大騒ぎとなった。
EV支援策に反対しているトランプを、テスラを率いるマスクがなぜ支援する不思議な関係。その理由は、"規制緩和の推進"にある。
「規制なんてクソ喰らえ」というのがイーロン・マスク。だからといってGrokでミッキーマウスが画像生成されてよいのかはわからないが、マスク氏はとにかく規制には反発する。
さらには、民主党バイデン政権が推し進めてきた、移民優遇やDEI(多様性、公平性、包摂性)に基づく人材登用にも異を唱え、「才能と勤勉さのみで人々の成功が決まるべきだ」と主張する。
これを「メリトクラシー(meritocracy)」と呼ぶ。能力主義と訳されることが多いが、個人の能力や努力に報いる社会を意味する。
もしトランプが勝ったら──。
最近まで「米大統領選なんて自分には関係ない」と他人事だと思っていた。でも、値上がりを続ける「ディズニーリゾート」が気になってきた。
入園者は減っているが、値上げ効果で「売上高」「客単価」は上がっている。
2024年6月、東京ディズニーシーの新エリア「ファンタジースプリングス」が開業し、有料の優先入場券「ディズニー・プレミアアクセス」がよく売れていることが好調の理由に挙げられる。
プレミアムアクセス券はアトラクションごとに1人1枚必要なので、もし家族や恋人と行ったら……とてもじゃないが計算したくない金額だろう。
しかし、その効果で「客単価」は1万7303円と過去最高を記録した(2024年4〜9月期)。
きっとイーロン・マスクなら、こう言うだろう。
「お金を高く払った人が、長い列に並ばずに早く入れる。何が悪い?」
世の中は、個人の能力や努力に報いるため、高い報酬を用意する。個人が起業などのリスクをとって勝ち取った成功。これがアメリカンドリーム。
巨万の富を築いて、それを自由に使っているだけ。メリトクラシー(能力主義)ってそういうもの。
もっと先に進んでいるのは、米国だ。
フロリダ州の「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート」では、最大449ドル(約6万9000円)で並ばずに専用レーンから乗れる「ライトニングレーン・プレミアパス」の導入が明らかになった。
お金を持っている富裕層だけが優遇される世界。つい愚痴りたくもなる。ミッキーマウスの目が笑ってないように見えるのは、本当に気のせいなのか。
スイスイと並ばずに入る富裕層を、目の前に見る。
「あなたは裕福ではない」
「あなたは能力がない」
「あなたは努力をしていない」
これから夢の国に行くほど、現実を突きつけられるのだろうか。